国際捕鯨委員会(IWC)総会で日本は脱退を表明した。過去30年間に調査捕鯨で1万5千頭を超えるクジラを捕獲。商業捕鯨の道を探っていた。IWCは1982年、鯨の生息数などのデータ不足を理由に商業捕鯨の停止を決定。日本は87年生息数の調査に乗り出し、南極海周辺で年間300頭前後のミンククジラを捕獲した。IWCの議論が暗礁に乗り上げると、日本は調査捕鯨の規模を拡大。94年に北海道釧路沖や宮城県の鮎川沖などの北西太平洋でも調査捕鯨に踏み切っている。しかし、捕獲頭数は2005年の1238頭をピークに減少に転じている。国際司法裁判所の調査捕鯨の中止判決。シー・シェパードも妨害活動も影響した。IWCには88か国が参加している。商業捕鯨を再開しるには加盟国の4分の3が必要。日本の捕鯨支持国は39か国なので66の確保は難しい。調査捕鯨で摂ったクジラは日本では無駄にしないためという理由で鯨料理店で消費している。伝統文化が生きている。クジラが増えすぎるとサバやサンマ、イカなどのクジラの餌が減ってしまう恐れもある。クジラ肉の国内消費は1960年代に年間20万トンを超える年もあった。牛肉などの輸入量が増え、若い世代は鯨肉に馴染みがなくなった。反捕鯨国と対峙するには国内応援団が増えないかぎり商業捕鯨の再開はできない。と判断。今回の事態に発展した様子だ。議論を国内で高め、応援団を得て、商業捕鯨を行う行為。脱退して行っても日本の領海でしか操業できないのではないか。漁獲量を確保できるのか。議論の行方に興味が湧いた。