11月 21日

2024-11-21 04:47:29 | Weblog

                    北風(きた)・冬の風・朔風・寒風・大北風

 

 

 

                

 

 

 

             北風(ならひ)(きた) 東日本の太平洋側で吹く冬の季節風。地方によって風向が異なる。

             関東ではおもに北東の風をいう。

 

 

 

          友の子や眉宇父に似て寒風へ           細見綾子

 

          寒風に垂るボロボロの旧軍旗           栗田やすし

 

          北風に火種飛ばされ登呂遺跡           河原地英武

 

          海へ出る北風の鳴りづめ兵舎跡          国枝隆生

 

          荒北風に飛ぶ拝願所の紙線香           都合ナルミ

 

          北風強し耳ふせて犬ひた走る           藤田映子

 

 

 

                     

 

 

 

          獄の門出て北風に背を押さる           秋元不死男

 

          田を移るたびに北風つよき谷           飯田龍太

 

          抱き止めて北風匂ふ子の旋毛           西村和子

 

          寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ           杉田久女

 

          寒風に顔ちぢまりて吾子戻る           中嶋秀子

 

          北風をゆけばなけなしの髪ぼうぼうす       金子兜太

 

 

 

                

 

 

 

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11月 20日

2024-11-20 05:22:56 | Weblog

                    冬菜・冬菜畑・かぶ菜・野沢菜・小松菜・漬菜

 

 

 

                

 

 

 

          海を負ふ暮らし漬菜の石探す         細見綾子

 

          密集す妻が蒔きたる冬菜の芽         栗田やすし

 

          磴千段来て堂守の冬菜畑           矢野孝子

 

          冬菜洗ふ姑娘そつと笑ひけり         武藤光晴

 

          裸灯や京の市場の冬野菜           安藤虎杖

 

          一村をつなぐ鉄橋冬菜畑           ころころ

 

 

 

                

 

 

 

          火の山の高曇りゐし冬菜かな         吉田鴻司

 

          冬菜洗ふことに一途や絶えて泣かず      鈴木真砂女

 

          冬菜漬け終り全身きしきしす         菖蒲あや

 

          茹で上げし冬菜の湯気が顔を撫で       西村和子

 

          海に尽く一村冬菜濃かりけり         鷲谷七菜子

 

          一つかかへて二つをこぼす冬菜婆       今瀬剛一

 

 

 

                

 

 

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11月 19日

2024-11-19 05:01:14 | Weblog

                          山茶花 < 季=冬 >

 

 

 

 

                     

 

 

 

          山茶花は咲く花よりも散つてゐる           細見綾子

 

          烈公の蟄居の庭や白山茶花              栗田やすし

 

          山茶花や縁切状の女文字               矢野孝子

 

          白山茶花お百度石に薄日差す             菊山静枝

 

          山茶花の闇へ火を噴く登り窯             朝生孝子

 

          山茶花の真赤一輪朝の卓               花田紀美子

 

 

 

                     

 

 

 

          山茶花に戀ならで病める女あり            正岡子規

 

          山茶花の暮れゆきすでに月夜なる           水原秋櫻子

 

          小鳥来る山茶花一つ花咲かせ             山口青邨

 

          山茶花のととのふときのなかりけり          長谷川 櫂

 

          山茶花の咲き初む好きな紬着て            館岡沙緻

 

          また逢へた山茶花も咲いてゐる            種田山頭火

 

 

 

                     

 

 

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11月 18日

2024-11-18 04:40:23 | Weblog

                         枯蓮・蓮の骨・枯はちす

 

 

 

                     

 

 

 

          鰻田につづく蓮田の枯れ尽くす          栗田やすし

 

          夕ぐれの風吹けば鳴る蓮の骨           下里美恵子

 

          山積みの蓮の骨焚く輪中村            国枝隆生

 

          蓮枯れて水面の空の細切れに           伊藤範子

 

          枯蓮を焚く火走れり立田村            金原峰子

 

