ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

先端的なガン検診は本当に必要か

2020-12-26 10:24:49 | 健康・医療
自治体が実施しているガン検診だけでなく、現在は色々な先端的なガン検診が利用可能となっています。

私は高齢者はガンの増殖速度も遅く、過剰治療につながりかねない検診は受けない方が良いという立場を取っています。ただし40代ぐらいのガン年齢に近くなっている世代は積極的に受診した方が良いでしょう。

最近開発された「ギョウチュウ」を使った尿検査や、マイクロRNAを調べる血液検査についてはこのブログでも紹介してきました。「週刊フラッシュ」に通常のガン検診には入っていない「PET/CT」検査や「腫瘍マーカー」についての解説記事がありました。

私はまだPET検査を受けたことはありませんが、全身のガンを一度に調べられるといわれています。この原理としては、多くのガン細胞は正常組織の3倍以上のブドウ糖を消費する性質があります。

そこでブドウ糖と構造的には似ていますが、代謝されず一部に放射線を出す標識を付けたFDGという検査薬が開発されました。このFDGを静脈内に注射すると、ガンの病巣には多くのFDGが集まります。

これが発する放射線をPET装置で検出することにより、どの臓器のどの部位にガンの病巣があるかを正確に検出できるというものです。しかしこの解説者はPET検査の精度はあまり高くなく、全てのガンのうち20%は見逃されてしまうとしています。

頭頸部のガン、甲状腺ガン、悪性リンパ腫には有効とされていますが、食道、肝臓、胃、腎臓などのガンについては有効性が低いようです。また被爆リスクがあり、糖尿病の患者は診断精度が低下するという欠点もあるようです。

次が「腫瘍マーカー」ですが、これは未だに医療関係者の間で大きく評価が分かれているようです。

私は数年前にこの検査を受けたことがありますが、申し込むと検査キットが送られてきて、自分で指先から採血し、血清部分を送り返すと1週間ぐらいで3種のマーカーの数値が届くという簡単なものでした。

この問題点としては、腫瘍マーカーの数値が上昇しても身体のどこにガンがあるかは判断できず、ガンであってもマーカーの数値が上昇するとは限らないといった点です。

使用する意味のあるのは、治療効果の判定や再発チェックなどで、ガン検診としては使えないとしています。マーカーの中にPSAがありますが、この値と前立腺ガンとはほぼ相関していると評価されています。

この解説者はPETも腫瘍マーカーも検診としては否定的ですが、通常のガン検診で疑いが出た場合など、確定診断のためには良い方法のような気もします。

120℃の高温下で微生物群を発見

2020-12-25 10:27:02 | 自然
海洋研究開発機構などの研究チームは、海底下約1200メートルまでを掘削調査し、高温かつ高圧の過酷な環境に生息する微生物群を発見したと公表しました。

温度は約120℃に達し、高温でも生きられる特殊な微生物の仲間とみて、種の特定を進めるとしています。このブログは「朝日新聞デジタル」の記事をもとに書いています。

海底の堆積物や岩石に中に微生物が生息することはこれまでの研究で知られていますが、生命の存在がどこまで広がっているかは大きななぞとされていました。このような高温高圧化で微生物が存在するということは、「生命の起源」を考えるうえでも非常に興味があります。

生命の発生については非常に多くの仮説が出ていますが、そのうちのひとつが高温高圧である海底火山の噴出口ではないかといわれています。

生命が誕生するには多くの条件が必要ですが、少なくとも高濃度の有機物が存在しなければなりません。こういった噴出孔には有機物の原料となる炭素、水素、酸素、窒素などの原子から必須の微量金属までが揃っていると考えられています。

またこういった環境は非常に多種の化学反応が起きやすく、そのうち一部は有機化合物となるのかもしれません。

最近では隕石の衝突のような状況を作り出すと、炭素や窒素などの無機物から生命の基礎ともいえるアミノ酸が生成したという報告を読んだことがあります。こういった高温高圧の状況下で、その他のタンパク質や糖類、核酸類ができてくるということは全く証明されていません。

一般に無機化合物から有機化合物へ変換するためには、非常に多くのエネルギーが必要ですが、海底火山の噴出口はこの条件を満足しているのかもしれません。ただこういった環境は出入りが激しいので、有機物が高濃度になるという点はやや疑問を持っています。

さて研究チームは2016年に室戸岬沖約125キロ、水深4776メートルの地点で、地球深部探査船「ちきゅう」で海底を深さ1180メートルまで掘り、円柱状の試料を採取しました。

