初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

45-45方式ステレオレコード

2009年01月05日 21時39分40秒 | Weblog
  LPレコードが世の中に広まっていくうちに、色々工夫を凝らしたレコードも出現しました。一枚のLPレコードに数本の録音ミゾがあってそれぞれ別の音楽がはいっています。レコードに針を下ろす時のタイミングで,何が演奏されるかわからないというのがありました。また、真面目なものでは、ミュージックマイナスワンというレコードで、クラシックのバイオリン協奏曲ならば、伴奏のオーケストラのパートだけが入っていて、レコードに合わせてバイオリニストが練習するものなどです。
 街の中ホールなどで、大型の再生装置を持ち込んで、レコードコンサートなどもよく催されていました。

 阪急東商店街のジャズ喫茶「バンビ」のレコードプレーヤーにアームが二股に分かれているのがありました。2チャンネルの初期のステレオのプレーヤーらしかったです。しばらくして、レコード会社デッカから45-45方式のステレオが現れました。レコードの溝の両側の45度に左の音と右の音をそれぞれ録音して、一つのカートリッジで、2チャンネルの音を拾おうというのですから、画期的ですし、簡単です。まもなく、45-45方式のステレオレコードが広まりました。

 この45-45方式のステレオにいちゃもんをつける批評家が現れました。純粋な音楽鑑賞に向いていないとか…。
 この、複雑な動きをする45-45方式ステレオの音を拾うカートリッジにいろいろな製品が出てきました。カートリッジを支えるアームも、オイルダンプ式アームとか、回転しているLPレコードに対してバランスをとるインサイドフォースキャンセラー式の精密天秤のようなアームや、回転するターンテーブルがモーターからの振動の影響を防ぐ、ベルトドライブ、ストリングドライブなど。

 レコードも珍しい録音が出てきます。ロンドンレコードのフェイズ4のカーニバルものがありました。スピーカーの前を左から右へ楽隊か演奏しながら行進してゆきます。拍手で迎える観客の騒音など、次々とパレードが通過してゆきます。ムービングステレオというものありました。ピアノが演奏しながら左から右へぐるぐる回りながら動いて行きました。そのうち、無理にステレオ感を出さない録音に移ってゆきます。

 再生装置もいろいろはやりがありました。スピーカーを高音、中音、低音に分割したもの、いやシングルコーンの一つのスピーカーでないと楽器の定位が悪くなるとか、しかも、これはステレオですから同じ特性の再生装置が2台必要です。
 高価なレコードを集めるか、再生装置にお金をかけるのか、マニアはオーディオの泥沼にはまり込んでゆきました。

 日本橋の高級オーディオ店でショーケースのシュアーV15、MM型カートリッジを指さして
 「これをくれ」
 店員は
 「これは見本ですからお売りできません。早速取り寄せます」
 くだんの紳士は
 「わしはいま欲しいんだ」
横にいた私は、趣味の道は年齢に関係ないなと納得しました。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