ごっとさんのブログ

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蚊に刺されたときのかゆみは年代で異なる

2020-10-14 10:23:08 | 自然
今年の夏は本当に暑くあまり外に出なかったせいか、蚊に刺されることが少ないような気がします。

同じように蚊に刺されてもやたらかゆがっている人、全く平気そうな人がいますが、実は蚊に刺されたときのかゆみは子供と大人で違っているようです。

蚊の吸血によるかゆみは、花粉症同様の一種のアレルギー反応です。蚊は血を吸うとき、血液凝固抑制物質などを唾液と共に皮下に注入しますが、体の中の抗体がこれらを異物として認識し、かゆみというアレルギー反応を起こすのです。

したがって人生で初めて蚊に刺されたときは、まだ抗体ができていないので無反応です。アフリカや中東に住む蚊など今迄に刺されたことのない種に始めて刺されてもかゆくはありません。

蚊の唾液を異物として認識する抗体ができはじめると、Tリンパ球や白血球の一種であるマクロファージなどが働いて、刺された場所が腫れかゆみを伴う炎症が起こるようになります。

これはⅨ型遅延反応と呼ばれますが、まだ蚊に刺された経験がない人がなることが特徴で、刺されてからかゆくなるまで1〜2日かかります。蚊に刺されることが増えると唾液成分に対するIgE抗体が作られるようになります。

蚊に刺されその抗体が働くとマスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンやプロスタグランジンが分泌され、かゆみが起こるようになります。その間わずか3分で、これをI型即時反応といい、遅れてⅨ型遅延反応がやってくるわけです。

蚊に何度も繰り返し刺されると最終的に、唾液成分に特異的なIgG抗体が作られるようになります。このIgG抗体はIgE抗体よりも先に唾液腺タンパク質などに結合するため、アレルギー反応が起きなくなり、これを減感作、脱感作と呼ばれています。

ただしこのIgG抗体は一時的で、しばらく蚊に刺されないでいると抗体価が落ち、またIgE抗体が優勢になってかゆみを感じるようになります。毎年暑くなると蚊に悩まされますが、蚊に刺されてかゆくなるのは一種の防衛反応といえます。

かゆさをめぐる蚊との攻防がなくなることはないでしょう。蚊に刺されてかゆくなるのに、こんなにいろいろなステップがあるとは知りませんでした。

私はかなり蚊の多い場所に住んでいましたが、あまり蚊に刺されない方と感じていました。一緒に外で遊んでいると友達たちは手足にぶつぶつと蚊に刺された跡ができ、しきりにかゆがっていましたが、私はあまりかゆくなった記憶がありません。

現在でもかみさんは外に出かけるとき虫よけのスプレーを使っていますが、私は使わなくとも蚊に刺されたことがないようです。かゆくなるメカニズムでは、私はこの免疫系が少し変わっており、刺されてもかゆくならないのかもしれません。

どちらにせよ田舎に住む身としては、ありがたいことだと思っています。


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