飯田龍太語録その1

2005-12-05 22:37:31 | Weblog
      凍み豆腐

 私の尊敬する俳人の一人飯田龍太の言葉を少しづつご紹介したい。
 (ブログの更新に行き詰まった時のため?ではなく・・)

 *写生について
 私(龍太)にとって写生とは、見つめて目を離さない事じゃないかと最近強く
 感じている。見つめて、心の中に実物では感じない別途の実感が湧くまで目を
 離さない。これが写生の手法のように思えてきた。例えば虚子の「遠山に日の
 当たりたる枯野かな」この句は、季語から云うと冬だけれど、実景はどうも早春の
 風景じゃないかと思う.冬の終わりの鮮やかな情景。目を細めて眺めてはいる
 けれど対象から目をそらしてはいない。情感を湛えて至り得た境地を示している。
 これに比べると「白牡丹といふといへども紅のほか」は、主観が強く、技術、
 技巧が表に出てはいないか。

 どうでしょうか?「実物では感じない別途の実感」


         ころころの今日の俳句

         大川の風知り尽くし都鳥


         ころころの独り言

 来る11月9日は漱石の忌日、いままで一度も詠んだ事の無い季語を詠んでみようと
 参考句を検索したが、どことなく漱石の文学からの類想が多い、とは言えそうしなけ
 れば、離れすぎてしまう。忌日俳句の難しいところかもしれない。


         ころころのお気に入り


         ふるさとは風の中なる寒椿 入船亭扇橋
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