どのような商品でも同じことが言えますが、
製作者はともかく、販売者がその製品に惚れこまないと、その製品の良さはお客様に伝わりません。
本場の物ではない西野二胡をとても気に入って弾いてくれる演奏家はずいぶん増えてきました。
その中でも、金沢のNML(二胡ミュージックラボ)の孟さんの様に、
本場の二胡を知っていても尚且つ、この二胡大好きと常に弾いてくれている人は他にいません。
ですから、相当な数のお問い合わせがあるようなのです。
今、光舜堂での二胡の販売というのは、ほとんど受注生産のような形に近くなっています。
ご来店のお客様と相談して、胴はこの木でそして棹はこれと組み合わせたら、などという楽しい話をしながら、
二胡を製作販売しているような状態です。
あるいは、古い家を解体した時、とても良い紫檀が出てきた、あるいはこの欅は使えないだろうか。
などなど、これもまた楽しい話です。
もともとが注文で家具を作ってきていますので、この、注文があって制作するという事がとても楽しいのです。
何よりお客様と顔を合わせて、二胡製作の話をするというのは本当に楽しいことです。
そして最近の福音弓の新作、
麗風・音風、その、制作に追われながら、時々は新しい材を見つけて楽しみに作る西野二胡もあります。
これらの二胡を NML(二胡ミュージックラボ)さんで発売することになりました。
今回は、3台のやまと二胡と1台の宇南二胡を出品します。
西野二胡の解説
◆『やまと二胡』とは、
二胡用材木として通常6枚作りの胴の六角形を、高い技術によって18枚はぎした二胡です。
より良い質ながらごく少量しか採れない、良い材料の中でも貴重な箇所を、はぎ合わせる事によって余すことなく使い音色を追求しています。樹種の組み合わせによって様々な柄になって表れる、個性的なヴィジュアルの美しい二胡です。
◆『宇南二胡』とは、
胴の6角形を、同一樹種の一枚板で6面に組んでいます。
もともと、特に紫檀という木は幹が細い物が多く、二胡材として十分な幅でありながら質の高い材というのは非常に貴重です。胴を綺麗に響かせるために、6面を6枚の音質を揃えたり吟味して材を選ぶことで作り上げる、というのは西野二胡製作の基本ですが、幅を1面分で確保するのはなかなか難しく、宇南二胡は年々製作が困難になってきています。
※以下、画像・動画及び金額は、NMLでのアップまでお待ちくださいね。
◇1◇【やまと二胡 シリアル№ 紫―α】
胴:小葉紫檀 × 小葉紫檀
棹と木軸:手違い紫檀
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
小葉紫檀の甘い響きを、しっかりした手違い紫檀の棹が支えて、クッキリした音の輪郭を作り上げます。小葉紫檀は紫檀の中では柔らかく、棹が曲がりやすいという欠点を含みます。稀には硬めの部分を棹に作ったとしても、よほど丁寧に木軸を緩めたりしないと曲がりやすい棹というのは否めません。それゆえ中国製品の中には、小葉紫檀と見分けがつきにくい、いわゆる日本で言う本紫檀を棹に使う場合が多いです。そこで今回はより音としても強さのある響きになる手違い紫檀の棹を使いました。どこかの舞台でソロで弾くときには、その遠鳴りは、あなたの演奏をよりしっかりと伝えると思います。その上、今や日本で手に入りにくい、中国でも100万円に近い価格の小葉紫檀の二胡としては、本当に妥当な金額です。
◇2◇【宇南二胡 シリアル№ AE-β】
使用材料:縞黒檀
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
この二胡は、部位すべての材料を縞黒檀で作ってあります。
胴は同一の板から6枚に製材して同じ材木から作り、1面1枚板よる宇南二胡の中でもいちだんと音質の整った楽器となっています。
縞黒檀は、黒檀類の中でもより発音の良い、渋いけれど、晴れ晴れとした音色です。
安定した音色はプロ演奏家にも好まれ、西野二胡の中では比較的安いにもかかわらず、コストパフォーマンスとしては非常に優秀な二胡です。
◇3◇【やまと二胡 シリアル№ 黒―δ】
使用材料:黒檀(真黒-まぐろ-)
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
