今年も残り1週間となりました。元気ですか。 先週は火曜日に職場の忘年会があり、水曜日はナショナル・ギャラリーでファン・エイク兄弟の画業についての講演を聴いてきました。
忘年会といっても、シティとゴールドマンの日本企業のレポートを担当する編集者や翻訳者の集まりです。在宅でロンドンから遠いところで働いている人も何人かいるので、全員集合というわけにはいきませんが、それでも12名集まりました。私にとっては、殆どの人が初対面でしたが、シティは勿論、ゴールドマンにも知り合いのアナリストは何人もいるので、なにかと共通する話題も多く、疲れましたが、楽しかったです。
ファン・エイクというと、私はヤン・ファン・エイクしか知らなかったのですが、フーベルトという兄がいて、この兄が現在の油彩画の技術的基礎を確立した人だということを今回初めて知りました。美術史におけるファン・エイク兄弟の位置づけ、特に、写実主義という形で彼等の時代にモダニズムの最先端を行っていたという主旨の講演だったと思います。英語の講演なので、内容は半分くらいしか理解できていないと思いますが、それでも楽しかったです。
金曜日には、国民保険の面接を受けに出かけてきました。アメリカでは、Social Security Numberというコード番号で国民を管理するわけですが、英国でこれにあたるのが、National Insurance Numberと呼ばれるものです。端的には日本の住民票や戸籍制度のように、国民ひとりひとりを政府が認識し、主に徴税を漏れなく行うための主要な道具と言えます。11月中頃に、勤務先からこの番号を取得するようにとの指示を受け、言われるままに電話で面接の予約をしたら、この日になったという次第です。会場には、私のような外国人労働者があふれていました。自分の番が来るまでの間、他の人の面接の様子を見ていたのですが、英語ができない人が多いことに驚きました。言葉の通じない土地で暮らすのは、決して楽なことではありませんし、そんなことは百も承知なのでしょうが、それでも自分の生まれ育った土地を離れなければならない事情がある人が多いのでしょう。そうした人々を受け容れるこの国の度量の深さにも感心しますが、移住にせよ出稼ぎにせよ、外国で稼がなければならないような国が多いことにも驚きます。改めて、今の時代に日本人であることの幸運を感じました。
今週はクリスマスで、街中は休暇モードですが、景気減速で小売業のほうは商売に必死なようです。毎日、クリスマス開けのセールのチラシが舞い込んでいます。クリスマスの終わりが射程に入り、冬至も過ぎて、これから少しずつ日が長くなると思うと、何故か嬉しい気分になります。
年末年始はなにかと気忙しいでしょうが、冬休みの宿題は早めに終わらせて、よい正月を迎えてください。では、また来週。