言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

「ある地方商店街の小さな一歩」<その6>

2011-12-14 09:58:26 | 繁盛店物語(創作)
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「ある地方商店街の小さな一歩」<その6>


「あ、すみません。ちゃかすつもりは毛頭ありません。ただ、衰退の理由を考えていたら、ついそんな言葉が出てしまいました。済みませんでした。あやまります」

本田は立ち上がって、深々と頭を下げた。

「いいよ、そこまでしなくったって。ただ私たちは私たちでいろいろ考えてきたんだよ。それを面白そうに言われると、頭にくるんだよ」

本田は座り直しながらさらに言葉を継いだ。

「本当に済みません。僕ってつい皮肉を言ってしまうくせがあって、それでよくクライアントを怒らせてしまうんです」

「お客は少ないだろ、そんなんじゃ」

「はい。その通りです。でも真剣に取り組むという点では誰にも負けないつもりです。だからこうして田島さんにも呼んでいただいたわけです」

「まあ、な。何店か見事に立ち直らせた経験があるって聞いたから、もしかしたらこの商店街も、って思ってみたが、考えてみたらそれは全部個店で、こういったまとまった商店街の再生なんて初めてじゃないのか」

「その通りです。初めてです」

「最悪だなあ。いやまいったなあーー」

「どうしてですか?」

「だってそうだろ。まるで経験のない奴に再生なんてできないだろうが」

「だって、誰だって最初は未経験でしょ」

「まあそりゃそうだが………」

「それに言わせてもらえば、今までにだって、何人かのコンサルタントに依頼していろいろ取り組んできたんでしょ」

「ああ、まあな………」

「それで、うまくいきましたか」

「いや、最初はうまくいっていたが、なかなか続かなくてね」

「経験がないからこそ、逆に今までになかったこともできるというふうに考えてみませんか。逆転の発想ですよ」

「言葉でいうのは簡単だがなあ、なかなかそううまくいくもんじゃないし………」

「そうです。簡単じゃありません」

「じゃあ聞くが、まあこちらから声をかけて呼んどいて言うのもなんだが、何か案があるのか?」

「今すぐにどうこう答えられるほど簡単な問題じゃありませんよ。どこの商店街だって、それで苦しんでいるんですから」

「そりゃまあそうだが………」

本田は居住まいを正して言った。

「まず商店街を私の目で見させてください。そして少し時間をください。ここまで来てるんですから、焦らないでしょ」

「ああ、焦ったところでしょうがないしな、いまさら」



本田はまず商店街を案内してもらった。

アーケードが商店街をおおっているせいか、晴れているのに、全体が暗い。

空き店舗の多さがそれに輪をかけているような気がする。

もちろんウイークデーの午後である。

人通りが極端に少ない。

お年寄りさえ歩いていない。

どうなっているんだろうと、あまりのひどさにさすがの本田も声が出なかった。

それでも注意しながら歩いていくと、営業中の店には数人のお客様がいることはいるようだ。

当たり前だろう。

そうでなければとっくに潰れているはずだ。

「田島さん、予想以上ですね。はっきり言って申し訳ないですけど、ここ以上に寂れている商店街にはまだお目にかかったことはないです」

「そうか。やはり、な」

「私の少ない経験の中で言うのもなんですが、よくみなさんが残ってやってられるなあという感じですね」

「そこまで言うことはないだろ」

「はあ――」

「今日はまあほんとに人通りが少ないなあ。これほどの日はなかなかないけどね」

「じゃあ最悪の日に私がやってきたというわけですね」

「そういうことになるかな。だから逆によかったのかな。一番悪いときを見せられて」

「まあ、ね。そうとも言えますが………」

ひと通り歩き終えると、商店街を横切る小さな川畔に置かれているベンチに座り、今後の打合せをした。

本田がまず重い口を開いた。

「田島さん、はっきり言って、私にはこれといった起爆剤になることをアドバイスできるかどうか自信がありません。感じたこと、そうして、これならできるだろうということを考えてきますが、あまり期待しないでください。変に期待されると、出した企画がなあ~んだと言うことにもなりかねないほど、まったく当たり前のご提案になるじゃないかなと今から思っています。それでもよろしいでしょうか。それでご承知いただけるのなら、この仕事を引き受けさせていただきます」

