映画から来た俳優さんがVTRドラマに出演して、最初に驚くのは、撮り終ったシーンがそのスタジオですぐ再生されることでした。
滑らかなセリフ、滑らかな演技でこのシーンのVTRロールはOKが出ました。
「いまのロールのプレビューを行います…」
とサブ(副調整室)に居るディレクターがトークバックでスタジオに告げます。
いま、撮り終えたVTRロールがそのスタジオに置かれた大きなモニターに映し出されます。
このVTRロールをスタジオに流すことをテレビ界では、「プレビュー」と云います。
「いまのシーンがOKかどうかは「プレビュー」を見てから決めます…」
などと、云います。
シーンが芳しくないときは、撮り直します。
しかし、撮り直ししますと、だんだん出来がだんだん悪くなることがあります。
熱演型の俳優さんは、このプレビューを見て、芝居を組み立て直します。
一層掘り下げてオーバーな演技になっていきます。
「リテイク」といって、撮り直します。
「テイク1」…「テイク2」…「テイク3」…
撮り直しの度に、芝居の本筋から離れていく俳優さん。
ドンドン良くなっていく俳優さんがいます。
結果、最初が一番良かったということになることが多いのです。
最初に撮ったVTRロールをキープ(最初のロールや取り直したロールを消さないで置いておくこと)しています。
そして最初の「テイク1」が良いからそれをOKにしますということで落ち着きました。
1人の俳優さんの演技がオーバーになっていくと、周りの俳優さんもなんとなくオーバーになっていきます…。
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