この二胡の材料は、100年以上前にスリランカからイギリスのヴァイオリンメーカーに渡った、真黒材(まぐろざい)です。希少な真黒材の中でも、ここまで目の細かい質の良いまっ黒な物は非常に貴重です。今この材はほとんど採れず、ヴァイオリンの業界でも指板やあご当て、そしてテールピースなど音を支える材料としては最高の鳴りと評価されている材なので、時々ヴァイオリンの制作者がウチの工房に問合せしてきます。何故この材が良いかと言うと、とてもよく響くのです。いわゆる烏木(ウーム―)と言われる、カリマンタンエボニーなどより、密度が高く、その上マイクロクラックと言われる細かい目に見えないくらいな罅を含みます。そこに含まれる空気層が音をよく響かせるのです。ただし、これは楽器に仕立てた後でも、楽器のあちこちに細かい罅としてあらわれることがあります。その部分から割れて破損ということはありませんが、罅が目に見えてくることもあります。この罅は直すことも可能ですが、そのような木であることを納得できない方は、購入されない方が良いと思います。
ただこの木で作った二胡は人の気持ちまで響かせるような振動をします。
以前作り、ブログでもご紹介した『風神』『雷神』はこの真黒材で作り上げました。
◇4◇【CDMやまと二胡 シリアル№ 紫―ε】
胴:マダガスカルローズウッド(バリサンダー) × シャム柿
棹・木軸:マダガスカルローズウッド(バリサンダー)
皮:CDM(光舜堂オリジナル人工皮)
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
ご覧の通り人工の皮の二胡です。
この人工皮は、和紙と樹脂を何層にも重ね、限りなく蛇皮に近い音色を追求して開発しました。音色だけで楽器が何であるかを見ずに聴くと、人工皮であることに気づく人はほぼいません。この人工皮の二胡の最大の強みは、湿気に強いことです。湿度に弱い蛇皮の二胡が一斉に不調になる梅雨時でも、CDMの西野二胡は変わらずに絶好調で鳴り、季節を選ばず普通に二胡の音色を何時も楽しめます。
木部は、棹と木軸はマダガスカルローズウッド(バリサンダー)です。また胴は、シャム柿とマダガスカルローズウッドとをはぎ合わせた、やまと二胡です。
光舜堂でダントツ人気のシャム柿の独特な音色の良さと、中国で本紫檀と呼ばれているマダガスカルローズウッドの紫檀っぽさ―、それぞれの樹種の良いとこ取りの、音色重視の楽器です。二胡と言えば音色、音色と言えば小葉紫檀ですが、このシャム柿とマダガスカルローズウッドの組み合わせた二胡の音色は、本場の中国人の方にも好まれるようです。
製作者はともかく、販売者がその製品に惚れこまないと、その製品の良さはお客様に伝わりません。
本場の物ではない西野二胡をとても気に入って弾いてくれる演奏家はずいぶん増えてきました。
その中でも、金沢のNML(二胡ミュージックラボ)の孟さんの様に、
本場の二胡を知っていても尚且つ、この二胡大好きと常に弾いてくれている人は他にいません。
ですから、相当な数のお問い合わせがあるようなのです。
今、光舜堂での二胡の販売というのは、ほとんど受注生産のような形に近くなっています。
ご来店のお客様と相談して、胴はこの木でそして棹はこれと組み合わせたら、などという楽しい話をしながら、
二胡を製作販売しているような状態です。
あるいは、古い家を解体した時、とても良い紫檀が出てきた、あるいはこの欅は使えないだろうか。
などなど、これもまた楽しい話です。
もともとが注文で家具を作ってきていますので、この、注文があって制作するという事がとても楽しいのです。
何よりお客様と顔を合わせて、二胡製作の話をするというのは本当に楽しいことです。
そして最近の福音弓の新作、
麗風・音風、その、制作に追われながら、時々は新しい材を見つけて楽しみに作る西野二胡もあります。
これらの二胡を NML(二胡ミュージックラボ)さんで発売することになりました。
今回は、3台のやまと二胡と1台の宇南二胡を出品します。
西野二胡の解説
◆『やまと二胡』とは、
二胡用材木として通常6枚作りの胴の六角形を、高い技術によって18枚はぎした二胡です。
より良い質ながらごく少量しか採れない、良い材料の中でも貴重な箇所を、はぎ合わせる事によって余すことなく使い音色を追求しています。樹種の組み合わせによって様々な柄になって表れる、個性的なヴィジュアルの美しい二胡です。
◆『宇南二胡』とは、
胴の6角形を、同一樹種の一枚板で6面に組んでいます。
もともと、特に紫檀という木は幹が細い物が多く、二胡材として十分な幅でありながら質の高い材というのは非常に貴重です。胴を綺麗に響かせるために、6面を6枚の音質を揃えたり吟味して材を選ぶことで作り上げる、というのは西野二胡製作の基本ですが、幅を1面分で確保するのはなかなか難しく、宇南二胡は年々製作が困難になってきています。
