チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

衣替え

2011年06月01日 15時53分29秒 | 日記
多くの人は今日6月1日を衣替えという
暦の上ではそのようになっているが
これをきものに当てはめようとすると問題が多い
もともと衣替えは
明治5年に明治政府が太陽暦を導入したときから始まったもの

其れまでの日本は月を基本にした陰暦を使っていたので
自然の移り変わりが細かい衣替えと同時進行していた
しかも大胆に
寒いときは綿を入れ暖かくなるとその綿を抜いて袷に
更に単にということで
自然の移り変わりを見ながら自分のきるものを決めていたきらいがある

そのため
素材もさることながら
色や柄は自然からの季節感を取り入れることがお洒落でもあった

ところで
この6月1日の衣替えは
「制服」に関して決められたことで
其の条例にはきものは含まれていない

学生服、警官、軍隊、車掌、運転手、郵便配達、教員、電話交換手など
制服を着て通学、仕事をしている人たちに向けて
衣替えがあった
明治5年の太政官公布令だ

そこにきものを当てはめるのはすこし乱暴だと
チャコちゃん先生は常に思う

今年は例年に比べて五月が寒かったので袷を着る機会が多かった
しかし通常はもう立夏の5月5・6日あたりは袷では汗ばむ
今年もそういう日も確かにあった
5月・6月はもっと自由自在に気温や風の感じをどう肌が受けるかに
主眼を置いたほうがきものは美しく着られると思う

さて今日は寒い寒い衣替え
秋櫻舎では台所を仕切るのれんを麻に取替え
間仕切りも麻にした

其のうちカーテンも麻にしようともくろんでいる
何故なら
この夏も節電が叫ばれているので
のれんやカーテンを麻にし数時間おきに霧吹きで水をあて
自然に涼しくなるようにしようというわけ

窓も網戸にして水を吹きかけて涼を取ろうと思う

日本の夏は昔からこうだった
締め切ったりせず風をそよそよ泳がして涼しくする
窓辺には糸瓜や朝顔を植えて枝を張らせ日よけにする
朝顔は美しいし
糸瓜は化粧水にもなる

3・11以後こういう昔の人の暮らし方の知恵が逆に新しい

家具調度のしつらえも夏らしく
更に食器も塗りや陶器から
磁器やガラス物に変えるという知恵も思い出させる

町中がいっせいに家の中も衣替えすると
かなりの電力は節約できるのではないか知らん

ちなみに陰暦の今日は4月30日
コメント
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