ごっとさんのブログ

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新型コロナの後遺症には「血栓」が関与

2021-03-22 10:26:45 | 健康・医療
2カ月半も続いた緊急事態宣言が首都圏でやっと解除されました。どうしてもオリンピックを開催したい政府や関係者は、これ以上の宣言延長は聖火リレーの実施も難しくなりさらに延長することはできなかったのでしょう。

既に国民は「宣言慣れ」をしており、緊急事態という感覚がなくなり、効果があまり出ていないというのが実情ではないでしょうか。私はこの状況ではオリンピックは中止すべきと考えています。

さて日本ではコロナの感染者が45万人を超えていますが、死亡者は8800人強で欧米と比べると大幅に少なくなっています。しかも死亡者は70歳以上の高齢者が90%近くを占めており、ほんどが基礎疾患などのいわば関連死と分類されるものではないでしょうか。

ほとんどが軽症か無症状で回復していますが、後遺症を訴えている人は増えているようです。この後遺症の一因として考えられるものが「血栓」という記事が日刊ゲンダイに掲載されています。

国立国際医療センターの調査によると、退院したコロナ患者の約76%が後遺症を訴えています。症状は「倦怠感」が最も多く、そのほか気分の落ち込み、思考力の低下、頭痛、息苦しさ、身体の痛み、不眠、動悸、食欲不振、嗅覚障害、脱毛、味覚障害など多岐にわたっています。

新型コロナの患者は、血管内で血液の塊が生じる「血栓症」が起こっている割合が明らかに多いようです。この血栓が体内のあちこちの血管に詰まって血流が悪化することで、倦怠感などの後遺症につながっているとしています。

新型コロナ患者に対し、血栓症の診断時などに用いられている「Dダイマー」の測定を行うと、大きな血栓があるレベルの高い値を示すケースが多くなっています。

Dダイマーは凝固反応によって生じた血栓が分解された際にできる最終的な分解産物で、体の中のどこかに血栓があると高くなります。正常値は1.0とされていて、10.0以上であればエコー検査などを行い血管内に大きな血栓があるかを調べます。

新型コロナでは入院する段階で5〜10の患者が多く、中には30〜40というケースもあるようです。しかしエコー検査を行うと大きな血栓は見当たらず、脳をはじめ全身の微細な血管に小さな血栓が多く生じていると考えられます。

新型コロナでなぜ血栓ができるかについては、サイトカイン、血管内皮障害、ウイルスのS抗原自体が血栓を呼びやすい構造をしていることなどが考えられています。このため血栓の形成を防ぐ抗凝固剤を使った治療も行っているようです。

このような新型コロナと血栓の関係は知りませんでしたが、高齢者の患者は脳梗塞を起こしやすいというのも血栓が関係しているのかもしれません。

まだこの血栓については詳しいところは分からないようですが、今後の治療や後遺症の低減には血栓治療が重要となりそうです。