これに似た内容は、いぜん柴胡剤(さいこざい)と題したシリーズに書いております。今回はそのメカニズムについてお話したいと思います。
東洋医学では肝心脾肺腎を五臓といいます。これは東洋的な意味での臓とそれに付随する経絡と呼ばれる氣血(きけつ)の流れるルートが正常に機能していることが健康体であるひとつの根拠になります。
この五臓は東洋哲学でいう、五行という概念の木火土金水と対応しています。
東洋医学の説明はこの東洋的な意味での「肝(かん)」はその肝自体とそれに付随する経絡でワンセットと考えます。だから、敢えて肝の臓ではなく「蔵」とかかれる場合があります。この蔵と経絡のコンビネーションが大切なのです。その多くは陰陽のペアで活動しています。五行では木に相当します。
この木の性質は自然界の動きでは、「春の動き、働き」をあらわします。人体においては、肝の「蔵」の方の作用を表して、まるで春に木々が芽生えて大きく外に向って伸びてゆく、発散してゆく作用をつかさどっています。この機能は主に日中に発揮されます。肝は目の機能をも司ります。そして、この自由闊達に発散してゆく機能にかげりが見え始めると、病になるわけです。
肝は夜になると、発散ではなく、主に血をその「蔵」の中に貯蔵するといわれています。(肝蔵血、肝は血を蔵するといいます。)
肝に蓄えられるだけの血が、昼間の発散作用とは逆の経絡の働きによって体中から集められます。そうすると目が自然に閉じて、ゆっくりと眠りにつくことになるわけです。
朝になって、世の中に陽の気が多くなってくる時間になると、こんどはまた肝の発散作用が始まって、自然に目が開いて、楽しいいちにちが始まります。
この肝の「蔵」とその「経絡」のバランスと血の状態が大切です。
次回はこの「血(けつ)」についてお話します。
日本伝統鍼灸漢方
東洋医学では肝心脾肺腎を五臓といいます。これは東洋的な意味での臓とそれに付随する経絡と呼ばれる氣血(きけつ)の流れるルートが正常に機能していることが健康体であるひとつの根拠になります。
この五臓は東洋哲学でいう、五行という概念の木火土金水と対応しています。
東洋医学の説明はこの東洋的な意味での「肝(かん)」はその肝自体とそれに付随する経絡でワンセットと考えます。だから、敢えて肝の臓ではなく「蔵」とかかれる場合があります。この蔵と経絡のコンビネーションが大切なのです。その多くは陰陽のペアで活動しています。五行では木に相当します。
この木の性質は自然界の動きでは、「春の動き、働き」をあらわします。人体においては、肝の「蔵」の方の作用を表して、まるで春に木々が芽生えて大きく外に向って伸びてゆく、発散してゆく作用をつかさどっています。この機能は主に日中に発揮されます。肝は目の機能をも司ります。そして、この自由闊達に発散してゆく機能にかげりが見え始めると、病になるわけです。
肝は夜になると、発散ではなく、主に血をその「蔵」の中に貯蔵するといわれています。(肝蔵血、肝は血を蔵するといいます。)
肝に蓄えられるだけの血が、昼間の発散作用とは逆の経絡の働きによって体中から集められます。そうすると目が自然に閉じて、ゆっくりと眠りにつくことになるわけです。
朝になって、世の中に陽の気が多くなってくる時間になると、こんどはまた肝の発散作用が始まって、自然に目が開いて、楽しいいちにちが始まります。
この肝の「蔵」とその「経絡」のバランスと血の状態が大切です。
次回はこの「血(けつ)」についてお話します。
日本伝統鍼灸漢方