5月 10日

2019-05-09 18:52:52 | Weblog
                    十薬・どくだみ




     十薬の根の長々と瓦礫より            細見綾子


     盲ひの鵜十薬の辺にうづくまる          栗田やすし


     どくだみのあまた義朝湯殿跡           藤田岳人


     窓際に十薬活けて轆轤挽く            平松公代


     どくだみを千切りて犬の傷ぬぐふ         上杉美保子


     十薬の逞しき根を引きゐたり           児玉美奈子


     どくだみの繁るや松の廊下跡           武藤光晴


     干し上げし十薬の香の芳しき           山本法子


     十薬の匂ふ軍手を洗ひ干す            清水聰子


     十薬や窯場に走る通り雨             八尋樹炎


     十薬や古道に石の道しるべ            東口哲平


     目が合ひし猫十薬へ駆け込めり          奥山ひろ子


     十薬のはびこる中や売地札            熊澤和代




          


          八重どくだみの花


     うしろ手を解き十薬に親しみぬ           岡本眸


     十薬の花より去らぬ日ざしかな           岩田由美


     どくだみを日影に干して母のこと          寺田順子


     村中を墓にどくだみ花ざかり            斎藤玄
コメント (4)
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