言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その7>

2011-12-21 09:59:31 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その7>


本田に満天通り商店街理事長の田島から連絡があったのは、その3日後だった。

本田はその前、満天通り商店街を訪問した翌日から他の商店街の成功事例をまず調べた。

しかし成功事例をみてみると、まだそれほど空き店舗が目立つ前から全員一致で事に当たり、盛り返している例が多く、満天通り商店街のように、廃業寸前、限界商店街に近い状況からの再生例はなかった。

本田は怖くなった。

本当に自分でやれるのだろうか。

今までは個店の再生ばかりで、商店街という、何か得体の知れない大きなものに取り組んだ経験がなかった。

商店街といえば、まだ広告会社に勤めていたときに、イベントの企画や手伝いをやったことがあるだけだった。

そのときは正直、外側からのバックアップで、成功しても不首尾に終わっても、直接その影響があるわけではなかった。

しかし今回はまったく違う。

もしかしたら、自分のコンサルタント生命が絶たれてしまう失敗例になりかねない。

だからやる限りは成功しなければならない。

いや成功しないまでも、さらに悪化させないで現状維持程度までなら許されるだろうが、それさえむずかしい状況だった。

調査する一方で、頭の方は、何かできることはないか記憶の襞を探っていた。

悩んだときには一度振りかえり、過去に戻って考えてみることが今までは有効だった。

今回も過去を探ることにたくさんの時間を費やした。

特に商店街がにぎやかだった昭和年代のこと。

バブル以前、一番華やかだった頃のこと。

その頃商店街に行くことは自分にとっては、いったいなんだったのだろうか。

何を楽しみに出かけただろうか。

そして母親はどういった理由で商店街に出かけていったのだろうか。

そこから何かヒントが得られないだろうか。

そして今どうしてお客様は商店街に行こうとはしないのだろうか。



「本田さん、いろいろもめましたけどやっぱりやってもらおうということになりました。よろしくお願いします」

「………はい、わかりました。期間的にはいかがですか?」

「ここまで来たんだから急ぐといえば急ぐし、急がないといえば急がないし………」

「それでは2週間時間を頂けますか。その間で考えてみます」

もう逃げられない。

こうなったら、逆に思い切った提案の方がいいのではないかと思った。

ちょっとぐらいの販促の提案で、何とかできるというレベルの問題ではなかった。



期限の2週間はあっという間に過ぎた。

その間本田は、他のクライアントの案件を考えながらも、満天通り商店街の再生について考えを巡らし続けた。

いくら商店街だからといっても、すべては個店の集まりだ。

だから個店のポテンシャルを上げることができれば、商店街全体が活気に溢れる。

基本は個店だ。

そこから説き起こしていこうと本田は考えた。

逆に考えれば、今までの商店街は商店街の集客力に頼り、個店の力を発揮してこなかった。

さらに個店は商店街の盛んだった幸せな時代をいつまでも懐かしがるだけで、そのときの売ってやるというような一種消費者の上に立った、腕を胸に組みながらの販売方法を踏襲してきた結果、見るも無惨な結果に陥ってしまっているのではないか。

だからここは、今残っている個店に、もう一度商いとは何かという基本を学び直してもらい、まず自分の店を輝かせることを提案しよう。

本田は基本構想をまとめ、田島理事長に訪問する日を打合せするために電話した。
                                        




                                           つづく


<8>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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「家政婦のミタ」から“ミタ”、マーケティングの発想

2011-12-21 09:41:08 | 商店街の再生
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

冷えていますね。
朝は曇っていたことと、明日が冬至だということで、7時を過ぎても少し暗くて、6時半に目が覚めても、7時過ぎぐらいまで、手元灯を点けて、寝床で本を読んでいました。
こういう日は、起きるのにいっそうの勇気、というか強い気持ちが要ります。
あなたはいかがですか。
さっと、こんな日でも起きられる方がうらやましい。


日テレの「家政婦のミタ」が今夜いよいよ最終回ですね。
今どきでは珍しく30%近い高視聴率をたたき出しているドラマです。

たまたま第1回目を見てしまったので、面白くて、というよりは次はどんな「承知しました」が出るか、そんな興味で毎週見ていました。
なぜ面白いのかという分析は評論家に任せますが、これもマーケティングとしてとらえて考えてみれば、何か参考になることがあるのかもしれないなと、前から考えながら見ていました。

なぜ次回も“ミタ”いのか。
最初は、1回完結で、「家政婦のミタ」さんが行く先々で、家族の何らかの葛藤を眺めるという形式かなと、自分では思っていたのですが、予想ははなから覆され、一見幸せそうに見えた家族の崩壊と再生が描かれていきました。

その覆し方も中途半端ではなく、驚きの連続でした。
「私を殺して」と言われれば「はい承知しました」と包丁を持って迫っていく。
「この家を燃やして」と言われれば「はい承知しました」と言って、灯油を撒き、火をつけようとする。
その極端さが、見る人を引きつける大きな要素であったように考えます。

そして、もうひとつは、家政婦のミタの今までの生活の謎。

それに反して、ミタに関わる家族は本当にありふれた、そこらにたくさんあるひとつの家庭で、とてもリアル感があり、片方では家政婦がロボットのようなスーパー家政婦で、絶対にあり得ないという人物設定。
その取り合わせがいっそう興味を引き立てたように思えます。

何だかかつての筒井康隆さんだったら、SF仕立てで書きそうな設定です。


さて、そのマーケティング的な発想ですね。

まず、そこには意外性の発想がもちろん散りばめられています。
次から次へと興味を引き延ばす手法。
この手法を小売業に持ってくるとどうなるか。

次から次へと商品構成を変え、お客様が飽きない品揃えをしていくこともそのひとつですね。

まさかこれはないだろう、というような突飛な商品さえも品揃えし、お客様の期待以上の提案をしていくということで、お客様がまた来たい、来なければならなくさせてしまう、という一種麻薬的(たとえは悪いですが)な店づくりに励むということですね。

さらには、お客様が望んでいることをうまくはぐらかして、ちょっと違った使い方を提案できる店づくり。

そしてお客様の声をよく聞き、その声をすぐに店に取り込み、次にそのお客様が来店したときには、思ったようになっているというサービスがあるような店づくり。

またお客様のわがままを、どんなことであれ、喜んでやり遂げるという、お客様本意の店づくり。
そういったところが実にマーケティング的だなあと思いました。

特に連続ドラマの脚本などは、マーケティングを基本になぞらえていればいるほど、視聴者に見られるわけで、逆にいうと、われわれがそういったことを学びながら、ドラマを見てもいいわけですね。


演じた松嶋菜々子さんにもこのドラマはいい転機になり、これからはまた新たな、今までやったことのない役柄の話がいっぱいくるようになるんでしょうね。

お店だって、シャッター通り商店街だって、思い切った店舗構成、商品構成に切り替えて、新たなお客様にアピールしていく転換期ではないでしょうか。

ということで、毎度のことですが、最後はまとまらなくてすみません。




それでは今日はこれで。
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あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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