リンボーダンス騒動

　コンサートで楽団全員が盛り上がって、一番の名演のときがあります。野球でも逆転に次ぐ逆転とすごいゲームがあります。
　テレビの番組で生放送のときも出来不出来が当然あります。昼の番組では、暗いニュースより、明るいバラエティー番組が昼食後のサラリーマンなどに受けているようです。

　一時、バラエティー番組でリンボーダンスが流行ったことがありました。
ダンサーが音楽に乗って踊り、上体を後ろにそらして、水平に渡された棒にふれないようにしながら潜り抜ける。もし棒に触れたり、のけぞって後ろに倒れたりすれば、アウトです。成功すれば、もう少し棒を地面に近づけて、どこまで低くして通れるかというゲームです。

　ある番組で、棒とスタジオの床の間の低いポジションにつまりダンサーの真正面にカメラ一台を専用に用意していました。やがて、ダンスは白熱して、棒がどんどん低くなります。最後に成功かというとき、ダンサーの衣装がはらりと落ちました。
　機転の利くスイッチャーは(カメラを切り替える技術者)咄嗟にアナウンサーに切り替えました。
　「まといのひもが切れまして……」
　アナウンサーはわけのわからないことをいっています。これはウソのような実話です。生放送のアクシデントは肝をつぶします。