          枯はちす音符のやうな影ゆるる          小澤明子

 

 

 

                

 

 

 

          暖かき枯蓮の色日暮れても            沢木欣一

 

          夫婦住む平穏小池蓮枯らし            細見綾子

 

          氷るには美しかりし蓮の骨            吉田鴻司

 

          薬師寺や破れぬまゝに蓮枯るゝ          松藤夏山

 

          蓮枯れて何でも映る水のいろ           黒田杏子

 

          枯蓮のうごく時きてみなうごく          西東三鬼

 

 

 

                

 

 

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11月 17日

2024-11-17 05:04:56 | Weblog

                           藪巻・菰巻・菰巻く

 

 

 

             菰巻きはマツカレハなどの害虫から守るために、松の幹に藁でできた菰を巻きつける。

             啓蟄にこの菰を越冬した虫とともにはずすのが恒例になっているようです 写真の菰巻きには 

             結び目に縄で飾りがしてありましたまた藪巻きとも呼ばれ躑躅や桜の若木をぐるぐる巻きにされている

             物もあります菰巻き・藪巻きは冬の、菰はずしは春の季語になっています

 

 

 

                 

 

 

 

          菰巻かれ三河黒松獣めく             下里美恵子

 

          菰巻くや亀甲荒き松の幹             小田二三枝

 

          藪巻や飾り結びの一と並び            平松公代

 

          菰巻の結ひしばかりの縄匂ふ           内田陽子

 

          木賊にも藪巻したる陸奥の寺           近藤文子

 

          菰を巻く仕上げの縄の花むすび          ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          藪巻の松千本や法隆寺              細川加賀

 

          松は菰巻かれはべりぬ浮見堂           片山由美子

 

          菰巻の蘇鉄筋肉隆々と              山口誓子

 

          聞えさうなる菰巻きの息づかひ          国保泰子

 

          藪巻のふところがくれ栗鼠あそぶ         掛札常山

 

          藪巻や晴を見にゆく日本海            森 澄雄

 

 

 

                     

 

 

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11月 16日

2024-11-16 06:00:45 | Weblog

                           浮寝鴨・鴨・鴨の陣

 

 

 

                

 

 

 

          鴨射ちの下げたる鴨の目は見ざり      細見綾子

 

          荒波にしやくられづめの浮寝鳥       矢野孝子

 

          嶺映す水面乱せり鴨の陣          藤田岳人

 

          いつときの鴨の騒ぎや夕川面        武藤光晴

 

          佇めば寄り来る鴨にパンの屑        山鹿綾子

 

          釣人と確かな間合ひ残る鴨         ころころ

 

 

 

                

 

 

 

          八雲立つ比良へ向き変へ見張鴨       秋元不死男

 

          番ひ鴨遠くはとばずまた浮寝        下村梅子

 

          さみしさのいま聲出さば鴨のこゑ      岡本 眸

 

          鴨のこる池が真中競馬場          飯島晴子

 

          お手玉の置かれしやうに浮寝鴨       永野絢子

 

          鳰まぎれこみたる鴨の陣          清崎敏郎

 

 

 

                

 

 

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11月 15日

2024-11-15 06:59:02 | Weblog

                            八手の花・花八手

 

 

 

                     

 

 

 

          炭を切る筵明るし花八ッ手           沢木欣一

 

          空広く声たまにくる花八ツ手          細見綾子

 

          暗きより牛が貌出す花八手           下里美恵子

 

          花八手活く煤色の野焼壺            玉井美智子

 

          爪立ちて玻璃拭く巫女や花やつで        小田二三枝

 

          猫出入り自在の地窓花八手           伊藤範子

 

 

 

                

 

 

 

          老いはかく音もなく来る花八つ手        林 翔 

 

          教会にハープのつどひ花八つ手         大島民郎

 

          花八ッ手生涯母は紅ささず           中嶋秀子

 

          君発たせ来し駅裏の花八ツ手          寺井谷子

 

          どの路地のどこ曲つても花八ッ手        菖蒲あや

 

