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「加熱式タバコ」に新たな健康リスク

2023-11-28 10:31:56 | 煙草
最近は私も含めて紙巻きタバコから、加熱式タバコに替える喫煙者が増加しているようです。

タバコ会社の研究によれば、加熱式タバコはかなり害が減少しているとしていますが、世の中の禁煙信奉者にはこれが気に食わないようで、加熱式タバコの欠点を大きく報道しています。

私のような喫煙者にしてみれば、「健康」という点で加熱式タバコにメリットがあるのなら(紙巻きタバコに比較して)それを発表してもよさそうな気がしますが、禁煙につながらないことは徹底的に否定するのでしょう。

喫煙は心臓や血管の病気、心血管疾患に関係があり、血管の内側を傷つけ、高血圧を引き起こします。さらにアテローム性動脈硬化症、心不全、心房細動、脳卒中、腹部大動脈瘤などのリスクを高めるとされています。

慶応大学などの研究グループが、大規模なコホート調査を使い、加熱式タバコの健康リスクを調べた論文を発表しました。研究グループは、研究対象である集団の代謝物を網羅的に調べ、喫煙習慣と血液中の代謝物の関連性を分析しました。

それによると喫煙者は非喫煙者とは異なる代謝物の特徴があり、加熱式タバコの喫煙者は紙巻きたばこの喫煙者に近い代謝物の特徴を持っていることが分かりました。

代謝のネットワークとパスウエイを解析するソフトを使って分析したところ、喫煙に関係するグルタミン酸の代謝経路の変化によって、血管の内側の機能不全やアテローム性動脈硬化症を引き起こす危険性がああることが示されました。

研究グループは、加熱式タバコもグルタミン酸の代謝経路に影響を及ぼすため、加熱式タバコも心血管疾患のリスクに関係しているのではないかと考えています。

また中国の上海交通大学の研究グループが2021年に発表した論文は、ニコチンがアテローム性動脈硬化症を悪化させると指摘しています。

テキサス大学の研究グループが、加熱式タバコや電子タバコなどの新型タバコについて網羅的に調べた2022年のレビュー論文によると、これらの新型タバコからの有害な化学物質に血栓症を引き起こす危険性があるとしています。

さらに2023年に発表されたイタリアの研究グループの論文は、加熱式タバコが心臓の組織を線維化させ、心房細動のリスクを高めることを示唆しています。

このように加熱式タバコの健康リスクは色々と報告されていますが、これはほとんどがニコチンの生理作用ではないかと思っています。加熱式タバコは、紙巻きタバコと同じようにニコチンが摂取できるため愛用されているのでしょう。

従ってニコチンに由来する健康リスクは出るのが当然であり、改めて指摘するようなことではないと考えています。ただ禁煙信奉者にとっては、良い攻撃材料となるのかもしれません。


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