こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。
この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
それでは第38回目です。
38.いいコピーは、すぐ腐る
奇妙なタイトルから今回は始まりました。
嫌な展開?
まあ、読んでください。
会議は踊ってもいいけど、ーーー(ちなみにこの言葉を知らないひとのためにちょっと蘊蓄を。知っている人は飛ばしてください。“会議は踊る”とは、1931年に作られたドイツ映画のタイトルで、1814年、ナポレオン敗北後の欧州秩序を話し合うために、90の王国・53の公国の代表がウィーンに集い、ウィーン会議が開かれた模様を、恋愛、政治、外交の駆け引き等で楽しく描いたものです。その題名の『会議は踊る』は、オーストリアの将軍・リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という、会議を評した有名な言葉にちなんでいます。史実としても、この会議は主要国のみで話し合い、その他大勢の各国代表は晩餐会、舞踏会に明け暮れ、さらに会議自体も社交的雰囲気のなかで展開され、宮廷外交の駆け引きで内容が詰められていった、というテンポの遅いものだったそうです。フランスのタレイランは「一日の四分の三はダンスと宴会だった」とメモしています。そんな歴史絵巻をロマンスと音楽とダンスで彩りながら、ウィーン風に仕上げた映画が『会議は踊る』です。以上。
ーーーいいコピーは、すぐ腐ると困る。
特にわれわれコピーライティングを職業にしているものにとっては。と思う人もたくさんいらっしゃると思います。
この言葉は、ぼくの大好きな作家、沢木耕太郎氏の「夕陽が眼にしみる」の一節にあった、ノンフィクションの巨人、大宅壮一氏に触れて書いたものの中にあった「言葉は腐る」という言葉です。
「言葉は腐る」というのは、その時代に流行していたもの、その時代に書かれた、その時代の雰囲気を伝えるような言葉であり、それが時代を経ると、どうしようもなく古臭くなってしまうというような意味合いです。
その時代、その時代に、その時代を象徴するような言葉、文章を書き連ねてきたコピーライターとしては、耳の痛い言葉です。
しかし、そこから考えて、腐る言葉こそ、コピーライターは生み出していくべきではないか、とも考えるようになりました。
言い換えれば、いいコピーは、その時代を象徴するものが一番、その時代には光っている言葉なんですから。
だからコピーライターは、時代を経ると腐ってしまうような言葉をこそ、作るべきではないのだろうかと。
時代に左右されない言葉、文章は文学であり、決して商業によって生み出されたものではないからです。
逆にいつまでも残るコピーなんていうのは、コピーとしては良くない、つまらないものではないだろうか。
以前、ぼくはこのメルマガでも書いたことがありますが、コピーは詩に似ているけれど、詩とは全然違う性質のものだ。
コピーで“文学する”必要はないのだ。コピーで“文学”をしようとするのは邪道だ。
コピーはコピーライティングという、商業のひとつの分野であり、決して芸術分野の文学の一端ではないのだよ、ワトソン君。
だから広告のコピーというものは生なものなんだから、腐ってこそ本望というものです。
いつまでも生き続けているコピーなんて、逆にいうと、つまらないものなのではないでしょうか。
新鮮だからこそ、良いコピーは腐るものなんだということ。
血のしたたるような、フレッシュなコピーはすぐ腐る。
いいコピーこそすぐ腐る。
腐ってこそ本望。
それをコピーライターの名誉と考えよう。
そんな、すぐ腐るコピーをこそ生み出し続けてほしいものです。
決して自分のコピーをいつまでも残るものにしないこと。
残るのなら、心の中に、印象としてだけ残るものを。
いつまでも、実際に使われるようなコピーは作らない。
それを胆に銘じて作ってみてはいかがでしょうか。
逆に、そう心掛けることによって、いいコピーが作れるのではないかな、とも思う次第です。
いかがでしょうか。
さあ、思いっきり、腐るコピーを作ってみませんか。
こう書いていて、今、思い出しましたが、あれは確か糸井重里さんだったかの、20世紀末の年賀状か、もしくはどこかのデパートのお正月のコピーで、つぎのようなものがありました。
あけまして、こんばんは。
世紀末の新年ということを、これほど短い言葉で表現したものを、ぼくは他には見かけませんでした。
これこそすぐに腐るコピーではないでしょうか。翌年には絶対使えない究極のコピーです。
しかし、それが使われた年にはものすごく輝いて見えるコピーです。
そのとき一瞬ものすごく輝いて、次にはもう使おうとしても使えないコピー。
腐るコピーとは、そういうものです。
生なコピーだからこそ、もう使えない。二度と使えないもの。
コピーライター冥利に尽きる、いいコピーですね。
(まあ、AD2100年の新年にはまた使えますけどね……)
<39>へつづく。
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサーの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「売れるキャッチコピーを作ろう」をぜひお読みください。
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かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
それでは第38回目です。
38.いいコピーは、すぐ腐る
奇妙なタイトルから今回は始まりました。
嫌な展開?