          花八つ手水を貰ひに研師来る          森藤千鶴

 

 

 

                   

 

 

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11月 14日

2024-11-14 06:08:39 | Weblog

                         冬晴・冬日和・冬うらら・冬麗

 

 

             昨日は暖かい日差しに誘われて小石川後楽園を散歩してきました

             開花はつわぶきと山茶花 躑躅の帰り花 花から実の季節なのに

             紅葉・黄葉もまだまだの様です 園内では雪吊りの作業がはじまりました

             表紙の写真はその時の物 その他は 赤塚植物園いつもの散歩コースです

 

 

 

                     

 

 

 

          オリーブ油髪の根にすり冬うらら      細見綾子

 

          声高に内緒の話冬日和           片山浮葉

 

          一竿は産着ばかりや冬うらら        小島千鶴

 

          動かざる老人と亀冬日和          山口茂代

 

          冬うららケ・セラ・セラは母の唄      太田滋子

 

          冬晴や皇旗はためくオープンカー      武藤光晴

 

 

 

                     

 

 

 

          冬晴や立ちて八つ岳を見浅間を見      高浜虚子

 

          冬うらら海賊船は壜の中          中村苑子

 

          冬晴のとある駅より印度人         飯田龍太

 

          一枚の大冬晴に橋と島           吉年虹二

 

          冬麗や汐に漂ふ松ぼくり          鈴木真砂女

 

          亀を見に四天王寺へ冬麗          飴山 實

 

 

 

                     

 

                 赤塚植物園のシンボリツリー はんてんのき(ゆりの木)の黄葉です

 

 

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11月 13日

2024-11-13 06:09:55 | Weblog

                             実南天・南天の実

 

 

 

                     

 

 

 

            南天の花は6~7月ころ六弁の白い花を付けて、10月ごろ結実し翌年春まで残り枝先に群がった実は

            晩秋から初冬に真っ赤に色づく。「難を転ずる」に通じることから、鬼門や水周りに植え る事が多いのです

 

 

 

                     

 

 

 

          船倉の壁に影濃き実南天            栗田やすし

 

          実南天朝日に紅を深めたり           関根近子

 

          実南天蔵に出入りの藁草履           栗田せつ子

 

          灯籠に触れて色濃き実南天           大津千恵子

 

          酢の倉の庭に鳥居や実南天           幸村志保美

 

          氏神に新しき札実南天             磯田秀治

 

 

 

                

 

 

 

          南天の実に惨たりし日を憶ふ          沢木欣一

 

          一株は白南天や石道寺             星野麥丘人

 

          実南天二段に垂れて真赤かな          富安風生

 

          実南天十二神将眉あげて            野澤節子

 

          とやかくの家相を払ふ実南天          能村登四郎

 

          実南天鴎外旧居北向きに            松崎鉄之介

 

 

 

                     

 

 

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11月 12日

2024-11-12 04:54:40 | Weblog

                       蜜柑・ミツカン山・蜜柑舟 < 季=冬 >

 

 

 

                     

 

 

 

          保線詰所窓に蜜柑を並べあり       沢木欣一

 

          食卓のみかんに日さす母の家       細見綾子

 

          漓江下る船に寄りくる蜜柑売り      栗田せつ子

 

          蜜柑選る梁に電球付け足して       伊藤範子

 

          日暮れまで草焼く煙みかん山       白鳥光江

 

          水軍の裔の島影みかん畑                    ころころ

 

 

 

                

 

 

 

          蜜柑山の光うづまけり谷かけて      水原秋櫻子

 

          のこりものに福あるみかん一つかな    久保田万太郎

 

          蜜柑盗みに山猿がくる雨がくる      秋元不死男

 

          急坂を来し息見せず蜜柑採る       津田清子

 

          大足に傾斜踏まへて蜜柑採る       橋本多佳子

 

          みかん一つ机に乗せて駐在所       斉藤葉子

 

 

 

                     

 

 

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