海底の温度は1.7℃、掘り進むほど温度が上がり、最下部は120℃前後になっていたようです。この資料を調べると、最下部を含む部分に高温でも生きられる超好熱性のメタン生成菌が活動していることが分かりました。

ここで得られた微生物の詳細な解析はまだできていませんが、こういった好熱性菌は古生菌であることが多いようですので、生命の起源とのかかわり合いが明らかになることを願っています。

研究チームは、地球深部で超好熱菌が発見されたのは初めてで、1千メートルを超える深さから微生物の濃度が徐々に増加しており、生育温度の限界は見いだせなかったとしています。

まだ掘削できていないさらに深い高温部にも微生物が存在する可能性があるようです。今回の研究が生命の起源と関係があるかどうかは分かりませんが、この解明に近づくような結果を期待しています。

ガン発症の最大の要因は「運」

2020-12-24 10:24:04 | 健康・医療
ガンの家族歴や喫煙などの習慣は遺伝子変異と関連しますが、正常な細胞分裂の間に起こる偶然の複製エラーははるかに大きな要因となります。

細胞の分裂に先立って、遺伝子の複製が行われますが、ここでDNAが不安定となり遺伝子の「コピーミス」が起こることがあります。この突然変異がたまたま発ガンに関連する遺伝子に起こると、ガン細胞ができてしまうわけです。

この辺りのガン発症の可能性については、コピーミスの頻度などこのブログでも取り上げています。心臓にほとんどガンができないのは、心筋細胞では細胞分裂が原則起きないため、突然変異も見られないことが理由とされています。

脳には悪性の腫瘍ができることがありますが、これは神経細胞から発生するものではありません。神経細胞は常時伸縮している心筋細胞と同様に、極度に分化し電気を使って情報通信を行っていますので、細胞分裂は行えません。

神経細胞を支え、自身は細胞分裂も行う「神経膠細胞」から多くの悪性腫瘍が発生するのです。遺伝子のコピーミス自体を完全に避けることはできませんから、長生きをして細胞分裂の回数を重ねていけば、ガン細胞が発生する確率も高くなってきます。

ガンが年齢と共に増えていくのは当然で、日本人の男性の3人に2人、女性の2人に1人がこの病気に罹患するようになった理由は、急速な高齢化にあります。

また喫煙や飲酒などの生活習慣や感染症などの環境因子は、遺伝子の複製ミスの確率を大きく左右します。

ガン関連の感染症として重要なのは、胃ガンの原因の98%とされるピロリ菌や、子宮頸ガンの原因のほぼ100%といわれるヒトパピローマウイルス、肝臓がんの原因の約8割を占める肝炎ウイルスなどです。

なお遺伝の影響は環境因子よりずっと少なく、発ガンの原因全体の5%にすぎません。このピロリ菌が胃ガンの原因というのはどうも疑わしい気がしますが、この説がだんだん強くなっている気もします。

環境因子に全く問題がなくても、ミスを排除することはできません。遺伝子の偶発的なコピーミスがガン発症の背景にありますので、ガンができるかどうかは「運」の要素もあるといえます。

タバコを吸ったことのない人が肺ガンになるのは「運が悪かった」ということになります。米国の研究者が2017年に発表した論文では、発ガンをもたらす遺伝子変異の3分の2は、偶然起きたDNAの複製エラー、つまり「不運」によるものだと結論付けています。

個人の努力も大切ですが、運の要素を否定することはできません。ガンという重大な疾病を運で片付けるのはやや残念な気もしますが、全ての病気なども「運が悪かった」とあきらめるのも一つの生き方かもしれません。

足から来る関節リウマチ

2020-12-23 10:21:19 | 健康・医療
手が固まって動きが悪く痛みが出るといった、関節リウマチの人は多いようです。

私の周りにもリウマチで悩む人も多く、亡くなった叔母さんも長年苦しみ、最後は歩行も難しくなってしまいました。リウマチは手から始まるような気がしていましたが、実際はかなりの割合で足から症状が出る人もいるということを、「時事通信」が解説しています。

少し前まで関節リウマチは不治の病的な捉え方をしていましたが、現在は治療法が劇的に進歩して、早く治療を開始するほど治療効果が期待できるようです。

関節リウマチは関節内に炎症が起こり、炎症物質が骨や軟骨を溶かし徐々に関節を破壊していく病気です。本来は体内に入ってきた異物を排除するための免疫系が自分の細胞やタンパク質を異物として認識し、攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつです。

