ごっとさんのブログ

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注意すべき最先端ガン治療法

2020-01-23 10:29:05 | 健康・医療
ガンは「不治の病」から治る病気へと印象が変わりつつありますが、それにつけ込んで「治せる治療法」が続々登場しています。

こういった「最先端のガン治療法」をうたった書籍や広告をよく見かけますが、本当に効果があるのか怪しいものも多いようです。

必要なエビデンスつまり科学的根拠とは、人に対して効果があるかどうかの裏付けのことを意味します。一般的には人を対象とした臨床試験で有効性が証明され、その結果が第三者による査読審査で受けて学術雑誌に掲載されているのであれば、エビデンスが十分とされています。

ただしこの場合でも問題となることがあり、ある治療法が100%の人に有効という事はまずありません。ガンの場合は30%の有効率で効果ありと判定されていますので、70%の人には効果が出ないものです。

またたまたま臨床試験では30%有効となっても、実際に使用して見るとそれほど効かないという状況が続き、消えていく(使われなくなる)治療法も多いようです。しかしここでいう怪しげな治療法というのは、こういったエビデンスの全くないものを指しています。

そもそも怪しげなガン治療法が蔓延しているのはなぜかというと、日本に「ガン難民」があふれているからかもしれません。ガン難民とはガンが進行しているのに治療を行っていない人を指します。

3大療法である手術、抗ガン剤治療、放射線治療で治らないことから、緩和医療を進められてしまう人が非常に多くなっています。

日本のガン死亡者数は年間130万人で、その2人に1人が治療をせずに亡くなっていることから、広義では65万人ほどで、患者の実数予測から狭義では40万人程度いると言われています(やや多すぎる気はしますが)。

日本では3大療法で治しようがなくなると心と体を和らげる緩和ケアへ移行するしかなかった時代が長く、その中間に位置する医療がなかったためこれほど多くなっているようです。

つまり標準治療以外の治療を求める人が多く、その要望から怪しげな治療法が蔓延しているともいえるようです。新たな治療法としてオプジーボの様な免疫療法も始まり、このブログでも紹介しているウイルス療法や光療法も近い将来採用されるかもしれません。

それまでにはやはり何か治療を受けていると、患者が感じられるような治療法が、たとえ怪しげでも必要なものかもしれません。非常に高額であったり身体に有害である方法以外は、医師が頭から否定するだけでは問題は解決しないでしょう。

患者に「治療を受けている」と感じられることが、より良い緩和ケアといえるような気がしています。