まあ、読んでください。
会議は踊ってもいいけど、ーーー(ちなみにこの言葉を知らないひとのためにちょっと蘊蓄を。知っている人は飛ばしてください。“会議は踊る”とは、1931年に作られたドイツ映画のタイトルで、1814年、ナポレオン敗北後の欧州秩序を話し合うために、90の王国・53の公国の代表がウィーンに集い、ウィーン会議が開かれた模様を、恋愛、政治、外交の駆け引き等で楽しく描いたものです。その題名の『会議は踊る』は、オーストリアの将軍・リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という、会議を評した有名な言葉にちなんでいます。史実としても、この会議は主要国のみで話し合い、その他大勢の各国代表は晩餐会、舞踏会に明け暮れ、さらに会議自体も社交的雰囲気のなかで展開され、宮廷外交の駆け引きで内容が詰められていった、というテンポの遅いものだったそうです。フランスのタレイランは「一日の四分の三はダンスと宴会だった」とメモしています。そんな歴史絵巻をロマンスと音楽とダンスで彩りながら、ウィーン風に仕上げた映画が『会議は踊る』です。以上。
ーーーいいコピーは、すぐ腐ると困る。
特にわれわれコピーライティングを職業にしているものにとっては。と思う人もたくさんいらっしゃると思います。
この言葉は、ぼくの大好きな作家、沢木耕太郎氏の「夕陽が眼にしみる」の一節にあった、ノンフィクションの巨人、大宅壮一氏に触れて書いたものの中にあった「言葉は腐る」という言葉です。
「言葉は腐る」というのは、その時代に流行していたもの、その時代に書かれた、その時代の雰囲気を伝えるような言葉であり、それが時代を経ると、どうしようもなく古臭くなってしまうというような意味合いです。
その時代、その時代に、その時代を象徴するような言葉、文章を書き連ねてきたコピーライターとしては、耳の痛い言葉です。
しかし、そこから考えて、腐る言葉こそ、コピーライターは生み出していくべきではないか、とも考えるようになりました。
言い換えれば、いいコピーは、その時代を象徴するものが一番、その時代には光っている言葉なんですから。
だからコピーライターは、時代を経ると腐ってしまうような言葉をこそ、作るべきではないのだろうかと。
時代に左右されない言葉、文章は文学であり、決して商業によって生み出されたものではないからです。
逆にいつまでも残るコピーなんていうのは、コピーとしては良くない、つまらないものではないだろうか。
以前、ぼくはこのメルマガでも書いたことがありますが、コピーは詩に似ているけれど、詩とは全然違う性質のものだ。
コピーで“文学する”必要はないのだ。コピーで“文学”をしようとするのは邪道だ。
コピーはコピーライティングという、商業のひとつの分野であり、決して芸術分野の文学の一端ではないのだよ、ワトソン君。
だから広告のコピーというものは生なものなんだから、腐ってこそ本望というものです。
いつまでも生き続けているコピーなんて、逆にいうと、つまらないものなのではないでしょうか。
新鮮だからこそ、良いコピーは腐るものなんだということ。
血のしたたるような、フレッシュなコピーはすぐ腐る。
いいコピーこそすぐ腐る。
腐ってこそ本望。
それをコピーライターの名誉と考えよう。
そんな、すぐ腐るコピーをこそ生み出し続けてほしいものです。
決して自分のコピーをいつまでも残るものにしないこと。
残るのなら、心の中に、印象としてだけ残るものを。
いつまでも、実際に使われるようなコピーは作らない。
それを胆に銘じて作ってみてはいかがでしょうか。
逆に、そう心掛けることによって、いいコピーが作れるのではないかな、とも思う次第です。
いかがでしょうか。
さあ、思いっきり、腐るコピーを作ってみませんか。
こう書いていて、今、思い出しましたが、あれは確か糸井重里さんだったかの、20世紀末の年賀状か、もしくはどこかのデパートのお正月のコピーで、つぎのようなものがありました。
あけまして、こんばんは。
世紀末の新年ということを、これほど短い言葉で表現したものを、ぼくは他には見かけませんでした。
これこそすぐに腐るコピーではないでしょうか。翌年には絶対使えない究極のコピーです。
しかし、それが使われた年にはものすごく輝いて見えるコピーです。
そのとき一瞬ものすごく輝いて、次にはもう使おうとしても使えないコピー。
腐るコピーとは、そういうものです。
生なコピーだからこそ、もう使えない。二度と使えないもの。
コピーライター冥利に尽きる、いいコピーですね。
(まあ、AD2100年の新年にはまた使えますけどね……)
<39>へつづく。
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
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