kimitsuku独り言

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アーネスト・ヘミングウェイの忌日に

2014年07月02日 | 日記
           
                        
 アメリカを代表する小説家だったアーネスト・ヘミングウェイが亡くなって、早くも53年になる。
ヘミングウェイが愛用する猟銃で自死したというショッキングなニュースは、世界中を驚かせた。
青春まっさかりだったkimitsukuも強い衝撃を受けた記憶は、未だ鮮明に残っている。
ヘミングウェイ小説の多くは当時の人気スター主演で映画化され、著者の実体験を基にした愛と
冒険に満ちた世界を描いて好評を博していた。その幾つかを紹介すると
                    
 1943年制作『誰が為に鐘は鳴る』。ヘミングウェイが義勇兵として戦ったスペイン内乱を舞台に
ゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマンが共演した、現在も時々TV放映される不朽の名作。
 2001年バルセロナを旅した時、カサミラの一室に内乱当時の記録が展示されており、破壊された
街の惨状を目の当たりにして、改めて『誰が為に鐘は鳴る』を思い出したことだった。
 クーパーもバーグマンも若くて恰好よくて、キラキラと光る瞳が印象的だったねぇ…
                 
 『キリマンジャロの雪』は1952年の映画。アフリカを舞台に著者をイメージさせる小説家が瀕死の
状態で過去を振り返るストーリーだった。グレゴリー・ペック扮する主人公が、キリマンジャロの白い
頂きを見上げて、「自分が還る場所はあそこだ」と目を閉じるラストシーンを思い出す。
原作の短編を読んだが、如何にもヘミングウェイらしい男性的で簡潔な文章に感銘を受けたっけ…。
 現在アフリカ最高峰のキリマンジェロは、地球温暖化の影響で殆ど山頂の雪は消えてしまったそう。
                 
 『陽はまた昇る』は1957年の製作。スペインを舞台に繰り広げられる「ロスト・ジェネレーション」の
人間模様が鮮やかに描かれている。タイロン・パワーが若くて凛々しくてSEXYで素敵~ 
スペインの魅力満載メロドラマ仕立てで、以前に紹介したウディ・アレンの『ミッドナイト イン パリ』の
魅力的なヘミングウェイを彷彿させるハリウッド映画だった。もしヘミングウェイ自伝映画を作るなら、
同映画でインディペンデント・スピリット賞助演男優賞にノミネートされた、コリー・ストールが絶対だね。
                    
 『武器よさらば』は2度映画化されており、最初はゲーリー・クーパーの主演で1932年、2本目は
ロック・ハドソンで1957年の製作。kimitsukuが観たのはリメーク版で、イタリア北部戦線に従軍した
記者時の体験を基にしている。映画は第一次大戦で出会った若い二人が嵐の湖を逃避行するも、
せっかく掴んだ幸福も突然のヒロインの死でTheEndを告げる、ハードボイルド系ドラマだった。
 イタリアやスイスに関心の眼を開いてくれた、『武器よさらば』だったわねぇ…。
                    
 1954年にノーベル文学賞を授与されたヘミングウェイの代表作『老人と海』。老漁師に聞いた話を
基に書かれた1952年の作品。スペンサー・トレーシー主演で1958年に映画化された。晩年うつ病を
発症したというヘミングウェイの老境を著わしているのかと、深い人生観・世界観に感慨を受ける。
 ヘミングウェイの文学は今も多くのファンを魅了し、晩年を過ごした家を訪れる人が絶えないとか。
1961年7月2日、62歳を目前に壮絶な最期を選んだアーネスト・ヘミングウェイに遥かな地より合掌を…。


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