という方もいますね。
確かに弾きこむことによって楽器が育っていきます。
皮が適度に伸びてきて、木の振動も整ってくるような気がします。
その証拠に10年も20年も弾いた二胡は皮を張り替えても、まるきり新品のような音の硬さはありませんし。半年くらいで相当良い音に戻るようです。
しかし弾きこむことだけでよい楽器に育つわけでもないというのはあると思います。
ヴァイオリンなどの調整と言われることのほとんどは駒の作り替えのようです。、あるいは魂柱の位置替えなど。
長い間に弾いていて駒が反って来たり(薄いですから反ってくることもあります)指板が弦で削れてきて来てしまうこともあります。あとはテールピンと言って胴の後ろで弦を支えるピンがガタつく。あるいはペグ(木軸)を受ける穴が削れてきて調弦がうまくできない、あるいはペグが止まらないなどという事が起きてきます。これはペグが硬い黒檀でそれを受けるネックの材料が楓だったりしますので楓の方が傷んでくるのです。
しかしこうやって考えると調整と言っても殆ど木部の修理に当たることですね。
ヴァイオリンの場合よほど安い量産品以外はこれらの事は最初からきちんとできています。普通は!
経年変化によって削れて来たり緩んだりするのです。
二胡の場合は違いますね。
最初から木軸がガタついているのなどは当たり前ですし、台のがたつきなど普通にあります。
私が言う調整というのは殆どがこれらを直して、止まるところはきちんと止めて動くべきものは綺麗に動くようにするというのが私の今やっている二胡の調整の基本なのです。
本来は楽器のメーカーあるいは楽器販売店さんが行う事だと思っています。
こんなことは二胡だからの事情と思います。
調整直次らないという人でも、千斤は巻きなおしたり、駒は変えたりもしていますね。
寧ろこれらの事が調整などだと思います。
木軸を削りなおしたり台の工作部分を直したりするのは、修理に当たるでしょう。
そういう点で今私のやっているのは二胡の修理なのだと最近は考えるようになりました。
まだまだ全国にはそれらの修理をしなければいけない二胡が沢山あるようですね。
また今年も何か所か調整会を開きに回ろうと思っています。
10名様ぐらい集まっていただいて場所さえ確保していただければ、どこでも行きますよ。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