ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

コーヒー、紅茶で脳卒中や認知症のリスク軽減

2022-01-18 10:26:55 | グルメ
コーヒーは数多くの嗜好品の中でも確固たる地位を築いているような気がします。私も豆を挽いて入れるほどではないのですが、コーヒーが好きで1日何杯か飲んでいます。

昔はドリップで入れたりしていたのですが、ティーバック型のものに変わりだんだん簡略化してきました。缶コーヒーは別の飲物と思っていましたが、これも結構好きで外に出たときなどよく飲んでいます。

現在はペットボトル入りのコーヒーが予想外においしいことに気づき、どのメーカーが良いか比べているところです。

さてコーヒーが体に良いという研究は最近かなりの数発表されています。イギリスの健康な年配者が、定期的にコーヒー、紅茶を飲む習慣がある場合、脳卒中や認知症の発症リスクが少ないことが示唆された研究が発表されました。

中国を拠点とする研究者が、イギリスで行われた長期研究プロジェクトに着目しました。50〜74歳で過去に脳卒中、認知症を患ったことがない36万5千人を2020年まで11年以上経過観察したデータが見直されました。

この期間の病院の記録から認知症が5079件、脳卒中が10053件診断さていたことが分かりました。研究当初参加者はコーヒーや紅茶をどのくらいの頻度で飲んでいるかという質問に答えていて、1日に2〜3回、3~5回、あるいは4〜6回飲む習慣があると答えた人たちのグループと比べると、飲まないと答えた人に比べて、認知症が28%、脳卒中が32%低かったことが分かりました。

ただし研究者はこういった因果関係を証明したことにはならないことや、この調査に参加した志願者たちは健康な状態である人が多く、一般的な人の健康状態にそのまま当てはめることはできないことを認めています。

またあくまで食生活の一部を切り取ったものであり、習慣があると答えた人が11年間ライフスタイルを崩さなかったとは限りません。それでもこうした飲物が脳卒中のリスクに対してポジティブな影響を与えているという、以前からの研究を支持するものとなったようです。

コーヒーや紅茶が全体的な血管の機能を向上させるものと示唆しています。このことからコーヒーや紅茶を飲む習慣は、出血性脳卒中(血管が壊れて脳で出血が起きる)ではなく、特に虚血性脳卒中(血栓の閉塞により引き起こされる)のリスクを低下させるのに良い影響を与えるという理由が出てくるのかもしれません。

今回の研究はコーヒーや紅茶の適度な消費と認知症や脳卒中のリスクの関係性をサポートするものですが、この様な情報によって認知症や脳卒中の症状を改善できるかは明らかではありません。

この成果の信頼度は分かりませんが、好きで飲んでいるものに良い効果がある可能性があるだけでも良い結果といえるのかもしれません。

微生物が作り出す未来の食料

2021-12-10 10:25:35 | グルメ
日本では少子化が大きな問題となっていますが、世界全体では人口増加が続いており今後食糧難になることが指摘されています。

現在でも約8億人が栄養不良の状態にあるといわれており、食糧安全保障が今後重要な問題になることは確かです。

そのため近年では大豆などのタンパク質を肉に加工する人工肉などが、すでに実用化されつつあります。もっと効率の良い食料生産として、微生物を利用する方法が進展しているようです。

微生物を培養するためには、そのエサが必要であり、私の勤務していた会社では各種のアミノ酸を生産していますが、炭素源として廃糖蜜を使用しています。廃糖蜜は砂糖を作るための精製工程から出る廃液の一種ですので、有効利用といえますが資源としては限りがあります。

当社では微生物にタンパク質を作らせるという研究は、既に40年以上前に行っています。これは炭化水素資化性菌という微生物を使い、石油から作られる炭化水素をエサに培養し、菌体からタンパク質を簡単に取り出す技術も完成しました。

このタンパク質をどう加工すれば本物に近い食感が得られるかの研究で、官能試験に駆り出されこの肉を食べた記憶があります。

これは順調に実用化されるかと思っていましたが、メディアで取り上げられるとき「石油タンパク」という表現が使われました。これに対し消費者団体などから猛反発が出て、石油のような危険なものを食べることはできないとして中止になってしまいました。

それ以来微生物から肉を作るという研究は行っていませんが、広報の難しさを感じた事件でした。

さて最新の研究では、微生物から太陽光発電を活用することで、タンパク質を作ることができるようです。

ソーラーパネルからの電力と空気中の二酸化炭素を利用して微生物の燃料(エサ)を作り、それを使って微生物をバイオリアクター槽で培養し、乾燥したプロテインパウダーに加工する技術です。

