１１月 １０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白菜・山東菜・山東白菜



　　　　　　　　　　白菜の尻つややかに積まれあり　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　白菜を供へ明かるき飛鳥仏　　　　　　　　　沢田充子


　　　　　　　　　　大白菜ばさつと割りて縁に干す　　　　　　　青山美佐子


　　　　　　　　　　白菜の尻を朝日に並べ干す　　　　　　　　　国枝洋子


　　　　　　　　　　色褪せて白菜畑にころがれり　　　　　　　　佐藤きぬ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　白菜の山に身を入れ目で数ふ　　　　　　　　中村汀女


　　　　　　　　　　山の神と云はれ白菜漬上手　　　　　　　　　渡辺恭子


　　　　　　　　　　白菜を洗ひて日なたぬらしをり　　　　　　　小沢青柚子


　　　　　　　　　　水あがる白菜夜雲真珠色　　　　　　　　　　石田あき子


　　　　　　　　　　鍋煮立つしゆんと白菜放り込む　　　　　　　星野　椿



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（白菜の花＝春）



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で87,008人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+16,749人　）
　　　　　　　　　　

１１月 ９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　柊の花・ひひらぎの花・花柊



　　　　　　　　　　柊挿す若狭の水の通ふ井戸　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　ひひらぎの香れる朝子は母に　　　　　　　　　若山智子


　　　　　　　　　　花柊ポンプに注ぐ誘ひ水　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　赤子見に花柊の路地ぬくる　　　　　　　　　　武田稜子


　　　　　　　　　　柊の花こぼれ継ぐ窯場径　　　　　　　　　　　幸村志保美



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　柊の花や間遠に機の音　　　　　　　　　　　　兼久ちわき


　　　　　　　　　　柊の花を見し目や眼帯す　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　柊の花も蕾も銀の粒　　　　　　　　　　　　　橋爪巨籟


　　　　　　　　　　父とありし日の短かさよ花柊　　　　　　　　　野澤節子


　　　　　　　　　　稚児行列柊の花こぼしゆく　　　　　　　　　　甲斐ゆき子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で83,250人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+16,636人　）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　月蝕を待つマフラーに顔うづめ　　　　　　　ころころ

１１月 ８日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枯蟷螂・蟷螂枯る



　　　　　　　　　　蟷螂（かまきり）は、あたりが枯れゆくに従って保護色の枯葉色に変わってゆく
　　　　　　　　　　しだいに生気もなくなりやがて死に至る。この様態を蟷螂枯 るといいます



　　　　　　　　　　手を合はせ行き所なき枯蟷螂　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　枯れてゆく蟷螂すがる指の先　　　　　　　　栗田せつ子


　　　　　　　　　　人の顔して蟷螂の枯れゐたり　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　蟷螂の枯れて日向に仁王立ち　　　　　　　　伊藤旅遊


　　　　　　　　　　蟷螂の青き腹見せ果てにけり　　　　　　　　神谷　尚



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色　　　　　　　　兼久ちわき


　　　　　　　　　　逆しまにポストをのぞく枯蟷螂　　　　　　　尾沼チヨ子


　　　　　　　　　　一条のみどり残れる枯蟷螂　　　　　　　　　横山房子


　　　　　　　　　　枯蟷螂生きる証の斧動く　　　　　　　　　　栗山妙子


　　　　　　　　　　蟷螂の枯れゆく脚をねぶりをり　　　　　　　角川源義



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で30,681人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+8,851人　）
　　　　　　　　　　

１１月 ７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　立冬・冬立つ・今朝の冬・冬に入る



　　　　　　　　　　今日11月7日は立冬、立冬は二十四節気のひとつで、冬が立つと書くように、冬の兆しが見え始める頃



　　　　　　　　　　立冬のことに草木のかがやける　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　師と並び反古焚きし庭冬に入る　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　誓子見し沖にタンカー冬に入る　　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　立冬やブーツで歩く石畳　　　　　　　　　　　　　　関根切子


