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台風と喘息発作

2019-09-23 10:17:09 | 自然
日本の秋は台風シーズンとなり、台風が近づくと喘息が悪化することが多いようですが、必ずしも気圧のせいとは言えないようです。

私は10年以上前ですが、ひどい咳の時に喘息と診断され、それ以来発作を予防するための吸入薬を使っています。それ以来発作というような症状は出ていませんが、念のため吸入薬は続けています。

さてもともと秋は喘息発作が多いシーズンであり、その理由のひとつとしてライノウイルスというウイルスによる鼻かぜが増えることがあるようです。そして台風シーズンに喘息発作が増えるという印象が強くなるといえるようです。

これは気候の急な変化です。大学病院の救急室に受診した小児の、5559回の受診を検討した報告があり、気候条件との関連を検討したところ、気圧・気温・湿度が急に上がったり、風速が急に落ち着いたりした時に受診の数が多くなっていました。

また喘息発作による救急受診した成人患者25,401件に関し、温度、湿度、気圧の変動の影響を検討したところ、喘息発作と気圧の変化は関係なく、湿度や温度の大きな上昇が喘息発作と関係していたという結果が報告されています。

そして実際に、気圧や気温を変化させることのできる「人工気象室」を使用した実験を行った検討では、気圧の低下による影響は大きくなく、むしろ気圧の上昇の方が影響するという結果が出ています。

台風は温度・湿度を短期間に大きく変化させますので、喘息発作への影響は大きくなるといえます。それ以外の理由として、成人喘息患者58人(台風時に17人が悪化)に対する報告があります。

台風時に悪化した人はもともとの喘息の安定度が低く、スギ、ヒノキ、ダニに対するアレルギーを持っている場合が多いという報告でした。豪雨があった時に急に悪化する喘息発作があるようです。

花粉が雷雨によって湿気で破裂したり地上にたたきつけられて細かくなって散らばり、気管支に吸い込まれて発作が起こるのではないかと考えられています。こういった現象を「雷雨喘息」と呼ばれています。

空気中の花粉濃度と喘息発作は関連がありますが、花粉は比較的粒子径が大きく、思ったほどは喘息発作の原因にはならないようです。しかし豪雨によって花粉が細かくなって放出されることが喘息の大きな悪化原因になるわけです。

また台風の来襲時は、空気中の真菌(カビ)が増え、カビへのアレルギーも悪化することが報告されています。

このように台風が来ると色々な形でアレルギー物質が増えることは確かなようですので、喘息のある人は予防薬を使うなどの対処をした方が良いのかもしれません。 


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