二胡工房 光舜堂

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ジャンベタイプ?(光舜二胡)

2010-04-29 17:30:51 | ■工房便り 総合 
蘇州タイプ、北京タイプと二胡にはふたとおりの構造が有る。

光舜二胡は、ジャンベタイプ(東京タイプ)と言えるかもしれない。

ジャンベは言うまでもなく、西アフリカの太鼓。

最近、若い人たちが、リズム楽器として、

カホーン、などと一緒に、様々なジャンルの音楽に、用いるようになった。

ジャンベは、それだけの音の幅を持っている。

通常、太鼓というのは、単音を出す。

種類によっては、手で絞めることによって、音を高くすることもできる。

日本の、大皮や鼓(これも構造は、ジャンベに似ていなくもない)

また、皮の端の方を叩くことによっても、多少高い音を出すこともできるが、

基本的に、単音を出すように作られている為、高い音を出した時には、拾いきれない。

ジャンベは、この独特の構造によって、低い音から高い音まで響かせることが可能である。

この、ジャンベの写真、この外形、二胡の蘇州型の内部の削りに似ていないだろうか。?

二胡は、弓で駒を振動させ、皮を細かくたたく太鼓ということもできる。

だとしたら、このジャンベの、高音から低音まできれいに拾い出す構造は、参考になるかもしれない。

こうして、光舜二胡の原型つくりが始まった。

まさか、ジャンベに、弦を張るわけにもいかず、その4分の一モデルを作って鳴らしてみた。

勿論ジャンベは、木をくりぬいた、丸型、その分クリアーな音がした。

そこで6角形の小ジャンベを作り鳴らしてみた、

見事に二胡の音。

倍音をたくさん含んだ、二胡の音色が飛び出した。

さらに、話を進めると、太鼓の中でも、単音ではない、太鼓もある。

基本的に、高さの(質も)違う音が3つでる。

それはインドのタブラの、高音の方。右手で使う木でできたもの。

これは、皮の厚みを部分的に変えたり、ゴムで鉄粉を張り付けたり工夫されている。

だからタブラは、二つの手で叩きながらも、あれだけ複雑な、音を作り出せる。

これは、皮に利用できないか、?

まさか鉄粉を張り付けるわけにもいかず。

また部分的に、皮を厚くすることもできない。

またタブラは、皮のあちこちを叩くということで音を変えている。

二胡は弾きながら駒の位置変えるわけにもいかず。

このままでは、物にはならなかった。

が、この皮の研究の過程で得たものが有る。

それは、{ナメシ}。

通常、ナメシというのは、タンニン等を使い、皮の脂分を適当に抜き、繊維質を柔らかくする工程を言う。

なめすことにより可塑性と耐久力がでてくるし、腐敗しにくい。

二胡の皮は、普通このなめしを行わない、生皮のまま使う。

多少の脂肪分も残るので、非常に湿気に弱い。

またいずれ、伸びやすくもある。

これ、反対に、ならないか?

そう、硬化させられないか、?

で、昔の人は偉い。やっぱりそういう方法が有った!!


普通、二胡は、作ったすぐ後では、ボリュウムもでないし鳴らしにくいし、雑音の塊になる。

これは、自慢、光舜二胡は、作ったすぐから、鳴りだすし、弾きやすい。

勿論、皮がなじんで、木がなじんでくれば、通常の二胡と同じく、マイルドな音に変化していくし、全音域が鳴るようになる。

先生がいないで作り始めた、二胡。

周りの、一見、二胡とは関係ないところでも、作るヒントは、拾いださなければならず。

やはり、「何事にも、先達は、あらまほしきことなり。」(吉田兼好)










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