このところ元野球選手が、覚せい剤の所持で逮捕され、その後使用も確認されたということが、いろいろな報道番組で流されています。あまりにも多いので、ここでもやっているのかとか、もういいのではないかといった感じすら受けます。
この覚せい剤での逮捕者は年間1万から1万数千人といっていましたので、実際の使用者などはかなりの数に上るようです。普通の一般人が逮捕されても、どこも取り上げませんので、こういった有名人を逮捕することで、大々的に取り上げ、覚せい剤の恐ろしさを宣伝する手段にしているのかもしれません。ただしこういった報道を見て、やっている人がやめようという数と、興味を持ってやってみるかとどちらが多いか、本当に覚せい剤事件が減るのかはやや疑問のような気もします。
この覚せい剤というのは、私の専門分野ですので、簡単に紹介します。覚せい剤というのは、アンフェタミンやメタンフェタミンという物質とその類似化合物の総称です。この合成は非常に古く、1800年代の終わりには知られていましたが、いわゆる覚せい作用が分かったのは1930年ごろのようです。
もともとは脳内の快楽物質であるエフェドリンから合成されていましたが、構造が非常に簡単なため広がったようです。薬としての使用は1930年代に吸入式の喘息薬として発売され、それにいわゆる覚せい作用があるということで出回ったとされています。日本でも戦後「ヒロポン」などという名前で、多く販売されその副作用や常用性などが問題になり、取締法ができました。
この作用メカニズムは麻薬類とはやや異なり、脳神経系に作用して(ドーパミン作動性)心身の働きを一時的に活性化するものです。この作用は選択性が低く、アンフェタミン類似物質であれば、かなりの広範囲の化合物もこの作用を示し、近年では取締法の規制の枠外の化合物が、「脱法ドラック」として問題になりました。
このアンフェタミン類の合成原料として、フェニル酢酸という化合物がありますが、これは我々の合成ではかなりよく使うものです。ところがこれは法律で規制されており、購入するためには非常に面倒な書類を作成して、許可を得なければいけません。ところが簡単にフェニル酢酸にできる化合物は、この規制に入っておらず自由に購入できました。このように法律にはいろいろ抜け道が出てしまうのは、やむを得ないことのようです。
覚せい剤の問題も、使ってみようという人がいる限りは、それで利益を得ようとする人がおり、完全になくすことは難しいようです。しかし私の本音としては、覚せい剤を使って健康を害する人が出ても、いわば自己責任であってそれほど問題視するほどのことではないような気がします。
この覚せい剤での逮捕者は年間1万から1万数千人といっていましたので、実際の使用者などはかなりの数に上るようです。普通の一般人が逮捕されても、どこも取り上げませんので、こういった有名人を逮捕することで、大々的に取り上げ、覚せい剤の恐ろしさを宣伝する手段にしているのかもしれません。ただしこういった報道を見て、やっている人がやめようという数と、興味を持ってやってみるかとどちらが多いか、本当に覚せい剤事件が減るのかはやや疑問のような気もします。
この覚せい剤というのは、私の専門分野ですので、簡単に紹介します。覚せい剤というのは、アンフェタミンやメタンフェタミンという物質とその類似化合物の総称です。この合成は非常に古く、1800年代の終わりには知られていましたが、いわゆる覚せい作用が分かったのは1930年ごろのようです。
もともとは脳内の快楽物質であるエフェドリンから合成されていましたが、構造が非常に簡単なため広がったようです。薬としての使用は1930年代に吸入式の喘息薬として発売され、それにいわゆる覚せい作用があるということで出回ったとされています。日本でも戦後「ヒロポン」などという名前で、多く販売されその副作用や常用性などが問題になり、取締法ができました。
この作用メカニズムは麻薬類とはやや異なり、脳神経系に作用して(ドーパミン作動性)心身の働きを一時的に活性化するものです。この作用は選択性が低く、アンフェタミン類似物質であれば、かなりの広範囲の化合物もこの作用を示し、近年では取締法の規制の枠外の化合物が、「脱法ドラック」として問題になりました。
このアンフェタミン類の合成原料として、フェニル酢酸という化合物がありますが、これは我々の合成ではかなりよく使うものです。ところがこれは法律で規制されており、購入するためには非常に面倒な書類を作成して、許可を得なければいけません。ところが簡単にフェニル酢酸にできる化合物は、この規制に入っておらず自由に購入できました。このように法律にはいろいろ抜け道が出てしまうのは、やむを得ないことのようです。
覚せい剤の問題も、使ってみようという人がいる限りは、それで利益を得ようとする人がおり、完全になくすことは難しいようです。しかし私の本音としては、覚せい剤を使って健康を害する人が出ても、いわば自己責任であってそれほど問題視するほどのことではないような気がします。