こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方商店街の小さな一歩」<その6>
「あ、すみません。ちゃかすつもりは毛頭ありません。ただ、衰退の理由を考えていたら、ついそんな言葉が出てしまいました。済みませんでした。あやまります」
本田は立ち上がって、深々と頭を下げた。
「いいよ、そこまでしなくったって。ただ私たちは私たちでいろいろ考えてきたんだよ。それを面白そうに言われると、頭にくるんだよ」
本田は座り直しながらさらに言葉を継いだ。
「本当に済みません。僕ってつい皮肉を言ってしまうくせがあって、それでよくクライアントを怒らせてしまうんです」
「お客は少ないだろ、そんなんじゃ」
「はい。その通りです。でも真剣に取り組むという点では誰にも負けないつもりです。だからこうして田島さんにも呼んでいただいたわけです」
「まあ、な。何店か見事に立ち直らせた経験があるって聞いたから、もしかしたらこの商店街も、って思ってみたが、考えてみたらそれは全部個店で、こういったまとまった商店街の再生なんて初めてじゃないのか」
「その通りです。初めてです」
「最悪だなあ。いやまいったなあーー」
「どうしてですか?」
「だってそうだろ。まるで経験のない奴に再生なんてできないだろうが」
「だって、誰だって最初は未経験でしょ」
「まあそりゃそうだが………」
「それに言わせてもらえば、今までにだって、何人かのコンサルタントに依頼していろいろ取り組んできたんでしょ」
「ああ、まあな………」
「それで、うまくいきましたか」
「いや、最初はうまくいっていたが、なかなか続かなくてね」
「経験がないからこそ、逆に今までになかったこともできるというふうに考えてみませんか。逆転の発想ですよ」
「言葉でいうのは簡単だがなあ、なかなかそううまくいくもんじゃないし………」
「そうです。簡単じゃありません」
「じゃあ聞くが、まあこちらから声をかけて呼んどいて言うのもなんだが、何か案があるのか?」
「今すぐにどうこう答えられるほど簡単な問題じゃありませんよ。どこの商店街だって、それで苦しんでいるんですから」
「そりゃまあそうだが………」
本田は居住まいを正して言った。
「まず商店街を私の目で見させてください。そして少し時間をください。ここまで来てるんですから、焦らないでしょ」
「ああ、焦ったところでしょうがないしな、いまさら」
本田はまず商店街を案内してもらった。
アーケードが商店街をおおっているせいか、晴れているのに、全体が暗い。
空き店舗の多さがそれに輪をかけているような気がする。
もちろんウイークデーの午後である。
人通りが極端に少ない。
お年寄りさえ歩いていない。
どうなっているんだろうと、あまりのひどさにさすがの本田も声が出なかった。
それでも注意しながら歩いていくと、営業中の店には数人のお客様がいることはいるようだ。
当たり前だろう。
そうでなければとっくに潰れているはずだ。
「田島さん、予想以上ですね。はっきり言って申し訳ないですけど、ここ以上に寂れている商店街にはまだお目にかかったことはないです」
「そうか。やはり、な」
「私の少ない経験の中で言うのもなんですが、よくみなさんが残ってやってられるなあという感じですね」
「そこまで言うことはないだろ」
「はあ――」
「今日はまあほんとに人通りが少ないなあ。これほどの日はなかなかないけどね」
「じゃあ最悪の日に私がやってきたというわけですね」
「そういうことになるかな。だから逆によかったのかな。一番悪いときを見せられて」
「まあ、ね。そうとも言えますが………」
ひと通り歩き終えると、商店街を横切る小さな川畔に置かれているベンチに座り、今後の打合せをした。
本田がまず重い口を開いた。
「田島さん、はっきり言って、私にはこれといった起爆剤になることをアドバイスできるかどうか自信がありません。感じたこと、そうして、これならできるだろうということを考えてきますが、あまり期待しないでください。変に期待されると、出した企画がなあ~んだと言うことにもなりかねないほど、まったく当たり前のご提案になるじゃないかなと今から思っています。それでもよろしいでしょうか。それでご承知いただけるのなら、この仕事を引き受けさせていただきます」
「それは私の一存じゃお答えできない。理事会に諮ってみてから返事しますよ」
「その方がいいですよね」
つづく
<7>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。