※以下、画像・動画及び金額は、NMLでのアップまでお待ちくださいね。
◇1◇【やまと二胡 シリアル№ 紫―α】
胴:小葉紫檀 × 小葉紫檀
棹と木軸:手違い紫檀
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
小葉紫檀の甘い響きを、しっかりした手違い紫檀の棹が支えて、クッキリした音の輪郭を作り上げます。小葉紫檀は紫檀の中では柔らかく、棹が曲がりやすいという欠点を含みます。稀には硬めの部分を棹に作ったとしても、よほど丁寧に木軸を緩めたりしないと曲がりやすい棹というのは否めません。それゆえ中国製品の中には、小葉紫檀と見分けがつきにくい、いわゆる日本で言う本紫檀を棹に使う場合が多いです。そこで今回はより音としても強さのある響きになる手違い紫檀の棹を使いました。どこかの舞台でソロで弾くときには、その遠鳴りは、あなたの演奏をよりしっかりと伝えると思います。その上、今や日本で手に入りにくい、中国でも100万円に近い価格の小葉紫檀の二胡としては、本当に妥当な金額です。
◇2◇【宇南二胡 シリアル№ AE-β】
使用材料:縞黒檀
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
この二胡は、部位すべての材料を縞黒檀で作ってあります。
胴は同一の板から6枚に製材して同じ材木から作り、1面1枚板よる宇南二胡の中でもいちだんと音質の整った楽器となっています。
縞黒檀は、黒檀類の中でもより発音の良い、渋いけれど、晴れ晴れとした音色です。
安定した音色はプロ演奏家にも好まれ、西野二胡の中では比較的安いにもかかわらず、コストパフォーマンスとしては非常に優秀な二胡です。
◇3◇【やまと二胡 シリアル№ 黒―δ】
使用材料:黒檀(真黒-まぐろ-)
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
この二胡の材料は、100年以上前にスリランカからイギリスのヴァイオリンメーカーに渡った、真黒材(まぐろざい)です。希少な真黒材の中でも、ここまで目の細かい質の良いまっ黒な物は非常に貴重です。今この材はほとんど採れず、ヴァイオリンの業界でも指板やあご当て、そしてテールピースなど音を支える材料としては最高の鳴りと評価されている材なので、時々ヴァイオリンの制作者がウチの工房に問合せしてきます。何故この材が良いかと言うと、とてもよく響くのです。いわゆる烏木(ウーム―)と言われる、カリマンタンエボニーなどより、密度が高く、その上マイクロクラックと言われる細かい目に見えないくらいな罅を含みます。そこに含まれる空気層が音をよく響かせるのです。ただし、これは楽器に仕立てた後でも、楽器のあちこちに細かい罅としてあらわれることがあります。その部分から割れて破損ということはありませんが、罅が目に見えてくることもあります。この罅は直すことも可能ですが、そのような木であることを納得できない方は、購入されない方が良いと思います。
ただこの木で作った二胡は人の気持ちまで響かせるような振動をします。
以前作り、ブログでもご紹介した『風神』『雷神』はこの真黒材で作り上げました。
◇4◇【CDMやまと二胡 シリアル№ 紫―ε】
胴:マダガスカルローズウッド(バリサンダー) × シャム柿
棹・木軸:マダガスカルローズウッド(バリサンダー)
皮:CDM(光舜堂オリジナル人工皮)
(製作者 西野和宏による樹種特性等の解説)
ご覧の通り人工の皮の二胡です。
この人工皮は、和紙と樹脂を何層にも重ね、限りなく蛇皮に近い音色を追求して開発しました。音色だけで楽器が何であるかを見ずに聴くと、人工皮であることに気づく人はほぼいません。この人工皮の二胡の最大の強みは、湿気に強いことです。湿度に弱い蛇皮の二胡が一斉に不調になる梅雨時でも、CDMの西野二胡は変わらずに絶好調で鳴り、季節を選ばず普通に二胡の音色を何時も楽しめます。
木部は、棹と木軸はマダガスカルローズウッド(バリサンダー)です。また胴は、シャム柿とマダガスカルローズウッドとをはぎ合わせた、やまと二胡です。
光舜堂でダントツ人気のシャム柿の独特な音色の良さと、中国で本紫檀と呼ばれているマダガスカルローズウッドの紫檀っぽさ―、それぞれの樹種の良いとこ取りの、音色重視の楽器です。二胡と言えば音色、音色と言えば小葉紫檀ですが、このシャム柿とマダガスカルローズウッドの組み合わせた二胡の音色は、本場の中国人の方にも好まれるようです。