このタンパク質の量は、ダイズなどの作物の10倍以上になるという研究結果が発表されました。これは大量の気候変動ガスや水質汚染を引き起こす畜産業とは対照的で、このシステムは環境にほとんど影響を与えません。

太陽電池と微生物を使ったプロセスでは、1ヘクタールあたり年間15トンのタンパク質を生産することができ、少なく見積もっても520人のヒトを養える量になるとしています。

これに対し同じ面積の畑から生産される大豆たんぱく質は1.1トンで、40人分の食料に留まるようです。この具体的な詳細は分かりませんが、今後の食糧不足を考えると、微生物によるタンパク質生産は必須の事業と思われます。

現在の加工技術があれば、微生物タンパク質と動物の肉と区別がつかないようになりそうですので、こういった食品が使われるのは時間の問題かもしれません。

カフェインの覚醒効果と認知機能

2021-06-29 10:34:24 | グルメ
私はコーヒーが好きでよく飲みますが、モーニングコーヒーというわけではなく何か飲物が欲しい時に飲む感じです。

最近コーヒー等に含まれているカフェインの効能についていろいろ報告されています。例えば心臓病や脳卒中を予防するほか、糖尿病の血糖値の改善や脂肪燃焼促進による肥満防止から、大腸ガンや肝臓ガンの予防効果があるとされています。

この辺りはどの程度信頼性があるのか分かりませんが、好きで飲んでいるコーヒーですので別にこういった効果を期待しているわけではありません。

最新の研究によると、カフェインを摂取しても認知機能は向上せず、覚醒はするものの睡眠不足によってミスが発生する可能性があると報告されています。

276人の被験者を対象としたこの研究では、さまざまな難易度の課題を、1起きている時、2実験室で徹夜した後、3家に帰って寝た後、という状況で完了する能力を比較しました。2番目の課題を行う前に、一部の被験者には200mgのカフェインを、その他の被験者にはプラセボを与えカフェインが睡眠不足による障害を軽減するのかの検証を行いました。

その結果カフェインはタスクを完了するのを助けてはいるが、睡眠不足のグループと比較してタスクの完成度を上げているわけではなかったようです。

研究グループによると、睡眠不足はどのタイプのタスクにおいてもパフォーマンスを低下させていますが、カフェインの摂取は、簡単なタスクを成功させる手助けになることが分かりました。

一方一連の手順を決められた順序で、漏れや繰り返しなく実行する手段においては、カフェインはほとんど影響がありませんでした。カフェインは目を覚まして作業に集中する能力を向上させるかもしれませんが、医療ミスなどの原因となるミスを防ぐ効果はあまり見られなかったようです。

実際に時間外の手術は、午前中の手術と比べて死亡率が高いことが判明しており、疲労が医療の結果に関与している可能性が示唆されています。睡眠不足がなぜ認知機能に影響するのかは不明なようですが、ワーキングメモリや注意力、意思決定力が低下することはよく知られています。

医療従事者や重要な意思決定をする人にとって、睡眠不足は大敵ということになります。職場でのパフォーマンスを上げるなら、カフェインよりも睡眠をとれる環境を用意する方が良さそうです。

カフェインは目を覚ましてくれる効果はあっても、認知能力は向上させてくれないので、結果は良くならないというのが結論となっています。

コーヒーですっきりしたような気分になっても、ミスが減るわけではないというのは当然のような気がします。

少量のアルコールは健康に良いのか悪いのか

2021-06-01 10:27:37 | グルメ
私は毎晩風呂から出てきて、少量の酒を飲みながらテレビを見るのを楽しみにしています。

こういった少量のアルコールが健康に良いのか悪いのかは、いろいろな研究が行われており、結論は出ていないというのが実情かもしれません。私は健康を考えて酒を飲んでいるわけではありませんので、どういう結果が出ても飲酒はやめないと思っています。

もともと少量ならば健康に良いという説は、「フレンチパラドックス」が発祥のようです。フランス人は肉やチーズなどの動物性脂肪を多く摂取するのに、他の国に比べると心筋梗塞や脳梗塞などの血管疾患で死亡する人が少ないというデータがあります。

