大昔から、ダイエットの漢方薬もいろいろなものが作られてきました。
学校の生徒たちに「ダイエットの漢方薬治療はどうするの?」と質問をして見ました。
すると生徒たちは競って手を挙げて「大黄(だいおう)!」、「いや!番瀉葉(はんしゃよう)です!」などとてきぱきと答えます。
それも、米国での漢方薬の名称は中国語のローマ字読みで教えられているので、「大黄(だーほゎん)!」、「いや!番瀉葉(ふぁんしぇいえ)です!」と答えてきます。
ちょっとまったぁ!
ほとんど全部の学生さんは、単品の漢方薬の名前を出してきます。
米国の東洋医学は教科書には理想的なことが書かれているものの、実際の臨床では、どうしても一つの病名に対して、単品の漢方薬を処方してしまう傾向にあります。なかなか西洋的な医学の考え方から抜けられないでいるのが現状です。
上記の大黄はともかく、番瀉葉は日本では「センナ」として知られる、強力な下剤です。
センナは便秘に大変よく効く漢方薬なので、一時期日本で大変はやっておりました。がんがん便が出て、やせてゆくのです。しかし、漢方薬を単品で飲むのは、あまりお勧めできません。じじつ、センナダイエットにはまってしまったために、体の熱と液体を放出しすぎて、それが慢性化したために、体調を崩してしまう方がたくさんいらっしゃいました。
このような方々は、確かにやせるのですが、お肌の色が悪くなり、強い冷え性となり、センナ無しには排便が状態にまでなった方々を治療したことがあります。
例えば、漢方医学の教科書には、カゼなどをこじらせて熱が出ている場合、体表から汗を出させたほうがよろしい段階であれば、発汗性の漢方方剤を処方します。その熱が胃腸にまで及んだときは、
カンチョウや下剤をだしてお尻から熱を出すことによって、熱を冷まします。しかし、この時期が来ていないのに早めに下してしまうと、調子が狂ってしまいます。
お尻からは体に必要な熱や液体が出てしまい、でも、上半身には発熱する要素が残っているという事になります。こうなると、下半身は冷えて弱弱しく、上半身には熱がこもり、それを発散させる力も減っているので、こもった熱で狂騒状態になったり、頭痛や耳鳴りなどで苦しむ事になります。
また、下剤系の漢方薬を単品で使いすぎて、うつ症が重くなってしまった方もいらっしゃいます。彼女は極端な便秘と冷え性で、ややうつ病気味な痩せ型の体質の方でした。便秘を治すためにご自分の判断でセンナを長期間大量に服用してしまったようです。
確かに便はよく出たのですが、冷え性は悪化し生理も止まってしまいました。人間の体は極端に冷えると、胸の周りには熱を残して最後の砦として心臓を守るようにできています。体が余計に冷えて、うつ症が悪化し、胸の周りの熱が盛り返してくると逆に以前よりも強い躁状態が出るようになっていました。
彼女も単品の漢方薬の被害者でした。漢方薬は方剤といって、いくつかの漢方薬が混ぜ合わされて作られたものが、安全で、副作用も少ないものです。
同じ名前の病気を治すにしても、その方の体質の現在の状況によって、一人ひとり異る漢方方剤が使われます。
次回はダイエットに使われる漢方方剤をいくつか紹介いたします。
漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。
私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。
学校の生徒たちに「ダイエットの漢方薬治療はどうするの?」と質問をして見ました。
すると生徒たちは競って手を挙げて「大黄(だいおう)!」、「いや!番瀉葉(はんしゃよう)です!」などとてきぱきと答えます。
それも、米国での漢方薬の名称は中国語のローマ字読みで教えられているので、「大黄(だーほゎん)!」、「いや!番瀉葉(ふぁんしぇいえ)です!」と答えてきます。
ちょっとまったぁ!
ほとんど全部の学生さんは、単品の漢方薬の名前を出してきます。
米国の東洋医学は教科書には理想的なことが書かれているものの、実際の臨床では、どうしても一つの病名に対して、単品の漢方薬を処方してしまう傾向にあります。なかなか西洋的な医学の考え方から抜けられないでいるのが現状です。
上記の大黄はともかく、番瀉葉は日本では「センナ」として知られる、強力な下剤です。
センナは便秘に大変よく効く漢方薬なので、一時期日本で大変はやっておりました。がんがん便が出て、やせてゆくのです。しかし、漢方薬を単品で飲むのは、あまりお勧めできません。じじつ、センナダイエットにはまってしまったために、体の熱と液体を放出しすぎて、それが慢性化したために、体調を崩してしまう方がたくさんいらっしゃいました。
このような方々は、確かにやせるのですが、お肌の色が悪くなり、強い冷え性となり、センナ無しには排便が状態にまでなった方々を治療したことがあります。
例えば、漢方医学の教科書には、カゼなどをこじらせて熱が出ている場合、体表から汗を出させたほうがよろしい段階であれば、発汗性の漢方方剤を処方します。その熱が胃腸にまで及んだときは、
カンチョウや下剤をだしてお尻から熱を出すことによって、熱を冷まします。しかし、この時期が来ていないのに早めに下してしまうと、調子が狂ってしまいます。
お尻からは体に必要な熱や液体が出てしまい、でも、上半身には発熱する要素が残っているという事になります。こうなると、下半身は冷えて弱弱しく、上半身には熱がこもり、それを発散させる力も減っているので、こもった熱で狂騒状態になったり、頭痛や耳鳴りなどで苦しむ事になります。
また、下剤系の漢方薬を単品で使いすぎて、うつ症が重くなってしまった方もいらっしゃいます。彼女は極端な便秘と冷え性で、ややうつ病気味な痩せ型の体質の方でした。便秘を治すためにご自分の判断でセンナを長期間大量に服用してしまったようです。
確かに便はよく出たのですが、冷え性は悪化し生理も止まってしまいました。人間の体は極端に冷えると、胸の周りには熱を残して最後の砦として心臓を守るようにできています。体が余計に冷えて、うつ症が悪化し、胸の周りの熱が盛り返してくると逆に以前よりも強い躁状態が出るようになっていました。
彼女も単品の漢方薬の被害者でした。漢方薬は方剤といって、いくつかの漢方薬が混ぜ合わされて作られたものが、安全で、副作用も少ないものです。
同じ名前の病気を治すにしても、その方の体質の現在の状況によって、一人ひとり異る漢方方剤が使われます。
次回はダイエットに使われる漢方方剤をいくつか紹介いたします。
漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。
私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。
