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10万人の患者の全ゲノム解析がスタート

2020-02-01 10:17:46 | 健康・医療
ガンや難病などの原因解明や新治療法の開発を目指す「全ゲノム解析」が今年スタートします。

国立がん研究センターなどの国内の医療研究機関が連携し、10万人規模の患者の全遺伝情報(ゲノム)を網羅的に調べるようです。ひとり一人の体質や病状に合わせて治療するガン・難病のゲノム医療が大きく前進すると期待されています。

参加する医療機関は国立がん研究センターを中心に、静岡がんセンター、がん研有明病院などの医療機関と京都大学、東京大学、慶応大学といった各大学の医学部や附属病院となっています。

厚生労働省は2020年度予算に「全ゲノム解析などによる医療推進のための体制整備」に5.8億円を盛り込んでいます。同省はこのほか、国立がん研究センターにあるガンゲノム情報管理センターの機能強化を含む「ガン対策推進」として70億円を計上しています。

既に多数の患者のゲノムを集めて解析する研究が盛んに行われています。ゲノム医療は、患者の患部の組織を用いて多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異を明らかにすることにより、一人ひとりの体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。

既に東京大学や国立国際医療センター、東北大学などが実施しています。これまでは解析の対象が一部のガンや難病に限定され、遺伝子の働きが判明している部分が中心でしたが、全ゲノム解析ではこれまで働きが分かっていない遺伝子部分も含めたゲノム全体を解析の対象にするようです。

今年始まる全ゲノム解析は、参加医療機関を過去に受診した患者が、提供後各医療機関で保存していた検体を使用します。ガンについては約6万4000人分、難病などは約2万8000人分が解析の対象となります。

ガンについては5年生存率が低い難治ガンや、小児ガンも含まれます。計画では難治ガンや複数の発病要因がある難病の患者など、約2万2000人近くに及ぶ検体を対象にした先行解析を新年の早い時期に始めるようです。

こうした全ゲノム解析について厚生労働省は、人材育成を含めた体制整備や倫理的・法的・社会的な課題も検討します。イギリスではすでに10万人のゲノム解析が完了し、2023年までに100万人を対象にした全ゲノム解析計画が進んでいます。

大規模な日本人の全ゲノム配列データベースの構築も予定されており、医療関係者は全ゲノム解析の結果に期待しているようです。

こういったゲノム解析が進むと共に、その結果をうまく利用できるような医薬品などの治療法の開発も今後の課題となるでしょう。


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