　　　　　　　　　　手の甲に伸ばすクリーム今朝の冬　　　　　　　　　　太田滋子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　冬来れば母の手織りの紺深し　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　鯖雲もすでに大鱗冬立つ日　　　　　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　冬立つよ古洗濯機胴震ひ　　　　　　　　　　　　　　百合山羽公


　　　　　　　　　　今朝冬の日当りそめし手水鉢　　　　　　　　　　　　富安風生


　　　　　　　　　　冬に入る平等院の水の皺　　　　　　　　　　　　　　原　コウ子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で65,916人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+25,515人　）

１１月 ６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冬菫・寒菫



　　　　　　　　　　言葉少き日の縁下の冬すみれ　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　教会の庭に屈めば冬すみれ　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　唐行（からゆき）さん送りし港冬すみれ　　　　　金田義子


　　　　　　　　　　アスファルト割つて一列冬すみれ　　　　　　　　千葉ゆう


　　　　　　　　　　椅子ひとつほどの日溜り冬すみれ　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　ふるきよきころのいろして冬すみれ　　　　　　　飯田龍太


　　　　　　　　　　犬より荒き少年の息冬すみれ　　　　　　　　　　鍵和田釉子


　　　　　　　　　　子を生まぬこと冬菫愛さぬこと　　　　　　　　　夏井いつき


　　　　　　　　　　冬すみれ汝も平家の裔として　　　　　　　　　　津田清子


　　　　　　　　　　冬菫校舎の上に海展け　　　　　　　　　　　　　宮津昭彦



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で75,643人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+31,018人　）

１１月 ５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枇杷の花　（季＝冬）



　　　　　　　　　　歳月の屋根のなだれを枇杷咲けり　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　枇杷の花久女の里の昏れはやし　　　　　　　栗田せつ子


　　　　　　　　　　寄木屋の木屑の匂ひ枇杷の花　　　　　　　　国枝洋子


　　　　　　　　　　ふるさとの路地に迷へり枇杷の花　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　花枇杷の枝が張り出す休め畑　　　　　　　　北村美津子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　病む妻に嘘いくつ言ふ枇杷の花　　　　　　　能村登四郎


　　　　　　　　　　枇杷咲くやくろずむ梁の聖母像　　　　　　　原 俊子


　　　　　　　　　　遠ざけし人恋ふ枇杷の咲きてより　　　　　　鷲谷七菜子


　　　　　　　　　　旅に獲し言葉一つや枇杷の花　　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　鉄橋の影が白洲に枇杷の花　　　　　　　　　飯田龍太



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で33,036人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-6,254人　）

１１月 ４日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冬桜



　　　　　　　　　　晩秋から冬咲く桜の事・冬桜は十一月から翌年一月にかけて咲いて白色の一重咲きで花も木も小さいです
　　　　　　　　　　（寒桜は緋寒桜のことで彼岸桜の変種）



　　　　　　　　　　冬桜野の梅よりも疎なりけり　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　冬桜咲きて天守の影やさし　　　　　　　　　金田義子


　　　　　　　　　　戦闘機低く飛ぶ町冬桜　　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　秩父路の札所巡りや冬ざくら　　　　　　　　花村すま子


　　　　　　　　　　しづもれる湖東三山冬ざくら　　　　　　　　栗生晴夫



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　冬桜三十畳を拭きあげて　　　　　　　　　　夏井いつき


　　　　　　　　　　九十の母の喜び冬桜　　　　　　　　　　　　高木晴子


　　　　　　　　　　冬ざくら一枝に一花一蕾　　　　　　　　　　岸田稚魚


　　　　　　　　　　つくづくと淋しき木なり冬桜　　　　　　　　角川春樹


　　　　　　　　　　敵味方墓の寄りそふ冬ざくら　　　　　　　　野口伊久子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で67,603人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+25,208人　）

