ガンの治療において、ガン細胞と正常細胞の違いを見つけることが新しい治療薬開発のひとつの課題となっています。
治療薬ではないのですが、PRT検査ではガン細胞に集まりやすい試薬を使って診断していますし、最近話題になった光免疫療法などもガン細胞に集まるという性質を利用しています。
今回ウイルスを使ってガン細胞を破壊するという治療薬が、承認される見通しになったという記事が出ていました。このウイルス製剤は臨床試験では、標準治療と比べ1年後の生存率が6倍になるなどの延命効果が示されています。
ガンに対するウイルス治療薬が承認されるのは国内で初めてとしています。審査期間が通常より短い国の制度(先駆け審査指定制度)が適用されましたが、今後薬を患者に使ったうえで7年間データを集め、有効性と安全性を改めて確認するという条件が付いています。
このウイルス製剤は第一三共などが開発したガン治療薬「デリタクト」で、対象となる病気は脳腫瘍の一種の「悪性神経膠腫」で脳内の細胞がガン化することで起きます。
中でも代表的な「膠芽腫(こうがしゅ)」は国内に推計2500人程度の患者がおり、手足の痙攣などの神経障害が生じ、脳腫瘍の中でも進行が早いとされています。
東京大学医科学研究所のグループがヘルペスウイルスの三つの遺伝子を改変し、体内に注入したときにウイルスがガン細胞内のみで増殖し、ガン細胞を攻撃するように設計しました。この時どういう遺伝子を改変すると、正常な細胞には感染せず、ガン細胞のみで増殖できるようになるのかのメカニズムは示されていません。
またこのガン細胞が脳腫瘍のみを認識するのか、他のガン細胞でも増殖できるかといった情報も分かりませんでした。これは脳の腫瘍内に、特殊なウイルスを一定間隔で最大6回注入するとしています。
臨床試験では手術や抗がん剤などの標準治療に効果が充分でなかったり、再発した膠芽腫の患者が対象になりました。13人の中間解析結果では1年後の生存率が92.3%で、単純比較はできませんが一般的な標準治療後の生存率15%よりも大幅に高くなりました。
19人で見た生存期間の中央値は約20カ月でした。1施設だけの結果で生存率を評価するのは難しいのですが、腫瘍の縮小効果の分析などを含め一定の有効性があると判断されました。
生存期間の中央値からはそれほど著効があったわけではないようですが、ウイルスを使ってガン細胞を破壊するという新しい試みですので、進めてみる価値はありそうな気もします。
治療薬ではないのですが、PRT検査ではガン細胞に集まりやすい試薬を使って診断していますし、最近話題になった光免疫療法などもガン細胞に集まるという性質を利用しています。
今回ウイルスを使ってガン細胞を破壊するという治療薬が、承認される見通しになったという記事が出ていました。このウイルス製剤は臨床試験では、標準治療と比べ1年後の生存率が6倍になるなどの延命効果が示されています。
ガンに対するウイルス治療薬が承認されるのは国内で初めてとしています。審査期間が通常より短い国の制度(先駆け審査指定制度)が適用されましたが、今後薬を患者に使ったうえで7年間データを集め、有効性と安全性を改めて確認するという条件が付いています。
このウイルス製剤は第一三共などが開発したガン治療薬「デリタクト」で、対象となる病気は脳腫瘍の一種の「悪性神経膠腫」で脳内の細胞がガン化することで起きます。
中でも代表的な「膠芽腫(こうがしゅ)」は国内に推計2500人程度の患者がおり、手足の痙攣などの神経障害が生じ、脳腫瘍の中でも進行が早いとされています。
東京大学医科学研究所のグループがヘルペスウイルスの三つの遺伝子を改変し、体内に注入したときにウイルスがガン細胞内のみで増殖し、ガン細胞を攻撃するように設計しました。この時どういう遺伝子を改変すると、正常な細胞には感染せず、ガン細胞のみで増殖できるようになるのかのメカニズムは示されていません。
またこのガン細胞が脳腫瘍のみを認識するのか、他のガン細胞でも増殖できるかといった情報も分かりませんでした。これは脳の腫瘍内に、特殊なウイルスを一定間隔で最大6回注入するとしています。
臨床試験では手術や抗がん剤などの標準治療に効果が充分でなかったり、再発した膠芽腫の患者が対象になりました。13人の中間解析結果では1年後の生存率が92.3%で、単純比較はできませんが一般的な標準治療後の生存率15%よりも大幅に高くなりました。
19人で見た生存期間の中央値は約20カ月でした。1施設だけの結果で生存率を評価するのは難しいのですが、腫瘍の縮小効果の分析などを含め一定の有効性があると判断されました。
生存期間の中央値からはそれほど著効があったわけではないようですが、ウイルスを使ってガン細胞を破壊するという新しい試みですので、進めてみる価値はありそうな気もします。
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