言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その5>

2011-12-07 11:15:41 | 商店街の再生
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その5>


「先ほどの話の続きになるが、この満天通り商店街もご多分に漏れずに、駅から続く駅前通り商店街からひとつ曲がった通りになるんだが、800メートルほどの長さで、途中で小さな川が横切っている。昔は夏なんかは、その川の畔にみんな夕涼みに出てきながら、店を冷やかして行ったものなんだ」

満天通り商店街はその川を横切ったかたちで、最盛期には93店ものいろいろな業種の店が輝いていた。

夏は夕涼み、春はお花見、秋には秋祭りにとそれぞれ季節の風情を醸し出していた。

何もない冬場はさすがに川辺にやってくるほどの人手はなかったが、それでも商店街には人が溢れ、活気があった。

それがバブルの頃からか、どんどん郊外に他県資本の大型店が現れ、その周辺が宅地造成で開発されどんどん建売り住宅が建てられるようになった。

それらを購入した若いファミリーは、市内中心部に住むの親から離れていった。

それでもまだ満天通り商店街は賑わっていた。

だから、郊外に大きな店ができても、それほどの影響がないのだと高をくくっていたきらいがある。

にぎわいが目に見えて衰えていったのは、21世紀に入ってからだった。

最初はほんの2、3軒、店を閉じた。

田島はまだ理事長にはなっていなく、青年部の役員に過ぎなかった。

そのときは何も感じなかった。

自分の中ではまだまだ勢いが感じられていた。

四季それぞれにあるイベントを青年部が先頭に立って行っていた。

しかしその間でも空き店舗が少しずつ増え始めていた。

あらためて気がついたときにはすでに10数軒廃業しており、あと数軒すぐにでも廃業届を出す寸前にまでになっていた。

そうなってはじめて、空き店舗が目立つようになった。

そこで満天通り商店街振興組合では、空き店舗対策チームをやっと作り、行政とも連携して、チャレンジショップ制度を打ち出し、新しい商業者を募集した。

市から開店資金20万円補助、さらには振興組合からも10万円の資金援助、そして県や市から500万円まで低金利融資を受けることができるということだった。

さらに商工会議所からは経営指導員がつきっきりでサポートし、チャレンジショップが独り立ちできるようにと手を打った。

しかし最初から補助金を当てにして出した店はことごとく失敗し、定着することはなかった。

さらに人生をかけて出店した脱サラのチャレンジャーもいたが、意気込みだけで、評判を獲得するだけの店にはできずに、散っていった。

さらにその後は、補助金や融資の対象外の店が進出し始めてきた。

ゲームセンターや、中には風俗店まがいの店の進出だ。

しかしそんな店もあっさりと撤退していくほどに、商店街そのもののシャッター通り化が進んでいった。



今現在は一種の下げ止まり感で、30数店舗が細々と営業して何とか商店街の形は保っているが、ここで後数店舗が撤退したら、本当に商店街そのものがなくなってしまうことになる。

今さらてこ入れというのもむずかしくなった状態で、じゃあこれからここはどうしたらいいのだろうか。

もう役員だけでがんばっていくには、手の施しようがないという感じだ。

田島も半ばはあきらめている、というところが本音だった。

「だいたいのところは理解できました。こちら独特の理由というのも見受けられませんね。いずこも同じ何とか、というところですか」

本田が言った。

「まだちゃかすのか!」

田島がまた怒った。


                         <6>へつづく



(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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僕のコピー人生(2)

2011-12-07 11:04:26 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。


晴れているんですが、何となくぼんやりとしている、そんな薄曇りともいえない、どちらかというと晴の方が勝っているので、こんな言葉はありませんが、薄晴です。
冷たいですね。暖房を入れない部屋でキーボードに触れると、指先に冷たさが直に伝わってきます。指先のない毛糸の手袋をして今キーボードを打っています。
天気予報を聞いていると、この冷たさが平年並みだそうです。

さて今日はまた僕のコピー人生の続きをちょっと綴ろうかなと思います。


僕は宣伝会議賞奨励賞をいただく少し前に、群馬県桐生市の小さな広告制作会社に入社しました。

コピーラーター養成講座を修了し、コピーライターの卵にはなりましたが、職に就くまではまだ卵の殻を割ることもできません。

それに僕は大学を卒業しても就職せず今で言うフリーター(当時はこんな言葉ありませんでした)でずっと過ごしていましたので、新人と言っても年を食っていました。
最初大阪では有名なM社という広告代理店で就職試験を受けましたが、コピーライターとしてはいいのですが、組むデザイナーが僕よりも年が下なので、という変な理由で断られました。

これではらちがあかないと、コピーに限らず、文章を書く仕事を片っ端から探しました。
そして最初に新聞広告で飛び込み見習いで入ったのが、うさんくさい業界紙の編集でした。

企業に取材したいと連絡をして伺い、インタビューしたあと、この記事を載せるので、記事代としていくら出せというものでした。
勝手に押し掛けて、勝手にお金を出せという、まことに勝手な業界紙でした。

3日でやめて、さてとまた職を探し始めたところ、宣伝会議社そのもので社員を募集するということが宣伝会議誌に載っていたのですぐに応募し、そこがダメでもいいやや東京で職を探そうと、無鉄砲に東京に出てしまいました。
まあそれほど無鉄砲でもなかったのですが………。宣伝会議社でも、コピーライター養成講座修了者に、その頃はコピーライターの職を斡旋してくれていたのです。それもあったので、まあ東京に出たのです。

住むところは大阪の知り合いの知り合いという、自分は面識もない人の紹介で、小平のアパートに転がりこみました。
“3畳一間の小さな下宿”です。文字通りの。
おまけに部屋の片方が廊下から丸見えのガラス窓になっているんです。
その部屋から宣伝会議のある銀座まで西武新宿線と地下鉄を乗り継いで出かけました。

試験会場には30人以上はいたでしょうか。その中から中途募集なので、たった1名の採用です。
僕には卒業してから5年以上も遊んでいたというハンディが重くのしかかっていたので、半ばあきらめで試験の望んだところ、なんと面接の最後の3人(だったか2人だったか)に残ったのです。しかしそれで終わりです。もちろん落とされました。

意気消沈している暇もなく、僕はまた宣伝会議社に出かけ、就職斡旋カードに目を通し、その中から条件に合う(というより年齢制限のなかった)2社をとりあえずメモし、まず1社に電話しました。そこがその後30年以上お世話になる桐生市の広告会社でした。
すぐに面接するのでおいでということで、東武電車に乗って出かけました。

東武伊勢崎線に乗ってみるとわかりますが、埼玉に入ると、断然畑や田んぼが目につき始めます。どんどん田舎田舎した場所を走っていくのです。

面接日が忘れもしない9月15日。当時は敬老の日で世間では祝日でしたが、その会社では関係なく仕事をしていました。休日は日曜だけだったのです。


さてこの続きはまた後日。

お粗末様でした。


それでは今日はこれで。
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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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