１１月 ３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文化の日・文化祭　（　旧明治節　）


　　　　　　　　　　文化の日（ぶんかのひ）は、日本の国民の祝日の一つ。日付は11月3日。 明治天皇の誕生日にあたり、　 
　　　　　　　　　　明治期に天長節、昭和初期に明治節として祝日となっていた日であります。
　　　　　　　　　　表題写真は300年以上続く俳諧道場、湘南発祥の地を示す史跡で西行法師ゆかりの地として知られる
　　　　　　　　　　大磯鴫立沢のほとりに建てられています。
　　　　　　　　　　庵内には、鴫立庵室、俳諧道場、円位堂、法虎堂、観音堂があり、80以上もの石造物が安置されています。
　　　　　　　　　　京都の落柿舎、滋賀の無名庵と並び、日本三大俳諧道場といわれています。
　　　　　　　　　　愛知の俳句の先輩、仲間と句会をしました


　　　　　　　　　　筆立に天眼鏡や文化の日　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　折紙の文化勲章文化の日　　　　　　　　　　　　河村惠光


　　　　　　　　　　窯出しの杯一つ買ふ文化の日　　　　　　　　　　豊田紀久子


　　　　　　　　　　声援に忘れし台詞文化祭　　　　　　　　　　　　花村富美子


　　　　　　　　　　軋みつつ止まる江ノ電文化の日　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　墨すれば埴輪のゆるる文化の日　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　明治節乙女の体操胸隆く　　　　　　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　手話劇に手話の拍手や文化の日　　　　　　　　　篠田悦子


　　　　　　　　　　カレーの香ただよふ雨の文化祭　　　　　　　　　大島民郎


　　　　　　　　　　文化の日乾布摩擦を隠れてす　　　　　　　　　　池田澄子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で70,259人のコロナ感染者の発表が有りました、また増えつつあります　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+20,113人　）

１１月 ２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サフラン・花サフラン


　　　　　　　　　　サフランは、秋咲きのクロッカスの一種で、もともとは染料、香料、薬用として多く栽培されて
　　　　　　　　　　いましたが、今は観賞用としても利用されています。パエリアやサフランライスの黄色は、
　　　　　　　　　　サフランの3裂した赤色の雌しべから得たものです。



　　　　　　　　　　灯台のさふらん畠珠洲岬　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　サフランを誰かが買へり枯燈台　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　サフランの花に声上ぐ誕生日　　　　　　　　梅田　葵


　　　　　　　　　　退院や先ずサフランの花に寄る　　　　　　　金田義子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　サフランや読書少女の行追ふ目　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　花サフラン咲かせ局長職を退く　　　　　　　阿部寿雄


　　　　　　　　　　サフランや印度の神は恋多き　　　　　　　　正木ゆう子


　　　　　　　　　　孤児にはや異人のにほひ花サフラン　　　　　鍵和田釉子


　　　　　　　　　　花サフラン咲かせ局長職を退く　　　　　　　阿部寿雄



　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で66,655人のコロナ感染者の発表が有りました　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+18,013人　）　　
　　　　　　　　　　

１１月 １日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　十一月・霜月・霜降月



　　　　　　　　　　峠見ゆ十一月のむなしさに　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　師の句碑に十一月の日差しかな　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　癒えし身に十一月の滝ひびく　　　　　　　　栗田せつ子


　　　　　　　　　　霜月や赤土乾く陶土山　　　　　　　　　　　則竹鉄男


　　　　　　　　　　川筋に十一月の月明り　　　　　　　　　　　江口ひろし



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　今日よりは十一月の旅日記　　　　　　　　　星野立子


　　　　　　　　　　少女の素足路地へすつ飛ぶ十一月　　　　　　能村登四郎


　　　　　　　　　　霜月や聖天さまに満ちし月　　　　　　　　　森　澄雄


　　　　　　　　　　二の丸へ十一月の女坂　　　　　　　　　　　廣瀬直人


　　　　　　　　　　十一月吉備路は塔と丸き山　　　　　　　　　大野林火



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で21,857人のコロナ感染者の発表が有りました　
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　心がけましょう
　　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+5,367人　）