６月 ２０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　青トマト・とまと・蕃茄



　　　　　　　　　　風垣を二重に能登のトマト畑　　　　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　塩振つて初生りトマト頬張れり　　　　　　　　　　　　藤田岳人


　　　　　　　　　　トマト熟る海より低き干拓地　　　　　　　　　　　　　平松公代


　　　　　　　　　　まだ青きトマト鴉が食ひ荒す　　　　　　　　　　　　　小原米子


　　　　　　　　　　鈴生りのトマト小粒や基地の畑　　　　　　　　　　　　砂川紀子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　妻も濡る青き蕃茄の俄雨　　　　　　　　　　　　　　　山口誓子


　　　　　　　　　　千万の宝にたぐひ初トマト　　　　　　　　　　　　　　杉田久女


　　　　　　　　　　二つ三つふぐり下りに青トマト　　　　　　　　　　　　石塚 友二


　　　　　　　　　　青トマトすくすく伸びし童女の背　　　　　　　　　　　相馬 遷子


　　　　　　　　　　虹たつやとりどり熟れしトマト園　　　　　　　　　　　石田波郷



　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　昨日も日本全国で13,160人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-232　）　

６月 １９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　父の日



　　　　　　　　　　父の日の娘と酌み交はす赤ワイン　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　父の日や少し派手目のシャツ選ぶ　　　　　　　　　鈴木信子


　　　　　　　　　　父の忌は父の日雨の降り止まず　　　　　　　　　　関根切子


　　　　　　　　　　父の日も父は始発で魚買ひに　　　　　　　　　　　横森今日子


　　　　　　　　　　父の日や地球に戦禍絶えぬ日々　　　　　　　　　　櫻井勝子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　父の日の隠さうべしや古日記　　　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　胸中の父と父の日語らはむ　　　　　　　　　　　　大橋敦子 


　　　　　　　　　　父の日やいつより怒らざる父に　　　　　　　　　　片山由美子


　　　　　　　　　　父の日の子よりの電話母が待つ　　　　　　　　　　森 啓子


　　　　　　　　　　男子厨房に入る父の日の独り酒　　　　　　　　　　水原 春郎



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　昨日も日本全国で14,837人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-511　）　

６月 １８日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　風鈴・鉄風鈴・硝子風鈴・風鈴売・風鈴市



　　　　　　　　　　風鈴の待てば中々鳴らざりし　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　母恋へば軒の風鈴一つ鳴る　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　短冊は伊勢型紙や江戸風鈴　　　　　　　　　　笹邉基子


　　　　　　　　　　鍛冶町に音色たがへし軒風鈴　　　　　　　　　鈴木みすず


　　　　　　　　　　プレハブの飯場の軒に貝風鈴　　　　　　　　　渋谷さと江



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　語りかけ来る風鈴を買ひにけり　　　　　　　　上野　泰


　　　　　　　　　　せはしげに安風鈴の鳴り通し　　　　　　　　　富安風生


　　　　　　　　　　持ち代へて風鈴の鳴る跨線橋　　　　　　　　　岡本　眸


　　　　　　　　　　吊したるより風鈴のこと忘れ　　　　　　　　　片山由美子


　　　　　　　　　　よき宵であり風鈴の江戸切子　　　　　　　　　増成栗人



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　昨日も日本全国で14,709人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-890　）　

６月 １７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　捻花、文字摺草



　　　　　　　　　　関跡に捩りゆるびし文字摺草　　　　　　　　　　　野島秀子


　　　　　　　　　　ねぢ花に木洩れ日淡し杓子庵　　　　　　　　　　　若山智子


　　　　　　　　　　雨誘ふ風の匂ひや文字摺草　　　　　　　　　　　　国枝洋子


　　　　　　　　　　吾が庭に突如一本ねぢればな　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　捩花やをさなに兆す反抗期　　　　　　　　　　　　上村龍子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　捩花の影も捩れてをりにけり　　　　　　　　　　　高須賀恵美子


　　　　　　　　　　文字摺の階を下りゆく雫かな　　　　　　　　　　　阿波野青畝


　　　　　　　　　　遠ざかる遍路の鈴や捩花　　　　　　　　　　　　　有馬朗人


　　　　　　　　　　仏彫る里にもじずり咲きにけり　　　　　　　　　　林　徹


　　　　　　　　　　もじずりの花の恋歌なかりしや　　　　　　　　　　大谷ふみ子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で15,515人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,295　）　

