8月 21日

2011-08-20 23:56:28 | Weblog
              ( 鶏頭 )



鶏頭を三尺離れもの思ふ            細見 綾子


泣く吾子を鶏頭の中に泣かせ置く        福永耕二


鶏頭の影地に倒れ壁に立つ           林徹


鶏頭の炎の先へ蟻上る             深見けん二





槍鶏頭


槍鶏頭からりと山の日ざし濃し         古賀まり子


杉山へ朝露払ふ槍鶏頭             伊藤純子


墓に触れ槍鶏頭に触れにけり          山田みづえ






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8月 20日

2011-08-20 00:08:40 | Weblog
             ( 小車草 )


小車は不憫なる花のかづらかな         椎本才麿


小車の花いつとなくどことなく         神尾季羊


小車の花立ち伸びて秋曇り           東壷






反魂草


遠野まで反魂草の猿ヶ石川           藺草慶子


反魂草何時まで枯れぬチセの森         小林道子


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8月 19日

2011-08-19 00:02:24 | Weblog
             ( 杜鵑・ホトトギス )


賑はひの日々は遥かに杜鵑草          杉本由貴子


作法なき一人手前や杜鵑草           野々上久去


咲きはじめはや生臭き杜鵑草          川崎展宏


ゆく水に触れて色濃し杜鵑草          山口いさを


襖とり杜鵑花あかりに圧されけり        阿波野青畝





タイワンホトトギス




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8月 18日

2011-08-17 23:54:27 | Weblog
               ( 菊芋の花 )


菊芋の咲きて猛火のごとき照り          藤沢紗智子


花菊芋日傘に保母の瞳が涼し           宮坂静生


菊芋の花にばらばら雨白し            小松崎爽青


菊芋の花の外に出ず病むとなく          文挾夫佐恵






四角ひまわり


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8月 17日

2011-08-17 00:32:50 | Weblog
           ( 野紺菊 )



切株が坐れと二つ野紺菊            太田土男


土うすき岩の対島の野紺菊           林 翔


色褪せてむしろ魅かるる野紺菊         米尾 芳子


瞳を澄ますほどの風あり野紺菊         きくちつねこ





友禅菊



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8月 16日

2011-08-16 00:07:58 | Weblog
            ( 木槿・底紅 )



道のべの木槿は馬に喰はれけり              松尾芭蕉






針置くや夕日残れる木槿垣                千手和子


見上ぐれば雨一粒や花木槿                石田あき子


園丁の得たりと話す木槿垣                武田忠男





底紅や一村呑みし湖しづか                 鍵和田釉子


底紅や黙つてあがる母の家                 千葉皓史


白木槿の底紅ほどの帰心あり                吉田陽代







木槿垣本所區を野へ出る處                 正岡子規






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8月 15日

2011-08-15 00:16:04 | Weblog
           ( 蒲の穂・御簾草 )


蒲の穂へ日は縦に降る古墳村          鍵和田釉子


大窪みありて干拓蒲は穂に           和田暖泡


蒲の穂の一揆のごとく立ちとほす        飯川久子





             終戦記念日 



今日8月15日は66回目の終戦記念日それはすなわち敗戦忌でもあります。
平成21年上梓された伊吹嶺主宰栗田やすしの第4句集「海光」の中より(敗戦忌)の項の
中からころころが感銘を受けた珠玉の数句をご紹介します。
唯一米軍の上陸の侵攻を受け、多くの一般の犠牲者が出た沖縄で詠んでいます。


蜥蜴這ふ砲火に焦げし洞窟(ガマ)の口



暗闇に滴りの音自決壕



語り部となりし老爺に蝉時雨



慰霊の日礎(いしじ)にすがり婆泣ける



骨いまだ残るてふ洞窟(ガマ)滴れり



靖国の靖はわが名敗戦忌
 
                    
              
                  栗田やすし 句集「海光」 より      


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8月 14日

2011-08-14 00:46:52 | Weblog
            ( 冬瓜 )


冬瓜に月のいろある今宵かな           森澄雄


冬瓜のひとつがふさぐ野菜籠           和田 祥子


冬瓜の翡翠に透けて母の味            長谷川祥子


冬瓜のごろりごろりと出羽に雲          鷲谷七菜子


北京の宿冬瓜汁のうすみどり           細見綾子






寒枯藺の花(カンガレイ)
かやつり草科



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8月 13日

2011-08-12 23:58:42 | Weblog
            ( 秋海棠 )


女去つて秋海棠の茎紅し           沢木欣一


色つぎや秋海棠の茎の節           阿波野青畝


滝雫染めて秋海棠の花            矢島渚男


本阿弥のここら野屋敷秋海棠         水谷芳子


秋海棠馬籠ははしる水ばかり         谷 迪子






 今日は迎え盆 



迎火や野にある道がみな山ヘ           飯田龍太


迎火やほそき苧殻を折るひゞき          渡辺水巴


盆入りの指図こまごま父の声           皆川盤水







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8月 12日

2011-08-12 00:22:26 | Weblog
            ( 稲の花 )


稲の花照らす放下の大切子            都合ナルミ


さゆらぎて黄泉のあかるさ稲の花         能村登四郎


休み田へ風を頒かちて稲の花           福川悠子





みちのくの星低くして稲の花            正木ゆう子


高館や河白波に稲の花               石原八束


一雨の過ぎし象潟稲の花              深見けん二




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