二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

皮の続き。

2010-04-30 13:15:09 | ■工房便り 総合 
何故、厚い皮が良いとされるか?

何故尻尾の方に近い3、4枚が良いのか。

基本的に皮は、背中の方が厚く、お腹に回るに従って、薄くなっていく。

二胡で言うと、横の方が薄くなる。

太鼓なんかもそうだが、胴の最縁部木に接触しているところが一番しまっていて、高音を出しやすい。

ところが蛇皮の場合、両サイドは真ん中に比べ薄なり、弱い張りしか得られない。

そうでなくとも、柔らかい皮は振動板としては、相当強く張らないと、高音を良く拾い出すほどの緊張感を得られない。

これが、面積のもう少し、小さな、京胡、あるいは、硬い(と言っても桐)木で振動板ができている板胡、等は、かなり高音も拾い出す。

この、皮に緊張感を与えるには、縦横の皮が、同じくらいの厚みの方が、全体に緊張感を、得るように、引っ張りやすい。

同じ厚みが有るとしても、前に書いたように、お腹のあたりは始終伸び縮みを繰り返し、

濡らして張る時にいくらでも伸びてしまう、お陰で、その部分は薄くもなるし、緊張感も得にくい。

そこへいくと尻尾に近い部分は、縦横の厚みも同じくらいだし、かなりの硬さも持っている。

張るという作業としては、何回も荒張りを繰り返さないと、なじまず。手間的にはかなりかかるが、後々の、耐久力と、全体の皮の緊張感が得られ、全音が鳴りやすい。

ただ、この部分は、多くて3、4枚きり取れない、したがって、なるべく良い木を使ったものにきり張らない。

しかしこれが解っている以上、作る側としてはこの部分きり使いたくないのが、本音である。

しかし仕事である以上、他の部分も使わないわけにはいかない。

それらは、一番値段に反映される。

再度、言うが、鱗が一番大きいのは、お腹のあたりだし、一番面積の大きいのも、お腹のあたり、したがって数は取れる。

尻尾のあたりの良い皮が、3、4枚とすれば、大きな鱗のお腹のあたりは、10から12枚くらいは取れる。商売としては、これを量産として売りたいのは、やむをえないのであろう。

私の場合は、量産するわけではない。やはり良いところだけ使いたいし、鳴らしてもらって納得してもらいたい。

追記

偏8角形が比較的良く高音も出すし、バランスが良いといわれるのは、皮を縦横を変えて張っているから。

長い横の方向に、縦を使い、お腹の方の弱い(薄い)部分が短い方に来るように張る。

短ければ、緊張感を比較的得やすく、高音もまた出やすい。

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