６月 １６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合歓の花・花合歓


　　　　　　　　　　山峡を汽車あへぎ出て合歓の花　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　合歓戦ぐ皇女降嫁の峠道　　　　　　　　　　　　　坪野洋子


　　　　　　　　　　良寛の小さ持仏やねむの花　　　　　　　　　　　　鈴木みすず


　　　　　　　　　　師を偲ぶ虹の光の合歓の花　　　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　夕の雨含みて重し合歓の花　　　　　　　　　　　　夏目悦江



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　合歓の花沖には紺の潮流る　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　合歓の花小振りに咲いて佃島　　　　　　　　　　　佐藤鬼房


　　　　　　　　　　合歓の花葉騒の上にひろがれる　　　　　　　　　　八木絵馬


　　　　　　　　　　指重ね礼する家風合歓の花　　　　　　　　　　　　林 翔 


　　　　　　　　　　かくし湯の人をかくして合歓の花　　　　　　　　　山口青邨



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で16,592人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,821　）　

６月 １５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華



　　　　　　　　　　てのひらに蓮の紅玉つゝみたし　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　蓮ひらく祈りの十指解くやうに　　　　　　　　　　伊藤範子


　　　　　　　　　　明日咲くか蓮の蕾のふくよかに　　　　　　　　　　横井美音


　　　　　　　　　　しののめや蓮見の関の緋毛氈　　　　　　　　　　　金田義子


　　　　　　　　　　伸びきつて大蓮の花せめぎあふ　　　　　　　　　　幸村志保美



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　一つづつ夕影抱く蓮かな　　　　　　　　　　　　　高浜虚子


　　　　　　　　　　蓮の花さくや淋しき停車場　　　　　　　　　　　　正岡子規


　　　　　　　　　　ほのぼのと舟押し出すや蓮の中　　　　　　　　　　夏目漱石


　　　　　　　　　　古代蓮開くや紅のほの暗し　　　　　　　　　　　　久保田月鈴子


　　　　　　　　　　古代蓮宝珠のごとき蕾あぐ　　　　　　　　　　　　伊東とみ子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　古代蓮・大賀蓮　　　　　　　　　↑

　　　　　　　　　　古代のハスの実から発芽・開花したハス（古代ハス）。1951年（昭和26年）、
　　　　　　　　　　千葉県千葉市検見川（現・千葉市花見川区朝日ケ丘町）にある東京大学検見川厚生農場
　　　　　　　　　（現・東京大学検見川総合運動場）内の落合遺跡で発掘された経緯から「検見川の大賀蓮」
　　　　　　　　　　として千葉県の天然記念物に指定されている。



　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　昨日も日本全国で15,331人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,703　）　

６月 １４日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さくらんぼ・桜桃・桜桃の実・チェリー



　　　　　　　　　　桜桃の艶におどろく夜学生　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　故郷の味と母云ふさくらんぼ　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　アメリカ産ダークチェリーの悪女めく　　　　　　　小長哲郎


　　　　　　　　　　エフエムの正午の時報さくらんぼ　　　　　　　　　奥山ひろ子


　　　　　　　　　　さくらんぼ一つ増えたる子供椅子　　　　　　　　　上杉和雄



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　一つ食べ一句考へさくらんぼ　　　　　　　　　　　稲畑汀子


　　　　　　　　　　桜桃やいのちみじかし恋せよと　　　　　　　　　　加藤秋邨


　　　　　　　　　　さくらんぼ悲鳴のやうなアリアかな　　　　　　　　辻　桃子


　　　　　　　　　　くちびるに触れてつぶらやさくらんぼ　　　　　　　日野草城


　　　　　　　　　　若き日を食らふが如しさくらんぼ　　　　　　　　　林　翔



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で7,956人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,150　）　

６月 １３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茄子・鴫焼・茄子漬・初茄子・焼茄子・なすび


　　　　　　　　　　故郷の日やけの茄子を送り来し　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　初なすび母の畑を受け継ぎて　　　　　　　　　　　辻江けい