これについてフランスの研究者は、1992年にワイン(特に赤ワイン)の消費量と関連がある可能性を指摘しました。これにより赤ワインは体に良いと信じられるようになり、赤ワインブームが起こりました。

ただこれは少量のアルコールが良いとしたわけではなく、赤ワイン中に含まれるポリフェノールに注目したような気がします。ポリフェノールの中でも、レスベラトロールに発がん抑制作用や、糖尿病を予防する作用があると考えられているためです。

レスベラトロールは作用機序の面から、糖尿病やガン、高血圧、認知症などの幅広い病気に効果があるのではないかと期待され、動物実験では糖尿病への有効性が示唆されています。

次にアルコールは「少量でも健康に悪い」の代表的な説が2018年に発表されています。この論文では「少量飲酒は、心臓病や糖尿病を減らすが、ガンや交通事故などのリスクを上げ、結論として健康に良い飲酒量はゼロである」としています。

これは195か国において、1990から2016年にかけて調査を行った大規模な研究ですが、メリットよりもデメリットが大きいと結論付けています。

日本で2005年に発表された、7万3000人の男女を対象に約10年追跡したコホート研究でも、男性のガンに関して大量の飲酒がリスクになることが指摘されています。

この研究によると、1日3合以上飲む人は1.6倍のリスクがあるという結果が出ていますが、「時々飲む」という人のリスクが最も低い(飲まない人より低い)という面白い結果になっています。

一方女性は少量の飲酒でもリスクになることが示されており、ワイングラス1杯弱ほどでも7.1%乳ガンの発症率が高まるという結果が出ています。こういった研究は多いのですが、アルコールが健康に良いという結果は少ないようです。

ただ「少量」のアルコールの量も同じではなく、かなり多い量に(私からするとですが)設定されているような気もします。酒類は基本的に嗜好品ですので、楽しく飲めるのであればあまり健康のことを考える必要はなさそうです。

「カキ」にあたる人とあたらない人は何が違うのか

2020-12-20 10:24:02 | グルメ
まさに旬の時期となった「カキ」ですが、生のまま食べたりカキなべなどさまざまな食べ方で楽しむ人が多いでしょう。

ここで問題となるのはいわゆる食あたりですが、なぜカキはあたりやすいかや、あたってしまう人と当らない人では何が違うのかといった解説が「オトナンサー」に掲載されていました。

私の家ではかみさんも私もカキが大好きで、カキフライやカキなべもしますが、何といっても生ガキをつるっと食べることにはまっています。

少し前までは近くの居酒屋などでも簡単に生ガキが食べられたのですが、最近は出している店がなくなり、宅配で冷凍生ガキを頼み解凍して食べたりしています。

まずなぜカキにあたるのかは、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、貝毒、アレルギーが原因とされています。カキによる食中毒は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱など通常の食中毒よりかなり激しい症状が出ると聞いています。

私はあたったことはないのですが、知人などで非常に苦しみ二度と生ガキは食べないという話をよく聞きます。かなりひどい症状が出るようですので、何か特別の病原菌がいるのかと思っていましたが、いわばありふれた食中毒菌のようです。

この記事ではなんでカキは激しい症状が出るのかについては、何の説明もありませんでした。私は加熱処理をすればあたらないと考えていましたが、どうも加熱が不十分のカキフライなどでもあたってしまうようです。

またあたるかどうかはその人の持つ免疫の力によって決まるという、まるでつまらない説明でした。つまり健康で元気な人はあたらないといいますが、仲間で最も元気そうでもあたったことがりますので、何か別な要因があるような気もします。

ついでに私のカキの思い出話を書いてみます。もう20年以上前の話ですが、学会出張でフランスに行きパリに帰ってきたとき、知り合いの大学の先生が隣のホテルでした。そこで夕飯でもいっしょにと誘ったところ、一人では食べられないカキ料理があると連れて行ってもらいました。

料理の名前は分かりませんが、1メートル近い氷の山の斜面に色々な種類の生ガキが貼りついているというものでした。よく見るような形からきれいな丸いようなものなど、本当にいろいろな生ガキを堪能できました。

この先生によるとカキにはレモンぐらいの酸を加えるとあたらないということでしたが、先生の専門は酵素工学ですのであまりあてにはなりません。満腹になるまでカキを食べたのは初めてでしたので、若干心配しましたが何の問題もなく帰国できました。

その後秋にパリに行ったときはもう一度この料理を食べたいと思っていましたが、良い機会がなくこの時のカキが良い思い出として残っています。