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「血管死」を予防するストレッチ

2020-07-14 10:32:05 | 健康・医療
新型コロナ感染防止のステイホーム期間中、すっかり運動不足になってしまったという人は多いようです。

このための肩こりや腰痛解消にお勧めはストレッチですが、健康を守るための重大な効果が潜んでいます。ストレッチというと運動やトレーニングの前後に行うものというイメージがありますが、最近では健康増進にもストレッチが役立つという報告が多く出ています。

筋肉を伸ばすだけのストレッチは身体への負担が少なく、道具も不要であり場所も選びません。ストレッチの効果として第一に考えられるのは、血管に関するものです。

日本人の死因の1位はガンで、2位が心疾患、3位が脳血管疾患で、心臓病と脳卒中はいずれも血管の病気であり、これらによる死亡は「血管死」と呼ばれています。

血管死の背景にあるのは動脈硬化で、心臓から抹消へ血液を運ぶ動脈が柔軟性を失って固く狭くなり、血栓と呼ばれる血の塊が詰まりやすくなった状態です。ストレッチが血管に良い理由は2つ考えられます。

ひとつ目がNO(一酸化窒素)の生成によるものです。硬くなった筋肉では血管も圧迫されて流れが悪くなります。ストレッチで筋肉を伸ばすと、血管は圧迫から解放されて血液の流れが良くなり、それとともに血管の壁を作る内皮細胞から分泌されるNOが増えてきます。

このNOには血管を緩めて広げる働きがあり、血圧を下げて動脈硬化のリスクを軽減します。ふたつ目は交感神経の抑制によるものです。身体の機能を調整している自律神経には、活動的に整える交感神経と、休息へ向かわせる副交感神経があります。

血管に関しては交感神経は血管を縮め、血圧をあげて動脈硬化を進めます。逆に副交感神経は血管を緩めて血圧を下げ、動脈硬化を抑制してくれます。

吐く息を意識して、深い呼吸を行いながら筋肉を緩めるストレッチは交感神経をオフにして、血管を緩める副交感神経を優位にして血管をいたわってくれるわけです。ストレッチに関するアメリカ・バージニア大学の最新の研究があります。

この実験では30人の女性に30分間のストレッチをしてもらい、前後で動脈硬化と関連する脈波伝播速度(PWV)を計測しました。血管が硬く血管壁が厚いほど、血管の太さが細いほど、脈波伝播速度は早くなり動脈硬化の進み具合を示します。

この実験ではストレッチを1回行うだけで脈波伝播速度が減少し、動脈硬化にブレーキがかかることが明らかになりました。同様の実験は日本のグループもやっており、ストレッチが脈波速度減少につながることを示しています。

こういったストレッチの方法は無数にあるようですので、自分の好みのものを選んで適宜やって見ようかと思っています。


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