けい先生のつぼにくる話

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足底筋膜炎(Plantar fasciitis)の治療  お命ちょうだい仕ります。。灼熱地獄。

2017-09-14 16:18:43 | 東洋医学全般

とにかく痛いところを探し出して、そこに印をつけます。


この治療の場合は、硬く絞ったもぐさをその印の上に置きます。


お線香を使って、このもぐさに着火をいたします。
この治療の場合は、もぐさを焼き切ります。
焼き切ったら、その灰をポンポンと指でつぶし、その上にまた硬しぼりのもぐさを置いて着火して焼き切ります。一か所で10壮(お灸は1壮、2壮と数えます。)ほど焼き切りましたら終了です。
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私たちの日本伝統鍼灸は基本的に「痛くない鍼治療」「熱すぎないお灸」が売りなのです。
そして日本伝統漢方も「変なものは極力入れない(例えば昆虫を使う代わりに果物のモモの種を使って瘀血を取る)」のがある意味セールスポイントなのです。

わたくしもほとんど刺さない無痛の鍼、あとの残らないお灸でマイルドな治療を心がけています。
鍼は深く刺したり、強い刺激をしなくとも、十分に効果が出るものです。

しかし、たった一つの例外があります。

それは、足底筋膜炎(Plantar fasciitis)の治療です。
これは足の裏のかかとの中心やその周りがものすごく敏感になって、ちょっとの刺激でも飛び上がるほど痛くなる症状です。

歩く時の一歩一歩は、それこと毎歩ごとにクギや画鋲を踏み抜いたような痛み方です。
あるいは、寝ているときに、ハズバントの足がちょっとその部分に触れただけで、激痛で目が覚めてしまうような痛さです。

米国では医者に行くと、いわゆるコーチゾンショット(日本ではステロイドショットですかね。)を打たれます。これは一定期間に3回までしか打つことができません。とても強い薬なので、3回目のショットで頭髪が脱毛してしまう方もいらっしゃいました。
これは、うまくゆくと3か月から6か月は驚くほど効くのですが、止痛であって治ってはいないのでまた痛み出します。
保険が効く場合もありますが、それでも1回1000ドルの手出しになる方もいらっしゃいました。

あるいは、ある患者さんは医師にそのかかとの部分の骨と骨膜を削る手術を勧められて、術後のリハビリテーションの痛さと、痛みを止める効果の保証はできないと言われて、うちにいらっしゃいました。


この足底筋膜炎(Plantar fasciitis)にはお灸が大変効くのです。

今までわたくしの患者さんで、効果のなかった方は一人もおりません。
これは、私のお灸の腕が良いという意味ではなく、この疾患は、とにかく熱いお灸をすれば必ず効果がでるのです。

しかし、このお灸治療は、「死ぬほど熱い」のです。
どれぐらい熱いかというと、屈強な米人の方が、治療ベットの縁を力強く握って、「ぐぬぬぅ~~っ!」と言いながら身をよじるような熱さです。
治療をしているわたくし自身も、患者さんがかわいそうで汗をかいてしまいます。

ですので、この治療を行う際は、事前に非常に丁寧に説明をさせていただいております。
そして、ご納得をいただいた後、最後に「お命ちょうだい仕ります。。。」と一言添えて治療が始まります。

さて、私にこんな治療を受けるのなんてまっぴらだ、という方や、遠方でいらっしゃれない方には「せんねん灸」で自己治療をなさってください。
せんねん灸の一番熱い仕様の「せんねん灸強力温灸レギュラー」をお使います。

とにかく熱くすれば必ず効きますので、勇気のある方はぜひお試しください。
足の裏、特にかかとのあたりの皮膚は、非常に代謝がよろしいので、治療をした時には黒い焦げ跡ができますが、将来的に痕が残ることはありませんので、ご安心ください。

患者さんに行うことは必ず自分の体で試すことにしているわたくしなので、当然自分でもこの治療を行ってみました。熱い、、熱い、、、本当に熱いのです。。でも痕は残りませんでした。。
ちなみに、かかとの部分のお灸は不眠症に使うことも多いのです。私の場合は結果的にその晩に朝まで爆睡してしまいました。
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