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お酒で飲める漢方方剤 当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)

2010-12-10 15:37:02 | 東洋医学全般

カキ氷の具です。バンコクのチャドチャック市場内です。


先週バンコクから帰ってきたのですが、私を待っていてくれた患者さんが多くいらっしゃってくれたのと、時差ボケがなかなか抜けなくて、ブログの更新が本日になってしまいました。
時差ボケの治療は人様にはするのですが、なかなか自分でするのは難しく、ほうっておいたのです。。。。

さて、本日は当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)のお話です。これは一般的に知られる使用方法を見ますと、貧血や低血圧、不妊症などによく使われます。
この方剤は専門的には肝虚陽虚寒証(かんきょようきょかんしょう)という状態で、簡単に言いますと、氣血(きけつ)の血(あえてケツと読みます。)のほうが減ってしまって、陰陽の陽の氣(温かい氣)が減少して体が冷えている状態です。そして、体の中の水(津液、しんえきとよむ水分)が血に変われなくなって、貧血や立ちくらみがあって、体の余分な水分が多くなり水太りしている部分がある状態です。

この漢方方剤はこの状態を改善するので、結果的に月経痛や急に生理が止まってしまったなどの婦人科疾患や不妊症に多く使われます。
また、一般的な腹痛と妊婦さんの腹痛にも安全な効果があります。おもしろいのは胎動が強すぎて起きる妊婦さんの腹痛にもききます。

もう一つは、腎臓疾患にも使われます。人口透析治療をしなければならないと宣告された場合、最後の頼みとしてこの当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)をつかって持ち直すことがあります。

お酒を飲める方であればこの方剤を粉のまま口に含み、お猪口やぐい飲みいっぱいのお酒やワインで服用することもよいことです。これは古典の漢方書籍に載っている方法ですが、すぐに体が温まって気持ちがよいものです。

そういえば先日、私の漢方アメリカオンラインに質問をしてこられた患者さんがいました。
彼女は頑張り屋さんで体力を使いすぎたのか、生理がとまってしまったとの事でした。
何度かのメールでのやり取りと、11項目にわたる問診を丁寧に何度も行いました。もちろんこれらのサービスでお金は一切いただいておりません。

この方の生理が止まってしまったそれまでの経緯と、今後も順調に婦人科系の動きがよくなるような予後のケアも考えてお出しする漢方方剤を厳選いたしました。

そして、この当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)の購入が決まり入金も確認されました。薬剤の調剤も終え、専用の袋につめて商品名のシールも貼り、梱包を終えて郵便局に向かうところまで行きました。

その矢先、、、、彼女からポーンとメールが入って「漢方薬を飲まなくてもなぜか生理が始まりました。もういいです。だから購入もキャンセルします。すぐに返金をお願いします!私、経済的に苦しいですし!」ということでした。。。。

私はあきれてしまい、思わず「はぁい?(ドラマ相棒の片山右京さんのアクセントで。)」と声を出してしまいました。

後日、私のアシスタントの女性いわく「先生やっぱりお人よしですねぇ。。あそこでブツを送ってしまって返金しなくてもよかったのに。。。また知らない人に踊らされちゃいましたね。」
私は「あの場合、返金するしかないでしょう。。。経済的に苦しいって言ってるんだし。。」

と、話していると例の女性からまたメールが届きました「先生、返金を確認しました!これに懲りず今後ともよろしくおねがいします!」。。だって。。。

私は思わず声に出していいました。「や、だ、ね!」

アシスタントは手を叩いてあっはっはと笑い転げてました。。。。。

漢方アメリカOnlineもよろしくお願い申し上げます。

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