けい先生のつぼにくる話

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ダイエットの漢方薬  単品ではなく方剤の重要性 (続き2.)

2012-08-27 13:01:28 | 漢方アメリカOnline
前回、はとにかく食欲が旺盛な方に使う大柴胡湯(だいさいことう)でしたが、
今回は、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)のお話をいたします。

防風通聖散はどちらかというと「健康固太りの方」に処方いたします。

この漢方方剤の医療的効果を西洋医学的な病名を使って列挙しますと、脳出血、高血圧、動脈硬化、便秘、痔、湿疹等の皮膚病、蓄膿症、眼病、糖尿病、喘息、膀胱炎、肥満症などとなります。

たくさんの一見まったくちがった分野の病名が並んでおります。

漢方医学では、これらの病気が出てくることが予想される、体質、体調の背景を探ります。
この場合、体の中の熱がなんだかスキッと出て行っていないようです。
だから、その熱が、脳、血管、大腸、皮下、鼻や眼や肺の粘膜にこもっている病気が見受けられます。

じゃ、この熱は何で起きているんでしょう、、、、
インフルエンザなどでは、外から進入した病気に対抗するために免疫システムがしっかりと働いて、熱が出ることがあります。これは多くの場合「実熱(じつねつ)」と表現され、何かと戦っている、言ってみればホットな状態であります。

しかし、今回の熱はそういう戦いの熱ではなく、体の中の何かが弱った事、減った事によって、陰陽のバランスが崩れて起きている熱だと考えられます。
健康固太りという事は、しっかりと食べていて、少し運動不足なのと、ストレスがたまっているので、体に疲れというか虚しているところがあるために、熱や汗が十分に発散されていない、便や尿からの発散も十分ではない。。

このような状態が防風通聖散の適応する身体的背景となります。

防風通聖散は本来成人病予防に使うことができます。山楂降脂片 (さんさこうしへん)と併用する事もよいことです。



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