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日本人の体質と食事などによる特徴

2022-04-29 10:25:58 | 文化
日本人と欧米人では体質(遺伝子)も異なり、主に食事内容の差によって大きく異なるとされています。

例えば炭水化物を中心に食べてきた日本人の胃は形も変化し、鉤状胃といって縦に長く釣り針のように曲がった形をしています。

穀物は食物繊維が多いため、胃の蠕動によってよく砕き十分に処理してから腸に送る必要がありますが、胃が袋のようになって出口が高い位置についているため、食べたものをしっかり消化できます。

一方欧州系の人は肉食が中心で、脂肪とタンパク質は主に小腸で消化されるため、胃での処理は手早く終えて腸に送り出す方がよいのです。そのため胃酸の量は日本人より2倍多く、分厚い筋肉を使って内容物を力強く押し出せるようになっています。

どんな遺伝子が胃の形を決めるのかは分かっていないものの、体の設計図であるゲノムに違いがあるのは間違いないようです。近年増えている逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで胸やけや痛みが起きる病気で、家のかみさんも一時この診断を受けていました。

日本人全体の20〜30%に発生しているとまで言われていますが、以前は日本人には少ない病気でした。少ない原因は脂肪の摂取が少なかったことと、ピロリ菌の感染率が高かったためです。

ピロリ菌に感染すると胃酸を作る細胞が減って胃酸が少なくなります。穀物をじっくり砕くには時間がかかりますが、胃酸が少なかったことと胃が縦長であるために、逆流することはめったにありませんでした。

それが脂肪の摂取が増えピロリ菌の除菌が進むにつれて逆流性食道炎が増えたという指摘があります。日本人の胃は内容物をすぐ腸に送る構造になっていないため、脂肪が長時間胃に留まって胃酸の分泌が続いてしまいます。

ピロリ菌の除菌は必要な治療であるものの、日本人の身体はピロリ菌がいることを前提にできていたため、ピロリ菌が消えて体質のバランスが崩れてしまったと考えることができるようです。

次は悪玉コレステロール(LDL)のはなしです。LDLが増えると動脈硬化が起きて、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなると言われています。LDLは1つの物質ではなく、コレステロールの他にタンパク質とリノール酸、アラキドン酸などの成分が集まってできています。

ところが日本人のLDLにはリノール酸などよりもEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれていることが分かっています。これは日本人が魚を食べることが多く、EPAには中性脂肪を減らす働きが、DHAには動脈硬化を抑える働きがあります。

つまり日本人は悪玉のLDLをそれほど気にする必要が無いという説です。これはあくまで日本の伝統食を食べている場合という前提ですが、こういった見方もあるというのは面白い理論のような気がします。


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