チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

青年の樹

2011年06月06日 13時19分41秒 | 日記
緑が少年の色から青年の色に成長した
柔らかさがなくなり芯が入った感じ
色も濃くなって堂々としている

綺麗可愛いと眺める時期から
木陰を提供し癒してくれるようになった
自然の成長は早い

人間の成長にもそのことが伺われる

北海道札幌のホテルマンだったI氏
23年前にチャコちゃん先生の「和服なら私」などの
本を読んでくださり
ホテルでの講演会を何回かひらいてくださった

まだ呉服屋も元気があり
お客様をたくさんお連れになって話を聞いてくださった
ホテルの対応が良いので
呉服屋さんはきものパーテイもこのホテルで開催
チャコちゃん先生を中心にきものフアンが増えていった

しかし時代は変わり
I氏とは年賀状でお互いの近状を報告するのみという付き合いに
札幌に行くことも少なくなり
行ったとしても予算が取れずビジネスホテルに泊まる有様


いきなり
「東京に転勤になりました!」
同系のホテルマンではなくそのホテルの母体に勤務
「栄転?」
「どうでしょう」
と謙遜している

早速地方からの泊り客の便宜を図っていただく
「お安い御用ですよ」
「ところでお子さんが生まれたばかりでしたねあの時」
「もう大学卒業して務めていますよ」
「ええええー」

(それだけチャコちゃん先生も年取ったということーー)

公園の櫻の樹も花に手が伸びていたが
今では全く仰ぎ見る状態
なんでもかでもみんな成長していく

最近は各会社の役員改定のお知らせも頂戴する
世代交代は必要だが
経験豊富な人たちの知恵はもっと大切
これからの世の中はまさに「知恵」が求められると思う

賢い後継者は
しっかりと長老の意見を身に付けようと努力している
先日伺った奥順も
昨日行った小千谷の組合の若手も

今まで支えた大人たちの意見を素直に受け入れ
次に活かそうという姿勢が見えたので
すがすがしい感じだった

青年の樹もいづれは年とともに葉を染め落としていく
しかし根元で確実に肥料になる
自然はこうやって循環し続ける

公園の木陰を歩きながらつくづく思う
コメント (1)
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