goo blog サービス終了のお知らせ 

ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

糖尿病治療薬で認知症対策

2021-12-01 10:29:15 | 健康・医療
糖尿病はなかなか難しい病気で、薬を飲んでいる知人がいますが、それほど数値は高くないのですが、親戚に網膜症になった人がいるということで用心しているようです。

糖尿病の合併症のひとつに認知症があり、アルツハイマー型認知症になる可能性が1.5倍高くなるという報告もあります。また糖尿病治療で低血糖を起こすと、認知症のリスクが高くなるといわれています。

糖尿病の人が認知症になると、薬の飲み忘れや食事内容の偏り、運動減少などが起こりやすく、糖尿病の悪化を招くことにもなります。

韓国の延世大学の研究グループは、DPP-4阻害剤に関する研究を実施しました。DPP-4阻害薬は食後の血糖値が上昇しそうになった時だけインスリンの分泌を促進させる薬で、低血糖が起こりにくく体重増加も起こりにくいという利点があります。

研究では記憶力や思考力の障害を感じて受診した、平均76歳の男女282人が参加しました。282人中70人が糖尿病でDPP-4阻害薬の治療中で、71人が糖尿病でも治療を受けておらず、141人は糖尿病ではありませんでした。

参加者全員が認知症の検査「MMSE」を12カ月ごとに2.5年間受けたところ、DPP-4阻害薬を服用していた群は平均0.87ポイントの低下でしたが、服用していなかった群は1.65ポイント、糖尿病ではない群では1.48ポイントも低下していました。

さらにDPP-4阻害剤を服用していた患者は、認知機能の低下が遅くなり、アミロイドβが少なくなることもこの研究で明らかになりました。

糖尿病と認知症の関連については、メトホルミンという薬も認知症対策に有効ではないかと期待されています。オーストラリアの研究者が70〜90歳の高齢者1037人を6年間追跡しました。このうち123人が糖尿病で、67人がメトホルミンを服用していました。

2年ごとに認知機能テストが実施され、メトホルミンを服用していた糖尿病患者は、認知機能の低下が遅く認知症のリスクが低いことが分かりました。さらにメトホルミン服用の患者は、糖尿病でない人に比べても認知機能の低下が6年間で差がありませんでした。

こういう結果がでても、糖尿病の薬は患者の症状や年齢などに応じて最適なものが選ばれているので、認知症対策のために別の薬に変えるというのは難しいようです。それでもこういった研究結果が増えてくれば、糖尿病の薬の見直し時に優先的に使う薬となるのかもしれません。

先の私の知人は認知症になることも心配していますので、こういった情報で薬が変えられるのであれば良いのかもしれませんが、まだ気休め程度の結果のような気もします。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