ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

安全なはずの学校で子供のケガが減らない原因

2023-04-03 10:36:44 | その他
このところ少子化問題を取り上げましたが、安全を最優先している学校での子供のケガ増加しているようです。

子供たちの一日の生活時間を見ると、起きて活動している時間の半分は学校管理下での生活です。家庭や学校外で起こっているケガについては、日本全体をまとめたデータはありませんが、学校管理下のケガは災害共済給付制度のデータが毎年報告されています。

2021年度のデータでは、災害の発生件数は83万8886件(負傷が92%、疾病が8%)で児童生徒数に対する災害の発生率は5.23%でした。幼稚園の発生率は2.04%、こども園は2.71%、保育所などは2.60%、小学校は4.72%、中学校は7.74%、高等学校は6.89%となっています。

災害の発生件数は2017年度までは、年間に100万件を超えていましたが、2020,2021年度は新型コロナの流行による緊急事態宣言などで登校しない期間があり、発生数は減少しています。また子供の数は年々減少していますので、発生率でみてみると全く変化は見られませんでした。

こういったことを分析すると、子供たちの行動パターンは決まっていて、決まった製品や環境で同じケガをしている状況が続いているという事が分かるようです。

こういったことに対して専門家は、早急に減らすための対策をする必要があると述べていますが、私は少し違った意見を持っています。

まず現在は公園や子供の遊び場から、ほとんど遊具がなくなってしまいました。これは回転遊具などで少しケガをしたりすると、危険なものであると撤去されてしまった結果と考えています。私の近くの公園などは、どこも何もない単なる広場となっています。

子供たちは遊んでいて軽いケガをすることで、その遊具のどこに危険性があるかを学習し、危険を避ける方策を学んでいくと思っています。これはケガした本人だけではなく、周りの子供たちもそれを学習することになります。

それを単に危険を避けるとしてなくしてしまうことは、こどもたちにそういった学習の機会を失わせることになっているのではないでしょうか。つまり現在の子供たちは、危険の予知やその回避方法を全く学ぶこと無く学校に行っていることになります。

この学校でのケガなどが減らないのは、生徒にそれを避けるための経験がないという事も一因のような気がします。別にケガをしなくても、危なかったという経験はどんなに言葉で教えるよりも強く残るものです。

さてここでは専門家が、計画・実行・評価・改善といったサイクルがうまく働くような対策を実行して安全な学校を守るべきとしています。しかし学校でも危険回避の学習がないまま大人になるとしたら、これはまたどこかで問題が出るような気がします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