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不治の病とされた慢性腎臓病が近年「治せる病」に

2024-11-13 10:34:58 | 健康・医療
もう亡くなった私の友人は、10年ほど前から糖尿病から来る腎臓病となり透析を受けていました。透析は長時間処置する方が良いという事で、5,6時間やっていましたが1日おきにこれだけの時間をとられるのは、QOLの面からは問題かもしれません。

日本の20歳以上の慢性腎臓病(CDK)の患者数は、約1480万人と推定されています。体の中で重要な働きを司る臓器である腎臓ですが、加齢や慢性腎臓病(CDK)などによりその働きが次第に弱り、健康診断や病院での検査で悪い数値が出るようになるとさまざまな懸念が生じます。

腎臓がどれくらい機能しているかを示す目安であるeGFRの値が悪化して来れば、今後どうなるのか心配になるものです。特に高血圧や糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病が持病の場合には、病気の悪化と共に腎機能も落ちていく恐れがあります。

血圧や血糖値などの数値変化だけでなく、腎臓の状態も心配になります。慢性腎臓病は長らく不治の病と恐れられ、一度なったら治らない病気というイメージが根強く残っています。しかし医学の研究や治療の進展によって、現在慢性腎臓病の治療には大きな変化が起きています。

慢性腎臓病は、早期に発見して適切な治療やセルフケアを行うことで、改善したり進行を遅らせたりすることができる病気となりました。ここで重要なカギを握るのが運動と食事です。

特に運動は少し前までの常識では、いったん腎臓病になったら安静が第一であり、身体を動かすことなどはもってのほかでした。しかし今では慢性糖尿病の患者が軽い運動を継続することで、血清クレアチニンが低下したり尿タンパク質が減少したり、腎機能が向上することがあることも分かっています。

東北大学の研究チームが開発したのが「腎臓リハビリテーション」です。この研究成果は世界的に認められるようになっています。これは特別な運動をするわけではなく、例えば75歳の女性は40歳の時慢性腎臓病のステージG3aとの診断を受けました。

運動療法の一環として好きな山歩きを続けました。現在のeGFRの値は57(基準値は60以上)で、ステージこそ変わっていませんが35年間更なる腎機能の低下は起こっていません。また70歳の男性は、高血圧と脂質異常症の持病があり、59歳の時に脳梗塞の発作を起こしました。

この時の検査で腎機能がかなり低下していることが判明し、eGFRの値は50であり、健常者の半分しか腎機能が働いていませんでした。この男性は熱心にウォーキングに取り組むようになり、1日に2万5000歩をゆっくり歩くようになりました。

歩き始めて3か月で、慢性腎臓病のステージがG3aからG2へと回復し、eGFR値も基準値の60まで回復しました。このように慢性腎臓病が安静から運動に変わったことが大きな進歩といえるのかもしれません。


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