群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方商店街の小さな一歩」<その6>
「あ、すみません。ちゃかすつもりは毛頭ありません。ただ、衰退の理由を考えていたら、ついそんな言葉が出てしまいました。済みませんでした。あやまります」
本田は立ち上がって、深々と頭を下げた。
「いいよ、そこまでしなくったって。ただ私たちは私たちでいろいろ考えてきたんだよ。それを面白そうに言われると、頭にくるんだよ」
本田は座り直しながらさらに言葉を継いだ。
「本当に済みません。僕ってつい皮肉を言ってしまうくせがあって、それでよくクライアントを怒らせてしまうんです」
「お客は少ないだろ、そんなんじゃ」
「はい。その通りです。でも真剣に取り組むという点では誰にも負けないつもりです。だからこうして田島さんにも呼んでいただいたわけです」
「まあ、な。何店か見事に立ち直らせた経験があるって聞いたから、もしかしたらこの商店街も、って思ってみたが、考えてみたらそれは全部個店で、こういったまとまった商店街の再生なんて初めてじゃないのか」
「その通りです。初めてです」
「最悪だなあ。いやまいったなあーー」
「どうしてですか?」
「だってそうだろ。まるで経験のない奴に再生なんてできないだろうが」
「だって、誰だって最初は未経験でしょ」
「まあそりゃそうだが………」
「それに言わせてもらえば、今までにだって、何人かのコンサルタントに依頼していろいろ取り組んできたんでしょ」
「ああ、まあな………」
「それで、うまくいきましたか」
「いや、最初はうまくいっていたが、なかなか続かなくてね」
「経験がないからこそ、逆に今までになかったこともできるというふうに考えてみませんか。逆転の発想ですよ」
「言葉でいうのは簡単だがなあ、なかなかそううまくいくもんじゃないし………」
「そうです。簡単じゃありません」
「じゃあ聞くが、まあこちらから声をかけて呼んどいて言うのもなんだが、何か案があるのか?」
「今すぐにどうこう答えられるほど簡単な問題じゃありませんよ。どこの商店街だって、それで苦しんでいるんですから」
「そりゃまあそうだが………」
本田は居住まいを正して言った。
「まず商店街を私の目で見させてください。そして少し時間をください。ここまで来てるんですから、焦らないでしょ」
「ああ、焦ったところでしょうがないしな、いまさら」
本田はまず商店街を案内してもらった。
アーケードが商店街をおおっているせいか、晴れているのに、全体が暗い。
空き店舗の多さがそれに輪をかけているような気がする。
もちろんウイークデーの午後である。
人通りが極端に少ない。
お年寄りさえ歩いていない。
どうなっているんだろうと、あまりのひどさにさすがの本田も声が出なかった。
それでも注意しながら歩いていくと、営業中の店には数人のお客様がいることはいるようだ。
当たり前だろう。
そうでなければとっくに潰れているはずだ。
「田島さん、予想以上ですね。はっきり言って申し訳ないですけど、ここ以上に寂れている商店街にはまだお目にかかったことはないです」
「そうか。やはり、な」
「私の少ない経験の中で言うのもなんですが、よくみなさんが残ってやってられるなあという感じですね」
「そこまで言うことはないだろ」
「はあ――」
「今日はまあほんとに人通りが少ないなあ。これほどの日はなかなかないけどね」
「じゃあ最悪の日に私がやってきたというわけですね」
「そういうことになるかな。だから逆によかったのかな。一番悪いときを見せられて」
「まあ、ね。そうとも言えますが………」
ひと通り歩き終えると、商店街を横切る小さな川畔に置かれているベンチに座り、今後の打合せをした。
本田がまず重い口を開いた。
「田島さん、はっきり言って、私にはこれといった起爆剤になることをアドバイスできるかどうか自信がありません。感じたこと、そうして、これならできるだろうということを考えてきますが、あまり期待しないでください。変に期待されると、出した企画がなあ~んだと言うことにもなりかねないほど、まったく当たり前のご提案になるじゃないかなと今から思っています。それでもよろしいでしょうか。それでご承知いただけるのなら、この仕事を引き受けさせていただきます」
「それは私の一存じゃお答えできない。理事会に諮ってみてから返事しますよ」
「その方がいいですよね」
つづく
<7>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。
群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)