　　　　　　　　　　二人居の安らぎ茄子の一夜漬　　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　裸弁天供物の茄子の艶めけり　　　　　　　　　　　服部鏡子


　　　　　　　　　　茄子太る波音近き海女の畑　　　　　　　　　　　　掛布光子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　もぎたての茄子の紺や籠に満てり　　　　　　　　　星野立子


　　　　　　　　　　すずめらに青波しぶき茄子畑　　　　　　　　　　　飯田龍太


　　　　　　　　　　漬茄子の色あざやかに嫁かずあり　　　　　　　　　菖蒲あや


　　　　　　　　　　古事記伝読みし夜は茄子鴫焼に　　　　　　　　　　有馬朗人


　　　　　　　　　　ひとくち茄子ひとくちほどの紫や　　　　　　　　　能村登四郎



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で13,394人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,713　）　

６月 １２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　萱草（かんぞう）の花・忘草・野萱草・藪萱草


　　　　　　　　　　ユリ科の多年草。道端や田の畦などに咲く。八重咲きがヤブカンゾウで、一重咲きはノカンゾウと
　　　　　　　　　　呼ばれ、中国の帰化植物の一つで別名忘れ草といわれます。
　　　　　　　　　　花の美しさにウサを忘れるからと言う説でしょうか　



　　　　　　　　　　萱草が御裳の裾の花と咲く　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　御前崎浜萱草の濃かりけり　　　　　　　　　　　　中村たか


　　　　　　　　　　氷室跡藪萱草の野となれり　　　　　　　　　　　　上田博子


　　　　　　　　　　湿原に朽ちし木道野萱草　　　　　　　　　　　　　高橋ミツエ


　　　　　　　　　　蝦夷萱草岬に海人の墓二つ　　　　　　　　　　　　山本悦子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　（　藪萱草　）



　　　　　　　　　　野に咲いて忘草とはかなしき名　　　　　　　　　　下村梅子


　　　　　　　　　　野萱草もつてのほかの恋をして　　　　　　　　　　大石悦子


　　　　　　　　　　花萱草どこも崖なす海女のみち　　　　　　　　　　和泉 好


　　　　　　　　　　今日をうたえ藪萱草の百の舌　　　　　　　　　　　豊口葉子


　　　　　　　　　　萱草やこゝに芽をふく忘草　　　　　　　　　　　　正岡子規



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　昨日も日本全国で15,351人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-2,882　）　

６月 １１日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夏椿・沙羅の花・さらの花


　　　　　　　　　　ツバキ科の落葉高木。十メートルほどの丈になる。白い花びらに黄色の蕊をもつ。
　　　　　　　　　　咲いてもその日のうちに落ちてしまう一日花。花の形が椿に似ていることから「夏椿」ともいう。
　　　　　　　　　　沙羅双樹とは、夏椿のことではありません。 沙羅双樹は、寒さに弱く、日本で育てることは
　　　　　　　　　　できないのです。 では、平家物語の一節に読まれている沙羅双樹とは何の木のことなのでしょう。
　　　　　　　　　　 実は、沙羅双樹の代用として、日本では「夏椿」が植えられていました
　　　　　　　　　　（　知識はすべてネットからお借りしています　）



　　　　　　　　　　あはあはと沙羅の花びら空にあり　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　古備前の壺に一輪夏椿　　　　　　　　　　　　　　鈴木みすず


　　　　　　　　　　風立ちて沙羅の花ちる万願寺　　　　　　　　　　　岩上登代


　　　　　　　　　　磨崖仏の裂け目に咲きし夏椿　　　　　　　　　　　山崎文江


　　　　　　　　　　本堂に遠き潮騒沙羅の花　　　　　　　　　　　　　武藤光晴



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　花を拾へばはなびらとなり沙羅双樹　　　　　　　　加藤秋邨


　　　　　　　　　　山水の音に四五人夏椿　　　　　　　　　　　　　　岡井省二


　　　　　　　　　　病む僧のわれに届けし沙羅一枝　　　　　　　　　　大野林火


　　　　　　　　　　和紙よりも縮れ微妙に沙羅の花　　　　　　　　　　山下美典


　　　　　　　　　　惜みなく咲くは落るは夏椿　　　　　　　　　　　　飯島晴子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　（沙羅双樹の花）


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で15,600人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-3,666　）