およそ200人に1人という高い頻度で起こり、30〜50代での発症が多く、全体の8割以上を女性が占めています。足の指の付け根が痛いという症状のある患者を診察した時、ゴムのような弾力を感じる場合は、関節の内側を覆っている「滑膜」に炎症が起きている可能性があります。

超音波で関節の周囲に黒い影がある場合はリウマチの可能性がありX線検査を実施します。足からリウマチが骨に影響を与える場合、最初に溶けていく部分は関節を構成している「関節包」が多いため、その部分をチェックし、血液検査などで診断を確定します。

ただし足のリウマチは非常に発見しにくいようです。足の関節が変形すると、痛いだけでなく靴が履けなくなったり、歩きにくくなりますが、外反母趾と考え詳しい検査がなされないようです。

リウマチの活動性を判定する基準には、血液検査や自覚症状、痛みや腫れのある関節が28カ所中いくつあるかなどの項目が含まれますが、この中に足の関節が含まれていないことも、リウマチの足の病変を見逃す原因のひとつになっています。

2016年に東京女子医大で関節リウマチの治療を受けている患者約6000人を対象にアンケートを行った結果、関節リウマチの症状が足から始まったと答えた人は全体の43%にも上っています。

治療法は薬物療法、手術療法、リハビリ、フットケアと診療科や職種の枠をこえた医療が行われます。この詳細は省略しますが、薬物療法も新たに生物学的製剤も加わり、単に炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行や関節破壊を抑制することが可能になってきました。

関節リウマチは中年世代に発症することが多いようですが、手だけではなく脚に違和感を感じたときも、早めに医療機関を受診することが重要なようです。

ギター仲間とのオンライン忘年会

2020-12-22 10:28:50 | 日記
先日ギター仲間とのオンラインでの忘年会を開催しました。

毎年この仲間で山中湖に集まり合宿をするのですが、今年はさすがに集まるのが難しく、中止となってしまいました。毎年早めの忘年会もやっていたのですが、どうも今年は無理そうなので、オンラインでの忘年会となりました。

皆楽しみにしていたようで、予定時間には11名全員が集まりました。この仲間のZOOMでの飲み会は3回目ぐらいですので、特にトラブルもなく参加できました。乾杯の後しばらく近況報告などした後、自粛期間に色々試みたテレ合奏などを「共有」機能を使って披露しました。

テレ合奏の最初は、一人が演奏したものを録音して次の人に送り、これを聞きながら合わせて演奏をして、その録音を3人目に送るといった方法で三重奏にしていました。こういった方法の欠点は、音のバランスがなかなかとりにくいことです。

これには私も参加しましたが、録音機器としてボイスレコーダーしかなかったので、あまり良い音にはならなかったのですが、なんとか目的は達せました。

また音の録音というのは非常に容量が大きくなってしまいますが(簡単に十数メガになります)、Y君がクラウドを使った共有法を教えてくれ、さらに万年幹事のO君がこれを小さくするソフトを使い、メールで添付できるようになり何とか3曲ぐらい完成できました。

その後ヤマハのSync Roomというアプリで、3人同時に演奏することもできました。その他A君が自分のソロ演奏を動画で取った画像を見せてくれたりと、なかなか面白い忘年会となりました。

またガンが判明し治療が終わったT君が、病院からもらった全身のCTとPet画像を出して、状況を説明してくれました。

見つかったのは肝臓ガンと膵臓ガンでしたが、肝臓は病巣がPetでも暗く抜けており、完全に死滅しているようでした。ただその周りに小さく光る点があり、それが転移の可能性があるとのことでした。

膵臓は見にくかったのですが、重粒子線治療でほぼなくなっているように見えました。しかし問題は背骨の一部が黄色く光っている点で、どうも骨転移してしまったようでした。

これからこの骨の治療について相談するようですが、まだ痛みなどは出ていないものの難しい治療になりそうです。本人は皆に話すことで少し気分が良くなったといっていましたので、重い話題でしたが良かったのかもしれません。

その他新型コロナの展望から、来年度の合宿の可否など話しましたが、ワクチンが接種できれば可能になるのかもしれません。結局2時間半程度の忘年会になりましたが、久しぶりにみんなの顔を見ることができ、なかなか面白いオンライン飲み会となりました。

長時間かけて自宅に帰る必要がないし、若干物足りなさはありますが良い会となったような気がします。