ごっとさんのブログ

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今の世界は簡単に滅亡するという説

2022-01-10 10:25:19 | その他
日本のコロナ感染はオミクロン株が市中感染し始め、急激に拡大しつつあります。海外でも過去最多の感染者が出ていますが、厳しい規制は実施されていないようです。

このようにまだコロナに振り回されている世界ですが、オックスフォード大学の学者が「今の世界は簡単に滅亡する」という説を出しています。

現代社会が技術革新のせいで、ある種の脆弱性をかかえるようになり、社会全体の運命がたった一つの不運や1人の悪人に罹っているような状況としています。人間には後先考えずに新しい技術を求める習性があります。

科学者や技術者は発明すべきかどうかを熟考して、きちんと手続きを踏んでから発明することはほとんどありません。発明できるから発明し、好奇心や野心、競争心に駆り立てられてひたすら前に進みます。技術革新に関する限り、アクセルがあるだけでブレーキはありません。

私もずっと研究をしてきましたので、この説には納得できます。私は新薬の研究でしたので、あまり問題はないといってもかなり毒性の強い物質を作ってしまったことがあります。莫大な価値ある発見がなされることもあり、抗生物質やワクチンがその例です。

一方銃や自動車などの功罪半ばする発明もあります。そうした技術がどういう影響を及ぼすのかを前もって知ることはできず、手探りで前進し結果に対応するだけです。この「手探り前進」の習性を面白い例えを使って説明しています。

巨大なツボの中に玉が入っておりこの玉は発明や技術をあらわしており、人間はそこから玉を取り出しています。白い玉は抗生物質のような人間に利益をもたらすもので、灰色の玉は功罪半ばするものです。

ツボに手を入れるときは、何色の玉が出てくるか分からず、人間はただ衝動に任せて手を入れています。ここではツボの中にはそれを生み出した文明を破壊する、黒い玉が入っているのではないかと問いかけています。

人間はまだ黒い玉を取り出したことはないのですが、その理由は人間が技術に関して注意深い方針や賢明な方針を持っているからではなく、たんにこれまで幸運だったにすぎません。現在までの文明はツボから玉を取り出す能力には優れていますが、ツボの中に戻す能力はありません。

この説でいえば、私は核兵器の開発は限りなく黒い玉に近いよう気がします。イスラムのテロ組織が核兵器を手に入れたら、どんな惨劇になるのか想像したくありません。

この説では文明を破壊する条件も述べていますが、その可能性は否定できないようです。まあ可能性は低いと思いますが、妙に考えさせられる論説ではあります。


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