「それは私の一存じゃお答えできない。理事会に諮ってみてから返事しますよ」

「その方がいいですよね」
                                        

                             つづく



<7>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

“下”請け企業が“横”請け企業になるために

2011-12-14 09:11:15 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

今朝の起きがけでは日差しはなかったのですが、だんだんと薄日が射すようになり、少し晴れてきました。南岸では雨が降ったようですが、こちらは曇っただけです。
その分寒いですね。


さて、企業の相談に出て行くと、わが社には何の優れた技術もないとは口が裂けても言わない代わりに、特にこれが優れているという技術も、たいていの企業ではそんなにありませんという答えが返ってきます。

だからたいてい下請けから抜け出せないで、常にコストダウンを要請されているという状況ではないでしょうか。

しかしたいていの企業では、部品を作るだけで、よく作ったところで半製品まで仕上げるぐらいの規模が通常であり、一般に販売できるような完成品を作るまでには至りません。

完成品を出荷する企業は、たくさんの部品を企業から集めて組み立て、完成品にして世に出すわけで、すべてのメーカーがそれをやるわけにはいかないのが当たり前であり、そうした意味もあって、いわゆる下請けでひとつの部品を作る企業も絶対的に必要なわけです。
トヨタだって、パナソニックだって、ソニーだって、アップルだって、すべて部品は他社からの納入です。
そういう意味で部品メーカーは存在意義があるんです。

それでも、下請けでどうしようもない、と嘆いている企業の社長はこの世の中ゴマンといます。

しかしあなた方下請けの企業がいるおかげで、アッセンブリメーカーも企業と成り立っているわけで、ほんとうは“下”ではなくまたもちろん“上”でもなく、“横”であるわけです。

対等でいるべきなんです。

じゃあどうしてアッセンブリメーカーの“下”に甘んじているのでしょうか。

それは、あなたが自分で、「わが社は仕事をアッセンブリメーカーから仕事をいただいている立場なんだ」という意識が強いからです。

「でも対等の立場でものを言ったらすぐに切られてしまう」という声が聞こえてきます。

なぜ切られてしまうのでしょう。
それはその技術が他社のどこにでも取って代われるほどの技術でしかないということ、ですよね。

そこから対等にアッセンブリメーカーとお付き合いできる答えが出てきました。
そうです。技術を磨けばいいんです。

その技術で仕事をしてきたのですから、さらに磨けるはずです。
そうすることが、アッセンブリメーカーと対等につき合える答なんです。

アッセンブリメーカーとは縁を切って、自社開発製品で勝負して繁栄するようななったという企業が、テレビや雑誌などで紹介されることがありますが、実はそれほどその数は多くはありません。
多くはないから、たまに紹介されると、反響を呼ぶのです。「うらやましいなあ」ということで。

それをやれるのはほんの数パーセントの企業に過ぎません。
たいていのメーカーは、部品をひとつかふたつを作り上げるだけといった企業です。
そんな企業がその部品や周辺技術を使ってできあがる完成品というのはほとんどありません。
だからいわゆる下請け企業が生き残る道は、自社の持てる技術を磨いて研いて、磨き込むことなんです。

そう思いませんか。

そうして、磨き込んだ技術を、そのままにしておくのではなく、どんどん世の中に発信するんです。
優れた技術を発信すると、今までおつきあいのなかったアッセンブリメーカーからもきっと依頼がくるようになります。

その情報はどうして発信するんだ? という声がまたしてきました。
いったいどこまで人に頼るんですか?
だからダメなんですよ。

いっぱいあるじゃないですか。
業界には業界特有の情報紙もありますし、新聞にだってPR依頼すれば、優れた技術であれば必ず紹介してくれます。
インターネットだってあるし、発信するメディアには事欠きません。

PRの仕方が判らない?
まだ他人に甘えるんですか?
わからなかったら、教えますけど。



それでは今日はこれで。
経営や販促のご相談は24時間いつでも対応しています。
お気軽にお電話ください。
027-261-6617までどうぞ。

また、上記へのご意見やコメント、お問い合わせは下記メールまでお願いします。
k1948f@nifty.com
このブログに載せることはありませんので、忌憚のないご意見、感想をお待ちしています。

▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。
お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング

繁盛店になりたいか!

「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所

http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)