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電気エネルギーで生きる微生物

2015-10-29 10:21:03 | 自然
最近新しいエネルギー源として、電気で生きる微生物が発見されたという記事を読みました。これは小さなコラムですので、詳細はわからないのですが、可能性としてはいてもおかしくないかという気もします。

電気というと人間が作り出しているイメージがありますが、自然には多くの電気が流れています。雷や電気ウナギなどがいるわけですが、それ以外に広範囲に微弱な電流が流れているのです。

身近な例としては、流しのシンクにクリップなどが落ちた場合です。時間はよくわからないのですが、割と速やかに錆が出てきます。ステンレスというのは、鉄とニッケル、クロムなどの合金で、表面が酸化クロムの膜に覆われています。これが鉄と接触すると、鉄から電子を奪うという反応が起こり、鉄が酸化されて錆となるわけです。この時鉄から電子が移動する、すなわち微弱な電気が流れるわけです。このように金属がある場合とか、風や流れで摩擦が起きるところには、必ず電気が流れるわけです。このように自然界にはいたるところに微弱な電流は流れていますので、これをエネルギー源にしている可能性はありそうです。

さて生物は独立栄養と、従属栄養に分類されます。ほとんどの動物は従属栄養で、栄養源として有機物を取らないと生きていけません。それに対して植物や一部の微生物は、いわゆるエサを必要とせず、炭酸ガスを固定し、有機物に変えることによって生きています。これが独立栄養で、多くは光エネルギーを利用しています。そのほか独立栄養微生物の中には、化学反応エネルギーを利用している物も知られています。火山の噴火口や海底火山の熱水噴出口あたりに生息する、硫黄細菌などがこれに当たり、生命の起源がこのあたりと推定されています。

今回の電気エネルギーで生きる微生物も、こういったところから分離されたようです。この微生物に微弱な電流を流すと、微生物内でそれを強め、1.8倍に増殖したようです。この実験によって本当に電気エネルギーで生きているとするには、やや不十分のような気がします。微生物は一つの細胞が2つに割れて増殖する、いわゆる対数増殖ですので、増殖が始まれば一挙に数倍に増えるはずで、1.8倍という数値は本当に増殖したのか怪しい気もします。

それでも生物が利用できるのが、光と化学エネルギーだけとされていたことに、新たなエネルギー源の可能性を示した点は非常に面白いと思われます。まだ研究の初期段階ですが、こういった微生物を研究することによって、生命の進化という謎解きの一部になるのかもしれません。

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