６月 １０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　時の記念日・時の日


　　　　　　　　　　時の記念日は毎年6月10日と定められています。 これは、671年4月25日に天智天皇が
　　　　　　　　　「漏刻」と呼ばれる水時計を建造し、はじめて太鼓や鐘の音によって時刻を人々に知らせたという
　　　　　　　　　「日本書紀」の言い伝えに基づいています。　（　知識はネットからお借りしています　）



　　　　　　　　　　時の日や改札口で待ちぼうけ　　　　　　　　　　　古賀一弘


　　　　　　　　　　時の日や外せば重き腕時計　　　　　　　　　　　　櫻井幹郎


　　　　　　　　　　時の日や遺品の時計遅れがち　　　　　　　　　　　鈴木満里子


　　　　　　　　　　時の日の流るる雲を見てゐたり　　　　　　　　　　近藤文子


　　　　　　　　　　しゃっくりと時の記念日過ごしけり　　　　　　　　ころころ　



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　早起きの雀も時の日なりけり　　　　　　　　　　　岸風三樓


　　　　　　　　　　時の日の時をゆるやか明治村　　　　　　　　　　　遠藤若狭男


　　　　　　　　　　パン食ふや時の記念日凡に過ぐ　　　　　　　　　　清水基吉 


　　　　　　　　　　時の日や順風の帆の模型船　　　　　　　　　　　　鷹羽狩行


　　　　　　　　　　初産は時の初記念日花あやめ　　　　　　　　　　　渡辺 照子



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で16,814人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-3,864　）　

６月 ９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　梔子の花・花山梔子



　　　　　　　　　　梔子の花や帯屋の長暖簾　　　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　梔子の渦にとどまる昨夜の雨　　　　　　　　　　　伊藤範子


　　　　　　　　　　舞稽古終へ梔子のよく匂ふ　　　　　　　　　　　　大島知津


　　　　　　　　　　梔子の香によみがへる母の顔　　　　　　　　　　　牧田　章


　　　　　　　　　　くちなしや一人暮しの勝手口　　　　　　　　　　　鈴木真理子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　（　八重梔子　）



　　　　　　　　　　中山道山梔子こそは人の魂　　　　　　　　　　　　金子兜太


　　　　　　　　　　地震の中山梔子の香のはげしさよ　　　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　くちなしの逢魔が時をしろじろと　　　　　　　　　下村梅子


　　　　　　　　　　山梔子の花の晴間へ乳母車　　　　　　　　　　　　中村汀女


　　　　　　　　　　錆びてより梔子の花長らへる　　　　　　　　　　　棚山波朗



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で18,416人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-4,349　）　

６月 ８日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雨蛙・青蛙・森青蛙・枝蛙



　　　　　　　　　　雨蛙が雨呼ぶ梅の青さにて　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　マリヤ寺金環の眼の青蛙　　　　　　　　　　　　　山下智子


　　　　　　　　　　青蛙鳴くだけ鳴いて水に浮く　　　　　　　　　　　矢崎富子


　　　　　　　　　　水撒けばあちこちに飛ぶ青蛙　　　　　　　　　　　山鹿綾子


　　　　　　　　　　蓮の葉にまだ尾のとれぬ雨蛙　　　　　　　　　　　森　靖子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　青蛙おのれもペンキ塗りたてか　　　　　　　　　　芥川龍之介


　　　　　　　　　　玉の声ときに平らに雨蛙　　　　　　　　　　　　　鷹羽狩行


　　　　　　　　　　保護色に迷うてをりし雨蛙　　　　　　　　　　　　稲畑廣太郎


　　　　　　　　　　青蛙ぱつちり金の瞼かな　　　　　　　　　　　　　川端茅舎


　　　　　　　　　　太郎冠者仕るべく青蛙　　　　　　　　　　　　　　阿波野青畝



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で17,039人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-4,978　）　

６月 ７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　梅雨・ついり・梅天・梅雨空・五月空・旱梅雨

　　　　　　　　　　昨日6月6日　関東甲信地方が梅雨入りしました


　　　　　　　　　　一隅に夜学教師の梅雨の傘　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　外郎（ういろう）てふ胃薬飲んで梅雨籠　　　　　　栗田せつ子


