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万病の元の肥満と肥満症

2020-11-05 10:39:08 | 健康・医療
肥満は万病の元といわれていますが、かなり太っていても健康診断でほぼ問題の無い人もいれば、少し太っただけで色々な数値が悪化してしまう人もいるようです。

肥満の定義としては、脂肪細胞に脂肪が定着した状態で、BMI(体格指数、体重(Kg)÷身長(m)×身長(m))の値が25以上(日本の場合)とされています。

脂肪組織とは、脂肪細胞がブドウの房状に集まっている組織で、体内最大の臓器ともいわれています。脂肪細胞は一般的な細胞に比べて大きく、しかも細胞質(細胞の内側)の大半は油滴(細胞内にある脂質の貯蔵場所)が占める構造をしています。

脂肪細胞はこの油滴に脂質をため、必要なときには取り出す「倉庫」の役割をしています。この20年の研究の進歩により、脂肪細胞は多種多様なホルモンや生理活性物質を分泌することで、全身の代謝をコントロールしていることが分かってきました。

次に「肥満症」ですが、簡単にいうと肥満は医療の対象外で、肥満症は医療の対象になる状態です。具体的にはBMI25以上で、肥満に起因・関連する11の健康障害(糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常、睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、整形外科疾患、肥満関連腎臓病)が1つ以上ある場合に診断されます。

とりわけ腹部CT検査で測定した内臓脂肪面積が100平方センチ以上の内臓脂肪型肥満である場合は、健康障害を発症しやすく要注意といえるようです。BMI35以上の高度肥満である場合には高度肥満症と診断されます。

これらの健康障害の有無はメタボリックシンドロームの診断基準とも重なります。腹囲が大きくかつ血糖・血圧・血清脂質のうち2つ以上が基準値から外れている状態がメタボですが、これに該当しなくても肥満症に当てはまるという人も少なくないようです。

BMI25以上のでも健康障害を1つも持たない「代謝的に健康な肥満」の人もいれば、逆にBMI25未満でも健康障害を多数合併している人もいます。後者をMONW(代謝的に肥満した正常体重)といい、お腹がポッコリ膨れ内臓脂肪がたくさん蓄積した人に多いです。

肥満症の基準としてはBMIを25と決めていますが、肥満症と共にMONWについてもしっかり考える必要があるようです。

さらに近年は異所性脂肪も問題になっています。内臓脂肪の量にかかわらず、本来の倉庫(脂肪細胞)ではない肝臓や膵臓、心臓などの臓器や筋肉などの細胞の中に油滴が溜まる病態です。

私は若いころから肥満とは逆の体形(BMI20以下)でしたが、最近下腹が膨らんできました。高齢になると痩せることが多いようですので、あまり気にしないようにしています。


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