9月 22日

2019-09-21 16:38:21 | Weblog
             むかご・零余子・むかご飯



     ぬかご飯渋々たるが忘られず          細見綾子


     ふだん着の師より給はる零余子飯        栗田やすし


     朽葉ごと袋にもらふ零余子かな         河原地英武


     師の忌日こぼさぬやうに零余子摘む       長江克江


     父のこと母と語るや零余子飯          辻江けい


     初むかご供へて句碑に語りかく         倉田信子


     看取り来て一人の夕餉零余子飯         牧 啓子


     零余子蔓絡む陣馬の馬防柵           服部鏡子


     山盛りの零余子艶やか道の駅          小里育湖


     大かたは取りこぼしたる零余子かな       菊山静枝


     漱石の旧居の裏やむかご生る          服部達哉


     山城の堀切り跡や零余子蔓           山本悦子


     零余子蔓手繰りて夕日こぼしけり        上田博子



          



     露膨れむすびこぼるゝ零余子かな         阿波野青畝


     零余子飯出てより話弾みけり           平田マサ子


     老僧のもてなし嬉し零余子飯           真柄 嘉子


     つま楊枝さしてむかごの配らるる         稲畑汀子


     さびしさに零余子飯炊く山家妻          山口青邨
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