　　　　　　　　　　梅雨鴉一声鳴いてそれつきり　　　　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　主亡き書斎に梅雨の灯を低く　　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　寺田屋に深き弾痕旱梅雨　　　　　　　　　　　　　岸本典子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　枕木を叩くつるはし梅雨に入る　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　やぶれがさむらがり生ひぬ梅雨の中　　　　　　　　水原秋桜子


　　　　　　　　　　梅雨の闇小さき星は塗りこめて　　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　夕暮は犬の時間ぞ梅雨に入る　　　　　　　　　　　櫂　未知子


　　　　　　　　　　手で量るきやべつの重き梅雨入かな　　　　　　　　鈴木真砂女



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　昨日も日本全国で9,106人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-3,099　）　

６月 ６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　六月の黄色い花

　　　　　　　　　　未央柳・美容柳・金糸桃・美女柳＜季ー仲夏　オトギリソウ科＞


　　　　　　　　　　　　又きかれ未央柳とまた答へ　　　　　　　　　　星野立子


　　　　　　　　　　糠雨に少し乱れし美女柳　　　　　　　　　　　安斉君子


　　　　　　　　　　子規庵の庭に明るし金糸桃　　　　　　　　　　市原美幸


　　　　　　　　　　そよ風と遊べる未央柳かな　　　　　　　　　　加藤ゆうや



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　金糸梅.　＜三夏 . オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木＞


　　　　　　　　　　金糸梅明るき雨となりにけり　　　　　　　　中村姫路



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　春菊　＜三春. しんぎく/菊菜/高麗菊. キク科　＞


　　　　　　　　　　春菊が咲いてともかく妻で母　　　　　　　　　池田澄子


　　　　　　　　　　春菊の大きな花は黄が褪めし　　　　　　　　　高野素十


　　　　　　　　　　春菊や袋大きな見舞妻　　　　　　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　春菊の香や癒えてゆく朝すがし　　　　　　　　古賀まり子



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　麒麟草　＜ベンケイソウ科に属する多年草＜　季=夏＞


　　　　　　　　　　帰省子のみやこ恋しき麒麟草　　　　　　　　森 澄雄


　　　　　　　　　　ブルドーザーの惰眠錆噴く麒麟草　　　　　　伊丹三樹彦


　　　　　　　　　　漂へる石工一団麒麟草　　　　　　　　　　　水野真由美



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　弟切草・小連翹　＜オトギリソウ科オトギリソウ属の多年生植物　＞



　　　　　　　　　　弟切草日照雨に金の蕊張れり　　　　　　　　　山田春生


　　　　　　　　　　山の日や弟切草の長睫毛　　　　　　　　　　　瀬藤もと子


　　　　　　　　　　弟切草城址の山のをちこちに　　　　　　　　　花田由子


　　　　　　　　　　昨日も日本全国で15,109人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-5,714　）　　

６月 ５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　南瓜の花・花南瓜



　　　　　　　　　　花南瓜角逞しき島の山羊　　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　稲藁を敷かれ南瓜の花盛り　　　　　　　　　　　　市原美幸


　　　　　　　　　　境なき本家と分家花南瓜　　　　　　　　　　　　　上村龍子


　　　　　　　　　　授粉せり南瓜の花を広げつつ　　　　　　　　　　　藤田岳人


　　　　　　　　　　這ひ上り茶畝またげり花南瓜　　　　　　　　　　　松本恵子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　花南瓜はいはいと婆逆らはず　　　　　　　　　　　辻田克巳


　　　　　　　　　　母の鍬いつも戸口に花南瓜　　　　　　　　　　　　伍賀稚子


　　　　　　　　　　見捨てられ雨の南瓜の花小さし　　　　　　　　　　菖蒲あや


　　　　　　　　　　砂を這ふ南瓜の花に島の雨　　　　　　　　　　　　今井千鶴子


　　　　　　　　　　雨の日は咲かぬものらし花南瓜　　　　　　　　　　芦川 巣洲



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で18,252人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-7,504　）　

