二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

密度と重さ!楽器を作る木。

2024-09-12 11:09:13 | ■工房便り 総合 
このところ、こんなものを作っています。
コントラバスのテールピースです。
そして、
シャム柿と小葉紫檀の二胡の胴です。
そしてこれ
久しぶりにヴァイオリンの注文がありまして、(ほぉさんが喜んでいます)
まだ作り始めたばかりですが、
そしてこれ、
たまたま欅の50年前という一枚板をお持ちの方がいらして、家の建て替えついでに棚を作って欲しいと、これも久しぶりですね。
松脂にばかり作っているのではないのです。
松脂もそうですが、自然の物を相手にするときにはどうしても、時間的に間が空きます。
簡単な話、ボンドの乾き待ちが絶対一日はあります。
木の乾燥などというと季節によっては1週間、2週間は当たり前です。
松脂など熟成している間が約1カ月。
それらの待ち時間を組み合わせると、画像のように同時進行でいろいろ仕事をしていくことになるのです。
このところ、ベルリンの高橋さんに頼まれましてコントラバスのテールピースをいろいろ造っています。

また、ある楽器店の店長さんから頼まれたチェロのテールピースの開発もやり始めました。
何故二胡屋がと思うヴァイオリン弾きの方は多いでしょうね。松脂もその様に思われているようですし。
でも、紫檀黒檀という硬い木は二胡屋の方が扱いなれていますよ。
そしてその特性も良く知っています。
テールピースだけでなく、楽器に付属する様々な部品で、紫檀黒檀類で作られるものがあります。
ところが、それこそいろいな説がありまして、軽い方が良い、いやいや重い方が良い、最近どうやら軽い方が良いという説が力を増してきたようで、いよいよプラステイックのチェロ用のテールピースやペグなどもできてきまして、寧ろチェロではそれが主力になってきているとのことです。
これ不思議なのです。
重いのと、密度のあるのは違います。
欅などは重さはありますが、密度はそれほどでもないです
黒檀も重さはありますが密度は紫檀などに比べると少ないです。
黒檀にはマイクロクラックという細かい罅が沢山入っていますから。
密度があって重いのは紫檀でしょうね。
そしてテールピースは軽い方が良いと様々な材料が使われ始めました。
その中の一つが、フェルナンブーコです。
この木は繊維質が縦に走って尚且つ硬く比較的マメ科の中では軽い方です。
導管が大変多く木の内部に空気層が出来上がっています。ヴァイオリンの弓に作ると弓そのものが鳴ります。
ヴァイオリンの弓の良し悪しの中には弓自体の持つ鳴りや音色も加味されて金額が決まるようです。
ですから軽くするという事で最近ではヴァイオリンのテールピースに良く使われ始めています。
しかし、軽くて密度があるというのでは、柘植の木が最高でしょう。
オールドのヴァイオリンは皆柘植の木でテールピースなど作られていまして、トップクラスの演奏家が使うのは皆柘植の木を使っていると言われます。
柘植であれだけ薄い櫛ができるのですから、密度は相当高いです。
ところが、残念ながら育つの遅く太い木がありません。
セイゼイヴァイオリンのペグやテールピースぐらいでしょう。
万一あったとしても、コントラバスのテールピースを作ったら、いくらするのか、たぶん4,50万は、、
密度が高いというと私が考えるのは小葉紫檀。
これはもう柘植並みです。
しかしこの金額が一番問題になります。多分柘植より高くなるでしょう。
皆さんの二胡が1,5台作れますから、
紫檀では重くなるではないかとおっしゃる方もいるかもしれません。
確かに重い材料です。
しかしデザイン次第では、重さは減らすことができます。
本来は重い、密度も高い材料ですからかなり繊細に作る事もできるのではと考えています。
どうも、ヴァイオリン業界では重い材料だからと使っていないようです、その上加工が大変!全部金属用の刃物を使いますから。
しかーし、そこは紫檀黒檀で鍛えられた二胡屋ですから、何とかなるはずです。
しかし色々話が来ますね。
次は和胡弓作りのようです。

工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ






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