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身体の水分と足のむくみ

2020-10-27 10:30:22 | 自然
足がむくみやすく、何か病気ではないかと心配している人も多いようです。

このむくみを考えるには、体の中にある「水」について理解しておく必要があります。人の身体の約6割は水でできており、体重が50キロの人であれば約30リットルもの水が体の中にあるということになります。

身体のどこを見てもそんな水があるようには見えませんが、体の中で一個一個の細胞が水をため込んでいるのです。水は細胞の中に20リットル、血管の中に2.5リットル、それらの外に7.5リットル程度の割合で分布していて、常にこのバランスが維持されています。

このバランスが崩れて血管および細胞の外に水が増えてしまった場合に「むくみ」となって現れます。バランスが崩れて水が外側に漏れ出る仕組みのひとつは、水自体が持つ圧力の変化です。

血管は全身に水を行きわたらせる水道管の役割をしています。心臓と肺を浄水場だとすると、動脈はその水を家庭(各臓器や細胞)に送り届ける上水道で、静脈は各家庭で使われた水を回収する下水道となります。

血管が水道管と異なるのは、血管の壁には無数の小さな窓があり、水が簡単に漏れ出る構造をしています。ここで下水道のどこかで目詰まりが起きたとすると、水道管の中の圧力が高まります。

この水道管は無数の窓が開いているので、周囲に水漏れを起こし、むくみが生じることになります。これほど単純ではなく、水の移動は圧力の変化だけで生じているわけではありません。ここでのキープレーヤーは食塩に含まれるナトリウムと、血管の中を流れるタンパク質です。

ナトリウムやタンパク質には水を引き込む力があり、多く存在するとその場所に引き込まれて行きます。逆にそれらが減った場所では、水はその場所から逃げていきます。例えば足のむくみでは、足の血管の外に過剰な塩分が存在する場合には、水が引き込まれ溜まることになります。

また血管の中のタンパク質が減ってしまうと、水が漏れ出し脚にむくみが出ることになります。飛行機の中に長時間いると、足のむくみが出ることは有名な話のようです。これは足を低い位置に保ち続けるため足の血管の圧が上がるためや、足の動きが少なくなることが原因とされています。

また足の血管の中に血栓ができるエコノミークラス症候群も当然むくみの原因となります。その他足のむくみは薬が原因で出ることもあり、その代表がカルシウム拮抗薬と呼ばれる降圧剤です。酒を飲み過ぎた翌日、顔がやたらむくんでいるという経験は多いかもしれません。

色々な原因はありますが、結局むくみは水のバランスの崩れによるもののようです。

ほとんど気にする必要はないようですが、まれに腎臓や心臓、肝臓の働きが悪くなることでも出ますので、あまり頻繁に起きるようであれば注意が必要なのかもしれません。


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