６月 ４日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　額の花・額紫陽花


　　　　　　　　　　額の花ひすいの花粉葉にこぼれ　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　寡婦たりし母が好みし額の花　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　よろずやの間口一間額の花　　　　　　　　　　　　雨宮民子


　　　　　　　　　　額の花咲きあふれたり土管坂　　　　　　　　　　　鳥居純子


　　　　　　　　　　雨雲の走る坂道額の花　　　　　　　　　　　　　　塩坂恵子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　額の花こころばかりが旅にでて　　　　　　　　　　森　澄雄


　　　　　　　　　　眼を病みし片くらがりや額の花　　　　　　　　　　鷲谷七菜子


　　　　　　　　　　水よりも土が濡れゐて額咲けり　　　　　　　　　　草間時彦


　　　　　　　　　　僧恋うて僧の憎しや額の花　　　　　　　　　　　　橋本多佳子


　　　　　　　　　　額咲いて鋏おもたき女かな　　　　　　　　　　　　石田 波郷



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　（すみだのはなび）


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　（やまあじさい）



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で19,271人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-8,277　）　

６月 ３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蝸牛・でで虫・でんでん虫・かたつむり



　　　　　　　　　　医務室の曇りガラスに蝸牛　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　終ひの地の二人暮しや蝸牛　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　山頭火句碑に角出すかたつむり　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　かたつむり猫が一瞥して通る　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　蝸牛ころりと落つる晴れつづき　　　　　　　　小原米子



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　かたつむり甲斐も信濃も雨のなか　　　　　　　飯田龍太


　　　　　　　　　　ででむしやダムに長居の袋雲　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　一つ葉に一つのあるじ蝸牛　　　　　　　　　　阿波野青畝


　　　　　　　　　　呼び馴れて女淡しや蝸牛　　　　　　　　　　　藤田湘子


　　　　　　　　　　東京の辺や蝸牛の角伸びて　　　　　　　　　　石田波郷



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で20,680人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-10,322　）　

６月 ２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　紫陽花・四葩・七変化



　　　　　　　　　　寺町が晩学の宿濃紫陽花　　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　虚子庵の名残の四葩藍淡し　　　　　　　　　　　　小島千鶴


　　　　　　　　　　七変化たつぷり活けて美容院　　　　　　　　　　　梶田遊子


　　　　　　　　　　紫陽花に触れて石仏巡りかな　　　　　　　　　　　藤本いく子


　　　　　　　　　　父の供花少し小振りの濃あぢさゐ　　　　　　　　　岸本典子



　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　（渦紫陽花）


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　（まいこ紫陽花）



　　　　　　　　　　手紙封じふくらみ紫陽花の事も書きし　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　子の渦に保母ひとりづつ濃紫陽花　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　葉の色に始まつてゐし七変化　　　　　　　　　　　稲畑汀子


　　　　　　　　　　仔猫来て瑠璃紫陽花を仰ぎをり　　　　　　　　　　水原秋櫻子


　　　　　　　　　　四葩咲き夕べ疲れし掌　　　　　　　　　　　　　　菖蒲あや



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　（柏葉紫陽花）

　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　昨日も日本全国で22,768人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-12,413　）　

６月 １日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　更衣・衣替え



　　　　　　　　　　更衣して水色のシャツ着たし　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　父の書く職歴長し更衣　　　　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　更衣マネキン一糸纏はざる　　　　　　　　　　　　岸本典子


　　　　　　　　　　捨てきれぬものは茶箱に更衣　　　　　　　　　　　安藤幸子


　　　　　　　　　　警官の腕に入墨更衣　　　　　　　　　　　　　　　若林美智子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　衣更へて肘のさびしき二三日　　　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　六十漢早寝早起更衣　　　　　　　　　　　　　　　黒田杏子


　　　　　　　　　　勢ひ書く返信二三ころもがへ　　　　　　　　　　　岡本 眸


　　　　　　　　　　すがたみにうつる月日や更衣　　　　　　　　　　　横井也有


　　　　　　　　　　銀座ママ老いも若きも更衣　　　　　　　　　　　　鈴木真砂女



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で22,022人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です　
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-10,350　）