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五臓の中の「脾(ひ)」について

2008-11-21 22:59:40 | 東洋医学全般
今日は五蔵(臓)である肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)の中の「脾」についてお話したいと思います。

脾臓って何でしょう?聞いたことはあるけれども、なんだかよくわからない臓器ですね。

簡単に説明しますと脾臓を西洋医学的に説明すると、血液の中の赤血球は120日くらいの寿命で、赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素を取り込む力が弱くなる。そこで、この脾臓が老朽化した赤血球を取り込んで破壊分解して代謝する。

ということになります。

東洋医学的な意味での「脾」はもっとずっと大きな意味合いがあります。
脾もほかの蔵(臓)と同じく、脾自体とその経絡で構成されています。
脾は消化器系統の一大コントロールタワーです。主に胃と小腸(十二指腸を含む)に働きかけて、氣、血、津液を製造したり、これらを使って損傷した組織を再生する手助けをいたします。脾とその経絡の働きは、現代でいう膵臓の働きも含まれております。

脾蔵はほかの五臓の仲間のように、虚実で言う、実することはありません、何らかの理由で実してしまったら危ないと考えられていて、そうなると脾蔵はその熱をいち早く胃の方へ移すというか返してしまい、胃の方を実にしてしまいます。

こうして脾からやってきた熱で胃が実してしまうと、食欲が異常に更新したり、口内炎ができる原因になることがあります。もちろん、コントロールタワーとしての脾が虚して、食欲がまったくなくなることも多くあります。

次回は五行的な考えも織り交ぜて、五臓のお話を進めたいと思います。

日本伝統鍼灸漢方



脾に実なし、熱は胃に行く
コメント (2)
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